すとんと刺さる

ゆるいおたくのよしなしごと

聞こえますか ー少年社中『モマの火星探検記』

歌劇伝にわきわきとしている最中に、楽しみにしていたこちらに行ってきました。社中さん新規の私にとって初めてのモマ!今年初めての少年社中です。

今回が再々演ということですが、それも納得の良い舞台でした。好きかというとまた別なんだけど。機械城のときだったかな、社中ニコ生特番で、毛利さんが演出家になってなかったら人殺しになってたかもしれないなんてことをにこにことお話されていて、やべーな…と思ったことがあったんですが、私は毛利さんのそういう尖った部分というか、この人やばいという部分を愛してやまないので、その意味での物足りなさはありました。だけど原作は児童文学だしね。物足りなさは物語が優しいってことでもあって、だからこれでいいんだと思います。子どもに優しいのは至極真っ当だし安心する。

あと生駒ちゃんすごく可愛いし…!あんな可愛い子を悲しませたらいけない。

以下、ネタバレ含みます。

いつも思うことだけど、社中さんの舞台は目が楽しい。衣装はもちろんのこと、照明もとても綺麗でした。星空が劇場全体に広がって宇宙にいるみたい。舞台作品の映像化も当たり前になってありがたいことだけど、照明の美しさは劇場でないと味わえないなあと思います。衣装で特筆すべきはユーリの足のモフモフ!あれは天才すぎるでしょ…。中学生チームプラスお母さんはどこか民族衣装っぽく、宇宙飛行士チームもスーツのトップスがそれぞれの国の衣装モチーフになってるのが素敵。モマがどことなく王子様めいてるんだけど、おじさんの衣装も金ボタンが並んでてちょっと雰囲気が似ていて、そういうところがたまらないです。好き。本当の本当に思うんだけど、社中さんはいつかきっと衣装展をやって欲しい。望んでる人絶対多いよー!

夢を見続けることの大切さがいちばんのテーマだと思うんだけど、親子の物語でもありました。モマとユーリ、お母さんとユーリ、おじさんとモマ、そして側面ではあるけどお母さんとそのお父さん。お母さんは反発を覚えてしまう役どころなんだけど嫌いにはなれなかったです。だってモマの家をそのままにしていることや、何よりユーリを見るだけで、愛情深い人なんだというのはわかる。お母さんは子どもの頃からずっとおいてけぼりの気持ちなんだろうな。物理的にも心情的にも。そういう寂しさって他者に願ってどうしてもらえるものじゃなく、結局は自分自身で折り合いつけるしかないと思うんだけど、物語の最後を見るに、ユーリとお母さんは少しずつでも歩み寄っていけるんじゃないかな。

アポロ13」とか「オデッセイ」とか、訓練を受けた宇宙飛行士が不測の事態にも冷静に対処する映画のファンなので、「モマ」の宇宙飛行士たちのそういう描写もすごく好きです。故郷のゆくさきも悲しいしらせも静かに受け入れて、精神的にはいつでもフラットであるよう鍛えられてる。でもホルストのように、だからこその苦しさもきっとあって。何度か出てくる彼らの祈りの姿がそれぞれ違って美しかったです。あのシーンを見比べるためにだけでも円盤欲しい。スコープスは、ずるいな〜〜〜!!って思いました。みんな大好きでしょうスコープス。鈴木のしょうごさんのお顔がよくわからないのはちょっと残念などと思ってたんですが、全然、もうとっても良い役だったね!スコープスのショートコントに泣かされるなんて。

物語はある程度想像通りに進んでいって、悲劇の部分も予想していたことだったので、気持ち的にはいちばん盛り上がったロケット打ち上げからなだらかに収束していく感じ。贅沢を言えば、最後にまたダンスが観たかったです。あと東西声。とざい、とーざい!

