すとんと刺さる

ゆるいおたくのよしなしごと

2020年

今年がもうすぐ終わります。一体なんだったんだろう、2020年。と来年は言えるようになっていたらいいけど、この混乱はまだしばらくは続くのだろうなあとも思います。そうはいっても今年は終わるし2021年はやってくるのでまとめを書きにきました。
今年がどれだけ大変で苦しかったか、改めて言うまでもないことなのでもう書かないけど、でもとりあえず一年お疲れさまでしたの気持ちです。そこからまた大変さはすこしも薄れずに(むしろ増しましになり)新たに始まるのだけど。とにかく自分にできることをしっかりやって日々を過ごしていく所存です。

思えば私の場合、もともとそんなにいろいろな舞台を見るほうではなかったので、払い戻しになったチケットはそこまで多くはありませんでした。薄ミュとペダステ、『アルキメデスの大戦』くらい。それがラッキーだったとは全然思わないけど、でも持っているチケットが無効になる経験は、たぶん少なければ少ないほうがいい。たぶん。個人レベルの話で、コロナ禍で一番影響があったのはすっかり腰が重くなってしまったことです。ちょっと気になる、ちょっと見てみたい、くらいの気持ちから行動に移すまでの壁がすごく高くなってしまった。直近で気持ちを引きずってるのが年末スペゼロ!なんで行かなかったんだろう…もう言っても仕方ないことだけど……でもなんか動けなかったの……来年の目標、ブログを定期的に書くことと、あとは腰を軽くする(?)ことにしたい。

2020年のまとめ

・2月
最遊記歌劇伝-Oasis-』

mmm11.hatenablog.com

mmm11.hatenablog.com
客席でのマスク着用が求められていただけで、まだ入り口の消毒液もなかったころ。2月はOasisに狂っていたと言っても過言ではない。本当に、予定通りの公演ができて、それを観劇できて良かったです。

少年社中『モマの火星探検記』

mmm11.hatenablog.com良い子のための少年社中だった。素直に、いい作品だなと思います。先日あった企画用プロモーションでメインテーマを聞いてとても気分があがりました。

『舞台「弱虫ペダル」新インターハイ篇FINAL〜POWER OF BIKE』
2年目のインターハイ決着。予定通り行われるかどうかの瀬戸際でした。言い方は悪いけれどよく逃げ切った。大好きなのに心情的な折り合いをつけるのにいつも苦労する、一方的な愛憎関係にある作品ですが、ここまで来れたことには素直に感謝しています。実際に観たら泣いてしまうし最高に面白いんだものな…2年目はとにかく鯨井キャップでした。原作より圧倒的強そうで頼りがいがあってできる男で、でも原作通りの弱さ繊細さもあった。彼以外の手嶋はもう考えられないし、誰より魅力的でかっこよかったです好き。

・3月/4月/5月/6月
ほぼ記憶がありません。なにを…してた……??リモート演劇なるものが増えてきていたけど、ほとんど関わりなく過ぎていってしまいました。あ、配信劇の『12人の優しい日本人』を観た。脚本と役者の腕力に鷲掴みされるような作品でした。面白いと集中力もそんなに切れない。
あと5月は刀ステの一挙無料配信があったな…みんなでわいわいと観れる感じは楽しかったです。俳優さんも過去をさかのぼったツイートしてくれたり。椎名さんも当時を振り返ったブログを書いてくれて嬉しかった。

・7月
ひとりしばい『ひとりシャドウストライカー、またはセカンドトップ、または、ラインブレイカー』
そろそろコダマみたいな顔で過ごすことに飽きてきた7月に観た作品。配信のみでの演劇として作られていたので、カメラワークも凝っていて見応えありました。配信だったけどすごく演劇を観たなーという満足感があった。何より西田さんの役者への信頼感?やれんだろっていう煽り感?や、この役者のいいところ全部知ってるしという演出、それに見事に応える役者(とびきり美しい)という構図が好きでした。

