すとんと刺さる

ゆるいおたくのよしなしごと

聞こえますか ー少年社中『モマの火星探検記』

歌劇伝にわきわきとしている最中に、楽しみにしていたこちらに行ってきました。社中さん新規の私にとって初めてのモマ!今年初めての少年社中です。

今回が再々演ということですが、それも納得の良い舞台でした。好きかというとまた別なんだけど。機械城のときだったかな、社中ニコ生特番で、毛利さんが演出家になってなかったら人殺しになってたかもしれないなんてことをにこにことお話されていて、やべーな…と思ったことがあったんですが、私は毛利さんのそういう尖った部分というか、この人やばいという部分を愛してやまないので、その意味での物足りなさはありました。だけど原作は児童文学だしね。物足りなさは物語が優しいってことでもあって、だからこれでいいんだと思います。子どもに優しいのは至極真っ当だし安心する。

あと生駒ちゃんすごく可愛いし…!あんな可愛い子を悲しませたらいけない。

以下、ネタバレ含みます。

いつも思うことだけど、社中さんの舞台は目が楽しい。衣装はもちろんのこと、照明もとても綺麗でした。星空が劇場全体に広がって宇宙にいるみたい。舞台作品の映像化も当たり前になってありがたいことだけど、照明の美しさは劇場でないと味わえないなあと思います。衣装で特筆すべきはユーリの足のモフモフ!あれは天才すぎるでしょ…。中学生チームプラスお母さんはどこか民族衣装っぽく、宇宙飛行士チームもスーツのトップスがそれぞれの国の衣装モチーフになってるのが素敵。モマがどことなく王子様めいてるんだけど、おじさんの衣装も金ボタンが並んでてちょっと雰囲気が似ていて、そういうところがたまらないです。好き。本当の本当に思うんだけど、社中さんはいつかきっと衣装展をやって欲しい。望んでる人絶対多いよー!

夢を見続けることの大切さがいちばんのテーマだと思うんだけど、親子の物語でもありました。モマとユーリ、お母さんとユーリ、おじさんとモマ、そして側面ではあるけどお母さんとそのお父さん。お母さんは反発を覚えてしまう役どころなんだけど嫌いにはなれなかったです。だってモマの家をそのままにしていることや、何よりユーリを見るだけで、愛情深い人なんだというのはわかる。お母さんは子どもの頃からずっとおいてけぼりの気持ちなんだろうな。物理的にも心情的にも。そういう寂しさって他者に願ってどうしてもらえるものじゃなく、結局は自分自身で折り合いつけるしかないと思うんだけど、物語の最後を見るに、ユーリとお母さんは少しずつでも歩み寄っていけるんじゃないかな。

アポロ13」とか「オデッセイ」とか、訓練を受けた宇宙飛行士が不測の事態にも冷静に対処する映画のファンなので、「モマ」の宇宙飛行士たちのそういう描写もすごく好きです。故郷のゆくさきも悲しいしらせも静かに受け入れて、精神的にはいつでもフラットであるよう鍛えられてる。でもホルストのように、だからこその苦しさもきっとあって。何度か出てくる彼らの祈りの姿がそれぞれ違って美しかったです。あのシーンを見比べるためにだけでも円盤欲しい。スコープスは、ずるいな〜〜〜!!って思いました。みんな大好きでしょうスコープス。鈴木のしょうごさんのお顔がよくわからないのはちょっと残念などと思ってたんですが、全然、もうとっても良い役だったね!スコープスのショートコントに泣かされるなんて。

物語はある程度想像通りに進んでいって、悲劇の部分も予想していたことだったので、気持ち的にはいちばん盛り上がったロケット打ち上げからなだらかに収束していく感じ。贅沢を言えば、最後にまたダンスが観たかったです。あと東西声。とざい、とーざい!

良いものを観たなーと思います。その気持ちはじんわりずっと残っているんだろうな。

次回作も楽しみです。