良いものを観たなーと思います。その気持ちはじんわりずっと残っているんだろうな。

次回作も楽しみです。

 

つづく ー『最遊記歌劇伝-Oasis-』その2

ついに、残しておいた配信のタイムシフトも見てしまいました。いよいよ終わってしまったんだなあ…という気持ち。続きがあることは信じてるけど、でもまた何年かはかかってしまうのかな、どうなんだろうな。素晴らしいものを届けてくれたキャスト、スタッフの皆さんにありがとうございましたと感謝するとともに、彼らの西への旅がまだまだ見たいと、大きめに声をあげていきたいです。アニメの最後に「つづく!」と出るみたいな終わりかただったしね!

もちろん劇場で観られるならそのほうがいいに決まってるけど、映像では表情がはっきりと見えるので、その点ではとても好き。セリフのない部分でのお芝居のきめ細やかさに心臓を掴まれる場面も多かったです。なんて顔するの!と思って。たとえば、OP終わってすぐの手をのばす悟空とか…病み上がりに八戒悟浄に諭された悟空が顔を上げてまた立ち上がるときとか…あと最後の「俺が行きたいから行くんだ」のところとか……なんてかおをするの!!それとちょっと話はずれるけど、この前『ピカレスクセブン』も見てしみじみと思ったんだけど、椎名さんの子どもっぽさの演技は職人技だなって。今回の悟空は彼の成長ストーリーなのもあってそんな場面は少ないけど、ちょっとした動きとか表情がすごく子どもっぽくて、おぉとなりました。若く見えるというのとは違くて。技術だなあ。

表情でいうと、ヘイゼルがよく変わって可愛かったです。歌劇伝のヘイゼルは似顔絵がかわいく描けそうな気がする…なんかちょっと可愛げがあるというか。原作よりも雑っていうか、神経質っぽさが控えめというか、あんまり繊細じゃなさそう。少女とお兄ちゃんもとっても良かった!アンサンブル中心の歌(キープアウト!というやつ)でのお兄ちゃんの表情がとても好きでした。それ以外でも悟空に帽子をあげるエピソードとかで彼の面倒見の良さが全面的に印象深く描かれてたので、そのぶんわかっている展開が辛かったです。やり切れない。ひなべっこシーンでPに絡まれたとき妹を守るとこや兄妹の靴がおそろいだったのもにこにこしてしまったな…やり切れない……。

あと大好きだったのは、OPでもEDでも、今回はいなかった三蔵の立ち位置がはっきりとわかる場面があったところ。いつも悟空と担当してるパートは別の誰かが替わるんじゃなく、シンプルに三蔵が抜けた形になってたところも。早く!拾いに行って!!

ニコ生での振り返りで、いろいろなお話を聞けて嬉しかったです。いつもだけど、そういうこと教えてくれてありがとうーって思います。公演前のお祓いについてなど、貴重なお話でした。ご本人は最後まで座長(仮)と言ってたけど、立派な座長だったよってたぶんみんな思ってる。でもその(仮)の部分に鈴木さんへの思いが詰まってるんだろうなあ。本当に、なるべく早く西への旅が続くといいね。って、私が観たいからという以上に思いました。

覚悟について ー『最遊記歌劇伝-Oasis-』

1月は2019年のまとめを書くなどしていたら終わってました(まだ書き終えてない)。

そんなことよりも『最遊記歌劇伝』の新作を!観てきたのです!!最高だったなー!!今回すごく好き。

去年1月に前作『Darkness』と一緒に発表されてから、1年と1ヶ月後の上演です。鈴木さんと唐橋さんのいない初めての公演。ダークネス終演後から鈴木さん=三蔵がいなくて最遊記歌劇伝が成立するのか、という意見はちらほらと見かけていて、もっと強い口調だと「いないのにやる意味あるの?」と言っている人もいたのだけど、観劇後の今はその人たちへ向けて、あったよー!!と手を振るような気分です。