科白劇 舞台『刀剣乱舞/灯』綺伝いくさ世の徒花 改変いくさ世の徒花の記憶
初めて正式タイトルを書いた。これも配信視聴。舞台上での徹底したソーシャルディスタンスとマウスシールドに意地を見ました。必要に迫られた結果の苦肉の策だったのかもしれないけど、講談師がいる刀ステ、とっても新鮮で好きでした。なんなら他でもいて欲しいし、でなかったらPV作って欲しい。慈伝では気の毒なところもあった長義くんがかっこよかったです。やっぱり長義はあの居丈高さあってこそだよ。それと良かったのは獅子王くん。ただ元気っこなだけじゃなく、古い刀らしい鷹揚さと度量があるの解釈一致という感じでした。たぶん純粋な面白さというなら、殺陣があって実際に手を取り合える、科白劇ではない通常の舞台のほうが面白いに決まってるけど、コロナ禍での刀ステを(方方から文句を言わせない形で)上演するにあたって、この科白劇が出てくるのがすごいし強い。そして、本来の形での綺伝が発表されましたね。楽しみです。

「鯛フェス」伍祭目配信
現場には残念ながら行けず、でも初の配信をしてくれたので参加した気分になれました。椎名さん作のコントが見れた!イベント開催にあたってのいろんなことを教えてもらって考えた時期でした。そして毎度のことながら本当に良い人を応援しているという気持ちにさせられる。最高の推しですありがとうございます。

・8月
「大演練〜控えの間〜」
数年に一度ある祭りのようななにかだった。配信チケットの金額に、こんなに安くていいのかと思ってたけど観終わってのちはまあ妥当だったと思うという。でもそういうお祭りとして楽しかったです。

・9月
『文豪とアルケミスト 綴リ人ノ輪唱』

mmm11.hatenablog.com2月以来の舞台、そして2月以来の椎名さんでした。やあ最高だったな…。個性対体制というテーマに対して、あと物語の結末について、どうも賛否両論あったようなんですが、私は好きな作品でした。ギリギリを攻めたなあとは思ったけど。でも舞台0番でがんじがらめにされながら叫ぶ白秋先生の姿は刺さるし、客電を灯して舞台上と客席との境界をあいまいにして読まれる(文字通り台本を読んでいる)セリフも響いた。2.5作品には珍しくキャストがほぼ30代なんだけど、その安定感も心地よかったです。

・10月
『黑世界』雨下の章、日和の章
雨下は配信で、日和だけ劇場に行くことができました。もうこれは鞘師さんのリリーに尽きる。LILIUMのときから変わらない姿の彼女がいるだけで、切ないし苦しいし、果てしない時間の長さを感じてくらくらしてしまう。そして三津谷さんが「リリーは強いね」というTweetをしていて、LILIUMのときと変わりないリリーをマリーゴールドCOCOONを経た彼がそう言うのが、なんか、なんか、もう……ソフィの救いはどこにあるの……。15歳の少女と14歳の少年という差もあるんだろうか。リリーのしなやかな強さが鞘師さんの体の動きにも現れていて、すごかった。再生するシーンでの動きに体幹の強さが遺憾なく発揮されていて、三津谷ソフィといい彼女といい、不死者として生きるためには鬼のような体幹が必要なのかもしれない。
両章通して、TRUMPのいるあの世界にもちゃんとしたまともな人はいるのだなあと思える話でした。心のある末満と言ってるひともいたけれど、でも不死者の再生についてはどうかと思う。あんな酷いことある?あと3話はどちらも様子がおかしい。

・11月
ひとしばい『ネバーランド、アゲイン』
7月の西田北村組がとっても良くて、いつか椎名さんもこんなのやってくれたらなーと思ったらまさか叶った。ほんっとうに素晴らしかったです。脚本演出はほさかようさん。ほさかさんが作ってくれたのは、それを椎名鯛造に言わせるのという意地悪さもふんだんにありつつ、今の彼だからこそできる、彼にしかできない、彼のための役で本でした。ともすれば社中の『ネバーランド』へのカウンターパンチにもなるようで、永遠の少年を演じる椎名さんを知る人にとってはなおさら辛く苦しい物語だったとも思います。そんなことないからー!って叫びたかった。だって「30過ぎてかわいいって言われるなんて褒め言葉じゃなくただ老け損なってるだけ」とか言わせる!?でもありがとう!!!観てるこちらの胸が苦しくなるような台詞も、くるくると変化する表情も、椎名さんの全部がつまったよい舞台だったなあ。コメディもシリアスも振り切れるところとか本当に好き。幸村の真似は胸アツだったしそうめん乱舞見たすぎるよね。
すごいスピードで畳み掛ける台詞とかどこか一点を見つめる目とか、涙の堰が切れる前の一瞬の表情とか、今でも全然覚えてます。最後「だから、大丈夫だよ」の場面が忘れられません。きっとこれからも辛かったり悲しかったり凹んだとき、あのときの声と、差し出された手と、あの表情とを、何回でも思い出すんだろうなあと思います。
早くまた見たいので一刻も早く円盤を出してください早く。

