すとんと刺さる

ゆるいおたくのよしなしごと

背中合わせ ー劇団シャイニング「エヴリィBuddy!」

オタクになってからというものの、いつでも何かしらの情報を待ってる気がします。新しい作品!新しいキャスト!新しいビジュアル!今待ってるのは配信のお知らせ。千秋楽を迎えてからもう10日経つのに、10月がもう終わってしまうというのに、まだ来ない。あると思うんだけど、ないのかなー……いや、あるはずだ。(と思ってたらさっきお知らせ来た!)

 

遅ればせながら劇団シャイニング『エヴリィBuddy!』千秋楽おめでとうございました。天候による影響は免れなかったものの、全13公演を終えられたこと本当に良かったです。改めて、誰にとっても当たり前にある公演というのはないんだなあ。全部大事に観ようと思いました、本当に。

以下、ネタバレを普通にしています。

前も書いたけど、すごく楽しい舞台でした。お芝居も殺陣も音楽もダンスも全部詰め。劇団シャイニングはいつも間違いのないものを見せてくれるなあという印象です。

捻らずど真ん中をいく物語は「楽しい」ことを妨げる何かにはならない。全部を見てるわけじゃないんだけど。

あと今回すごく感じたのが、キャストがみんな上手い!台詞回しやアクションにまったく不安がなくて、気をそがれることなく集中して観劇できたのがすごく良かった。主演の2人はもちろん劇シャイ初参加組もそれぞれ良くて、キャラクターが良いとか動きがいいとかに限らず、みんなお芝居が上手だった。

稽古の進みもとても早かったとのことです。椎名さんが配信で振り返りの話をされてたのですが、すごく良い現場だったみたいで何よりだなーと思いました。結局オタクなので推しが楽しいのが一番楽しいです。

私は原作未視聴ですが、ツイでの感想を読むと、原作になってるドラマCDを知ってると、より楽しめるところがちょいちょいあったようです。でも、私が慣れたのか単純に主人公キャラの少なさか、忍び道のときに少し感じた「プリンスたちのパーソナリティについて知らないと理解しにくいニュアンス」が今作では全然気にならなくて。あ、だけど翔ちゃんが双子という設定は知っていてよかった!

この双子設定や、カズキとショウの背格好が似てる話、バディの運命性とか必然性を感じられてとても好きでした。役者さんのファンだからなおさらにっこりしてしまう。

ずいぶん前に読んだ植田さんのインタビューで椎名さんのことをライバルと話していて(そこに限らずよく話されてることだけど)、それは2人は身長低い枠で被っているから、キャラで言ったら決して被ってないのに、小さい枠はだいたい1作品1人だからだと。そういう2人が今では身長に関係なく共演できていて、逆にその背格好ネタが物語の一要素としてさりげなく織り込まれるようになったんだと思うと、なんか、いいなー!!って。お互いに頑張ってきたよね。と、そのほんの一部しか知らない私でも、なんだかじんわり感動してしまう。

染谷さんは6月に「COCOON」で見たときも思ったけど、そこにいるだけで舞台が華やぐ感じがする。レイジのキャラクター、昼行灯のようで実は食えない奴というのすごく似合ってました。あと彼のアクションを久々に見たので、なんかすごい動いてるぞ…!とびっくりした。ガンアクションかっこよかったです。

ショウは後輩という立場がはっきりしてるせいか、忍び道よりわんこですごい可愛いキャラでした。まっすぐ!で主人公だなあというタイプ。あとアクション上手くなった??比較対象が忍び道になっちゃうけど、足があのときより上がってた!ような気がする!