この形での公演が決まるまでには、たくさんの話し合いがあったと思うのです。制作のえらい人たちだけでなく、おそらくはキャストとも。そうして鈴木さん不在でも物語を先に進めることを決めた。その決断はたぶんいろんな人にとって覚悟のいることで、それを強く感じる舞台でした。

本当に素敵だった。お疲れさまでした。

以下、舞台のネタバレ、原作の展開に触れています。

 

最遊記歌劇伝-Oasis-』

椎名さんの悟空がすごく好きだなー!!と改めて思いました。観ると毎秒ごとにその気持ちが更新されるのですごい。

三蔵がいなくても全然最遊記歌劇伝だったけど、でもやっぱり三蔵が真ん中にいるのとは違う、悟空の最遊記歌劇伝だったという印象です。

最初の悟空のソロ、歌詞が好き。「次に昇る太陽もまた西を目指すのかな」という部分、悟空もそれくらい当たり前に西に向かってたってことなんだろうな。悟空の物語であるオアシスがこの歌詞から始まるという意義の深さがもう。それはそれとして悟空の素直さがそのまま出てる歌詞がとてもかわいい。

今回新曲が多かったような気がします。メインキャストが減って割り振りが増えたからそう思うのかな。みんなすごい歌ってた。そしてみんなすごく上手でした。確実にダークネスより上手くなってない??

歌劇伝の歌は物語の進行から独立してなくて(歌劇だからそりゃそうなんだけど)、話の一場面を担ってるので、シリーズを重ねて誰がどこでどの歌を歌うかに意味が出てくるのが面白いなーと思います。今回は三蔵法師のみなさんが全員いないので特にそういう箇所が多くて、なんか、なんか、エモとはまさにこれだなって……

光明パートだった「あなたに伝えたい」をOPで悟空が歌ったとき、こんな真っ直ぐに「あなた」を見据えた歌い方するんだとちょっとした衝撃を受けました。EDではヘイゼルが担当してたけど、光明が看守ってる視線なのに対して2人にとっての「あなた」は保護者という対比が新鮮。

今回の歌はどれも本当にすごく印象的だったんだけど、なんか一番うわあとなったのが、お決まりの茶番劇で出てきた恋の歌が最後に出てきたことでした。いろんな意味のうわあ!です。初出しそこ!?とも思うし、でもあのバカバカしいくらいの日常で歌われた歌が最後にもう一度歌われることで辛さがより増す、よい演出だった…。情緒がガッタガタになるけれど、情緒なんてガタガタになるためのものだしね!!ヘイゼルの歌唱力で余計に辛いんだよー。

法月さんのヘイゼルは可愛げがあるっていうか、なんかキュート。今回はセリフの掛け合いだけだけど子ども時代も演じていたから特にそう思うのかも。置いていかれて拗ねた子どもみたいで、愛しさが増してしまう。オアシス編は悟空たちのいる妖怪の村だけでなく人間側の描写もなくてはいけないものだけど、ヘイゼルがよく喋るから(褒めてる)三蔵の不在がそんなに気にならなかった。演技の緩急が心地良かったです。

三蔵の演出に関しては、賛否あるだろうとは思ったけど、試行錯誤の結果なんだろうなーって。そりゃ鈴木さんにいてほしかったに決まってるよ!個人的には烏哭と同程度にして、あとは相対する役者さんの演技に任せてもよかったんじゃと思ったけど、それが正解だとも思わない。なのであれがベストなんでしょう。「一寸の虫にも〜」のくだりは次回やってくれるって信じてる。

と、いうのも、冒頭でダークネス振り返り部分があったからです。藤原さん八戒でのVS斉天大聖、観ることができて嬉しかった!そしてダークネスに引き続き斉天大聖のアクションを堪能できてとてもお得な気分です。ガトの銃弾を歯で受け止めてぺって吐き出すところが大好きすぎて何度でも見たい。そしていつもは悟空が歌う「ただ生きている〜」を八戒と悟空を両脇に抱えた悟浄が歌うところもとてもよかった。悟浄といえばソロの太陽くんすごく歌上手くなった!そして歌詞!いつかの原作の扉にあったやつ!