・12月
『ホテルアヴニール』
一人芝居に続いての二人芝居。現場と配信とで観ることができました。意外といっては失礼だけど、思いの外すごく楽しめた作品でした。オムニバス形式で4組8人の物語が連なる構成で、軽い味わいで楽しめる良質な小品という感じ。衣装もすごく可愛くて演出もなんだかおしゃれというか、洒脱というか。たぶんアドリブも多かったのかな?椎名さんのいろんな演技が見れて楽しかったです。推しは芝居がうまいんだよな……知ってたけど……
意外と(こればっかり言ってるけど)女の子2人の友情がぐっと刺さってしまったなあ。あのわけわかんない掛け合いとか、すぐ話が変わるところとか、すごいわかる〜って感じだった。

少年社中ライブストリーム「劇場に眠る少年の夢」
と、題された少年社中祭りに踊った12月でもありました。ニコ生配信とか朗読劇とか。新しく見ることができたのは『リチャード三世』。音楽がすごくかっこよかった!音楽も衣装も素敵なのはいつものことだけど、可愛さよりかっこよさに全振りなのは新鮮でした。あくまでエンタメの範疇にありながらの骨太作品というか。舞台で観てたら終わったあと疲れてそうだなーと思いました。鯨井さんがよい役どころで嬉しかったです。あの声が好きなんだよね…ハスキーでちょっと高め。あとシェイクスピアのくそめんどくさい台詞はいつか推しにも言ってもらいたい。
過去作を5作続けて観たあとの『トゥーランドット』は余計に胸に迫るものがありました。過去の社中メドレーでもうクライマックス感ある。
「演劇をするために生まれてきたんだ」これを言いたかった役者が今年はどれだけいたことか。

朗読劇『ネバーランド
おのれ新型コロナめと何度思ったかわからないけど、コロナ禍だったから出来上がった作品もあります。たとえばひとりしばい、たとえばこの朗読劇。それを思うと、おのれという気持ちは変わらないもののそんなに悪い年でもなかったのかもしれない。いや、そうでもない。でも、この状況下で作られたこの作品を見ることができて嬉しかったです。
私にとって初めてのリアルタイムで体験できる『ネバーランド』。すっごく面白かったです。みんな着席しての朗読劇なのにすごく演劇だしダイジェストじゃなくちゃんと『ネバーランド』でした。さすがオリジナルキャストのみなさん、気心の知れた仲間たちと作る演劇のありようというの見せてもらったように思います。すごく、少年社中〜〜って感じました。うまくいえないけど、とても少年社中。
オリジナル以外のキャスティングは予想外のことも多かったです。椎名さんのワニガミ様が一番意外でした。なんとなーくザンさんかなーと思っていたので、スッと手があがったときそこ!?と本気でびっくりしました。椎名さんは4役。それぞれで座り方を変える細やかさが好きです。あと私は椎名さんの巻き舌が好きだな…変わらぬ少年らしさとあのころより増えた武器とがあって、今の椎名さんの演じる影も観たいと強く思いました。本当に。ほんっとうに。
みんな楽しそうで、それが観てて一番私も楽しかったところだな。あ、あと『ネバーランド』の最後の暗転が天才なのは皆さんご存知のことですが、アフトで椎名さんがその暗転について「ここだけの話、実は暗転中舞台の上を一周飛んでから着地してる」とお話されてて、そういうとことてもいいなー!と思いました!ほんと飛べそうだし。

「鯛フェス」陸祭目
約1年振りに参加できた鯛フェス!すっごーーく楽しかったです。唐橋さんがなんだかいつもよりふわふわしてて笑、エチュードも上手くいかないことが多かったんだけど、それでも見応えたっぷりでした。椎名さんがなにか勘付いたとき、ひらめいたとき、ピコーンと電気が灯る様子が見えるのが私は本当に好き。

 

来年の観劇初めは刀ステの予定です。そして2月には最遊記歌劇伝がある!どうなるか本当にわからないけど、今年よりも良い年になりますように。そしてまた同じ言葉を。
皆さまにとって、私にとって、彼らにとって、素晴らしい作品や体験に出会える年になりますように。