レイジもショウもほんっとうに出ずっぱりで、その上アクションも多いからどれだけ大変だったろうと思うんですが、心配になってしまうようなことは一切なかったのでさすがです。ショウのほうが猪突猛進のようで、でも結局無茶するのはレイジというバランスが好きだったな。

ナカツガワとナオミチ、最高でしたね…特にナオミチ大好き。ナオミチの出番って主人公2人についで多かったように思うんだけど、笑わせてくれるし和みの存在でありつつアクションもしっかりこなす、すごく塩梅のいいサブキャラでした。ナカツガワ警部補は良い上司。そして足が長い!裏切らない窪寺さんを初めて見たかもしれない。

サイオンジ、とても良い唐橋さんでした。ただそこに立つだけで舞台の空気が変わる感じは圧倒的。アクの強い俳優さんなので、そのアクを打ち消してしまうような役は残念に感じてしまうんですが、さすが毛利さんは唐橋さんの使いどころをわかってる〜〜。ビジュアルといいキャラといい、唐橋さんだからこそという人物で大変眼福です。ロン毛!ヒゲ!マッド!あと御本人は、腰が悪いためアクションに関してはよぼよぼとしたつぶやきをしがちなのですが、まだまだ全然いけるということがわかったので次回刀ステでも、今後の最遊記歌劇伝でもぜひ頑張ってほしいところです。冗談はさておき、無理だけはせずほどほどに挑戦を続けてもらえたら…

クガヤマは、何よりあの1人劇場で場を保たせてたことに感心しきりです。しかも噛まない!えっすごいな。あの場面がなかったらいま一歩魅力に欠けるキャラになってしまったかもしれないのに、あの可愛げを見せられてしまったら、心から嫌いにはなれないし憎らしくも思えなくなる。

斎藤さんと阿瀬川さんは若手組という印象だったけど、年齢で言えば決して若すぎる人たちではなかった。20代だけど。年齢がすべてじゃないとはいえ、アラサー以上の役者のみなさんの安定感、ほんと心地よかったです。

そしてカズキとカズマなんですが。最高でしたね……かっこいい演技も悲しい演技も、良いところをたくさん見せてもらえました。カズキとカズマで全然違う。

いつ見ても蹴りが高いし速い。個人的にアクションシーンを終えて、ジャケットをシャッと直す仕草がたまらなかったです。カテコで出てくる前もやってたあれ。カテコで主人公たちに向けて両手をバッと広げるのも好き。なんでも好きか。好きです。

レイジとの日替わりシーンについて、先日の配信で詳しく話してくれました。私が見た中には好きなおでんの具を聞いた本人が答えで「おでん」と言っちゃう問題回もあったけど。本人的ベストは、好きな時間を聞いてそれぞれ3時と9時の答えで「背中合わせじゃん!さすがバディ!」と返したときとのこと。確かにそれ聞いたら思わず拍手してしまうかもしれない。収録日用に使ったという刺繍入りハンカチの実物を見せてくれたのが嬉しかったです。*1

演技で特に好きだなーと思ったのが、終盤カズマがショウとレイジに銃を向けるシーンです。あの場面は3人ともすごく良かった。カズマの涙が落ちるのがはっきり見えて、その表情がすごく幼くて頼りなさげで、カズキが見てきた弟のカズマの顔はこういう感じなのだろうなと思いました。もう一つは、撃たれたレイジが夢のようなどこかでカズキと再会するところ。カズキのときはだいぶ余裕がある声なんだよね、「レーイジーー」って呼びかける声が好きです。あと暗転の直前の笑顔!カズキはそれまでも笑ってはいたけど、そのときが一等賞の笑顔になるのが、なんか、なんか、……なんで劇シャイの推しくんは死んでしまうのか……一番好きな表情です。

でもレビューではそんな悲しい寂しい気持ちは横に置いて、一生懸命光る棒を振り回しました!楽しかった〜〜!2曲目が曲もダンスも特に好き。サビのとこの振り、すっごい可愛くない??

まとめると、ぴったり2時間の公演で、笑ったり悲しんだり、めいっぱい楽しむことができて幸せな気持ちにもなれたので、なんて素晴らしいんだ劇団シャイニング…!という感想です。

書いてる最中に配信のお知らせが出たのでこちらも。

 円盤とリリイベ楽しみだなー!半年先だけど!!

とても楽しい、良い舞台でした。 

*1:記念に衣装さんにもらったそう