出演キャストが発表されたとき、少女役が女性じゃないのがすこし(いや結構)ショックだったんですが、歌劇伝はもうそういうものなんだと受け入れたら、少女役村田さんはすごく良かったです。ちゃんと少女だった。あとお歌がじょうず!悟空は座組の中でも本当に小さいんだけど、でもその小さい悟空よりさらに小柄で、人材とはいるところにはいるものだ…と思いました。

 

そして、悟空は本当にかっこよかったです。彼は本当に、人の感情を引き込むような演技をする人だと思う。「生きてていいんだ」って子どもたちに語りかける場面、逆光になって表情がよく見えないんだけど、声だけで思いが伝わる。いいシーンでした。この場面に限らず、照明の使い方は全体的に好きだったな。舞台上だけでなく、客席にまで効果のある使い方で。

なんかもう、一場面ずつここが良かった最高って書けそうなんだけどきりがないのでそれはまた別に記事を書くとして(書きます)、とにかく良かったです。悟空の歌が、たぶんキーがぴったり合ってるおかげでもあるんだろうけど、すごく伸びやかで良かった。EDではダンスしたり走り回ったりずーっとくるくると動いていて、いつもの歌劇伝とは違う悟空が真ん中の歌劇伝を一番感じた部分だったなー。落ち着きがないというか、元気いっぱい。特に好きだったのは、「生きろ」「もっと」という歌。悟空の歌声は、さっきも書いたけど本当にまっすぐ響く。泣きながら地面を殴る場面でこぶしが本当に震えてるのを見て、全身で表現するってこういうことだと思いました。

そういえばカテコでいつもにこにこ顔で出てくる悟空が、今回は真顔で登場して切ないような頼もしいような気持ちでグッときたんですが、最後に悟浄と八戒との挨拶ではいつも通り手を繋いで背伸びしてたので嬉しかったです。椎名さん、挨拶で大きい声出そうってときにちょっと背伸びするのがとてもかわいい。

 

ここまで続けてきた以上、もうキャスト変更はしない方向でどうにか続けていくのでしょう。そういう覚悟をひしひしと感じる作品でした。ヘイゼル編の一段落まであと1回かな?待ってます。だって絶対に見たいよ!外伝だって見たいんだよ!!

2020

あけましておめでとうございます。

12月後半からあけまして今日まで、刀ステ行ったり個イベ参加したり何回目かの接触チャレンジしたり玉集めたり配信見てきゃーと言ったり帰省したりまた帰ってきたりセール行ったり玉集めたりしていました。

イベントがねー、もうすっごく楽しかったんですよ……毎回同じことを思うし書いてしまうんだけど、私はよい人のファンをしているなーといつも実感します。

彼の握手会はいわゆる剥がし役の人が付かずにファンが自主的に離れていく形で、きちんと会話らしい会話ができるのですが(だから余計に事前の練習と心構えが必要)、5回?6回?めの今回もやっぱりよくわからないことを言ってしまった気がする。でも私の話などどうでもいいので、彼がどれだけ素晴らしくかっこよかったのか書かせてください。

エチュード「残されるパセリの気持ちも考えろよ」(お題があいまい)でのポテト役熱演。鯛フェスの楽しいところはイベントといえどお芝居する姿をたっぷり見られることだなあと思います。

エチュードに合わせてアクロバット(側転、バク宙、前転だったかな)。「どんな靴でも服でもこれくらいは全然平気」

・握手会終わって最後の挨拶。「みなさんは俺を誇りに思ってくださいね。俺は期待は裏切らないので。『今日は何を見せてくれるんだい』って思っててください」

私は本当によい人を応援している……!!最高だなって思ったし大好きだなと思いました。今年も大好きです。

 

今年の現場はじめは最遊記歌劇伝のリリイベです。歌劇伝のDVDはバクステも含めてひとつの作品になっていて大好き。最後の最後、無音で映像だけ流れる時間があるんですが、それが本当に素敵で……改めて作品というのはいろいろなスタッフさんの手によるものなのだと感じます。良いものをありがとうございます、と。

正月休み明けに早速お休みをもらったので、せっかくだから本丸博のチケットも取りました。ジオラマ楽しみ。

観劇はじめは来月で今月は何もないので、その分まだ書けないでいる刀ステの感想や、2019年のまとめブログもあげたいなーと思ってます。最後の「傷カバ」で全部持っていかれた感があるけど、それ以外も自分用にまとめたい。

 

今年もどうぞよろしくお願いします。皆さまにとって、私にとって、彼らにとって、素晴らしい作品や体験に出会える年でありますように。

 

ヒーロー ー劇団鹿殺し『傷だらけのカバディ』

ABCホールは、劇場に上がるときのガランとしたウッドデッキ風階段が好きです。

だだっ広い(というのが合うと思う)階段を上がりきったところにその日の演目を知らせるポスターがぽつんと張り出されていて、下から見上げると、自分のいる階段下が日常で、上がりきったそこが非日常への入り口だという感覚になります。

といっても今回は、非日常というほど夢見心地な時間を過ごしたわけじゃなくて、現実のほろ苦さや泥臭さもある舞台でした。それでもすごく楽しかったし面白かったし、毎回階段を上がったときより下りるときのほうが絶対元気になってたから、その時間が幸せなものだったことは確かです。

千秋楽を迎えてからもう一週間が経つけど、今もまだ、楽しかったな〜〜〜!!という気持ちが続いています。なきたくなったら!カバディしよ!ってふいに口から出てしまう。劇場出た瞬間からすぐにまた観たくなってしまったから、これは完全な「傷カバ」ロスと言えましょう。円盤早くほしい。

何回でも書いてしまうけど、すごく楽しかったです。

インド映画らしく(違うけど)唐突に始まる歌とダンスがとにかく良かった!マイク無しの舞台なのに、そのときには普通にマイクを持って歌う演出が楽しくて好きでした。ダンスの振動が座席にも伝わってくるし熱気のせいか物理的にも暑いし、舞台のライブ感というのをいつもより強く意識できたのは劇場のキャパによるんだろうなあ。ABCホールのキャパは約300席。夏に『天守物語』を見た近鉄アート館と同じくらい。熱気が直に伝わってくるこの大きさが、「劇団」のお芝居には合ってるのかも。

話の内容だけでいうと決して楽しいばかりじゃなくて、現実は甘くないし世間は厳しいし、取り返しようのない悲劇も起こっていて、綺麗事ともほど遠い。前の記事にも書いたように、挫折と再生の物語、負けてしまった人たちの話です。人生を変えるために金メダルを目指して、でも夢は半ばで潰えてしまう。いわば負け犬たちがもう一回栄光を取り戻そうとするんだけど、それもやっぱり叶わない。結局、最後まで現状の解決はできてないんだよね。その糸口をもらったというだけで。

カバディは敵陣から無事に帰ってきて初めてポイントになる競技、と作中でも説明されますが、居場所を失った彼らが、また帰ってくる場所を見つけた話なんだったと思います。傷だらけでも、手をつなごう、顔をあげようっていう話。それをあの音楽で彩ってくれるんだから、そりゃ元気になっちゃうよね。

 

鯉ちゃんことエースこと、鯉田が本っ当にかっこよかったです。チームのエースでヒーローのようなのに、メンタルは弱くて、 敗北と正面から向き合えない。でもやっぱり誰よりエースでヒーローなんだよなあ〜〜〜!!

彼の印象的な場面はたくさんあるんだけど特にふたつ、ひとつはファイブスターとの試合で攻撃に出たとき。もうひとつはインド戦、「俺が行く」と前に出たとき。

ここで関係あるようなないような昔話をはさみますが、ペダステ総北新世代篇のとき、演出家さんがとても椎名さんに関してとても印象的なツイートをされてたのです。

インド戦での鯉ちゃんを見て、思い出したのがこのツイートでした。本当にこんな感じだったのです、もうほんとに。

物語の中でも試合場面でも歌っても踊っても、とにかく真ん中力が際立ってました。キラキラしてた。10年後の擦れてしまったところから、だんだんと目が輝きを取り戻していく姿が鮮やかでした。あの酒やけのようなかすれ声どこから出してたんだろうな…あと横顔が美しかったです。あとふくらはぎの筋肉*1。あと顔小さい!!(あとが多い)

ところで、アクロバットもあって体力的に本当に大変そうな舞台だったのだけど、台本のト書きに【バク転などで避けて】とさらっと書いてあってちょっと笑いました。いやいや、そんな歩く走るみたいに簡単に書いて……!バク転ですよ?さらっとやっててかっこよかったけども。

キコの存在は、心に刺さるものがありました。だってキコの「応援するふりして人の人生に乗っかって」というのはある意味では私自身のことでもあるから。もちろんフリなんかじゃないけど、でも言葉にされると苦しくなってしまう。それを言われて無理して笑うキコも、言ったそばから後悔してる鯉田の表情も、どっちも辛かったです。その言葉を引きずりながら、でも逃げないキコは強いなと思う。鯉ちゃんはラストドリームのスタッフとしてキコ代表に雇ってもらおう…ラクシュミーの強くて聡明なお嬢さんっぷりも素敵。彼女がいるならブッダも大丈夫だろうなあって思える。登場人物たちはそれぞれだめでキュートで魅力的で、でも顔だけは本気で反省しなさいよねって思いました。もちろん林原龍二はすごくいいキャラクターで大好きです。それを踏まえてやっぱり反省して。登場シーンすごく面白いよね…桃汁ブシャーっ。

座長さんが椎名さんのことを、アフトでは「丁寧に生きてる」と、千秋楽カテコでは「『傷だらけのカバディ』の精神的支柱」と紹介してくれました。

千秋楽はスタオベができたこと、みんなで一緒にWe love カバディ!できたことも嬉しかったです。

 

すごく曖昧な言い方をするけど、劇団でのお芝居が似合う人なんだなあと思いました。もともと2.5舞台にあってもキャラというより生っぽい演技をする印象ではあったけど、 例えば後悔に唇を噛んだり、肩を痛めて腕がずっと小刻みに震えてたり、苛立ちに足踏みが止まらなかったり、そういう細かい演技をずっと続けていて、ああこの人はこの板の上では鯉田として生きてるんだ、と。もっといろんな場所で、いろんな役でも見てみたいです。この舞台に出演してくれて、そして観ることができて本当に良かった。

 

そうこうしてるうちにもう来週がイベントです。会話のイメトレをしなくては…あと何を着ていこう…

*1:小型高性能…!と思った

エース ー劇団鹿殺し「傷だらけのカバディ」

椎名さんが出演してる「傷だらけのカバディ」がすごく面白いよ!すごくだよ!!

ということだけ言いにきました。

ボリウッド舞台と言ったらいいのかな、全体的にインド映画っぽさを感じる舞台です。この「っぽさ」が絶妙で、インド映画についてなんとなくの知識しかなくても「っぽい〜」と思ってしまう加減。そしてボリウッドといえば、唐突にはさまれる歌とダンス。歌って踊るとは聞いてたけど、まさかあんなに歌って踊るとは思っていませんでした。すごい歌って踊ってる!!楽しい〜!!

泣きたくなったらカバディしよう!カバディカバディカバディカバディ…という歌がずっと頭から離れません。

お話はざっくり言うと挫折と再生の物語。シリアスな展開も感傷的になりすぎず、元気でカラッとしてるのは劇団の色なのかな。カバディの試合シーンはわかりやすく見せ場をぎゅっと凝縮してくれています。スポーツ漫画みたい。という言いかたは舞台に対しておかしいかもしれないけど、でも雰囲気は本当にそれ。

そしてエースでありヒーローである椎名さんがとてもかっこよくてとても素敵に輝いてます。ベタ褒めかよと思うことでしょう。ベタ褒めですよ。

笑いあり、ほろりと来る展開もあり、何より舞台上からこれでもかと放出される熱気がすごい。2時間10分の作品だけど体感30分くらい。最初から最後までずっと楽しいという気持ちが続く舞台です。

明日が大千秋楽です。

本当に、すごく、楽しい舞台だよ〜!! 

 

いつだって表 ーDisGOONie 舞台「PSY・S」

先週から続けてドラマシティ。ドラマシティはどの席からも見やすいし、駅から近いし椅子も痛くないので、好きな劇場としてかなり上位に入ります。劇場までの道すがらにあるタピオカ屋、行こうと思いつついつでもすごい並んでる。

 

DisGOONieに乗船してきました。なんていうか、すごく西田さんだった。そのキャラクター、その役者が一番輝くシチュエーションを見せてくれるお芝居。のすけくんにはそりゃあ「表だ!」と言わせたいよ、わかるよ。*1かっこいい台詞とか動きとかが、ここでしょ!とばかりにぶち込まれるのはちょっと歌舞伎の見得のようだけど、まあ確かにかっこいい。

ただそういうわかりやすさに対して、話は少しわかりにくく感じました。緻密な整合性を求めてるわけじゃないけど、それは…?つまり…?と思う点が多かったです。一回しか観てないからかな。叙述式な要素があったので、明らかになった部分を念頭に置いて観たらもうちょっと理解できたのかも。あと語りの部分での「彼」と「彼女」が、彼女はともかくどの彼を指して言っているのかわかりにくかった気がする。それとこれは苦情ですが、トビーの飛行機をリオンとリサが足蹴にするところ。あの場面ははっきり不愉快で、どんなかっこいいこと言ってもおまえの言葉はもう聞かん!と思ってしまった……なかったら良かったのになー。

照明がすごく綺麗でした。役者の影が本人の姿とは別に舞台上にあるのって舞台ならではの美しさだと思います。あと好きだったのはダンスシーン。華やかだった!

キャラクターは、どの人も魅力的でありかつダメであるという、これもまた西田さんらしい造形なんだけど、ルパンがひたすらかっこいいところばかりで、ずるかったです。あんなのもう、かっこいいしかなくない?赤澤さんの身のこなしが、殺陣でもなんでもない場面でもすごくスマートで、かっこよかったです。足上がる〜〜と思ってました。ともるくん今年は何かと観てるけど、すごくお芝居上手いよね。声もいいし…カテコでのステッキの扱いも慣れた風で素敵でした。

コナン・ドイルが、その人として出てきた意味が特になく、最後まで平面上の人物だったのが少し意外で残念だったかな。

初演は17年前とのこと。そのせいなのか、若さや粗さの見える脚本だったなあというのが素直な感想です。演出や役者たちのこなれ感とのアンバランスさに私はもぞもぞしてしまうけど、逆にそこがいい、刺さった、という人がいても全然疑問には思わない。今の西田さんが描くこのホームズとワトスンの物語が見てみたいです。2人がバディになったあとの話が見たいよ!ルパンも出して!

 

ところで来年の薄ミュの情報が出ましたね!梅津さん主演ということで、いよいよ新しい薄ミュのスタートという感じ。

そして来月から大阪公演が始まる鹿殺しさんの舞台がものすっごい楽しみです。いろんなところで評判が良いのでものすっっごい楽しみです!

毎日当日券が出てるらしいのでみなさんどしどし行って感想を教えてください私に!本当に楽しみ!!(何度でも言う)

 

*1:裏じゃなんか違うの、表なの。というすごく感覚的な部分のはなし