わたしと少年
劇団少年社中についてというより、「少年社中さんと私」という文章です。
劇団については、今年20周年ということでナタリーでの特集記事が詳しく読み応えもあって楽しいので、未読でしたらぜひ読んでみてください。
社中ファンど新規な私は、こちらを読みつつ、次は何を観ようかなーとうきうき考えてます。
最初に観たのは「ネバーランド」(2014)でした。きっかけはもちろん推しくん!
彼の代表作としてよくあがる作品です。これが本っっ当に素晴らしくて。私の好きは今後もたくさん増えるだろうけど、「ネバーランド」はきっとずっと特別に好きって言ってると思う。
タイトルの通り「ピーター・パン」を題材に、その後を描いた作品です。フック船長の企みで年を取ってしまったピーターパン(メタボ気味)が、大人になったウェンディたちに助けを求めて元に戻ろうとする話。
子どものころのおもちゃ箱をひっくり返したみたいに、楽しくて切なくて懐かしくて、幸せな気持ちになれる。最初から最後までワクワクとドキドキが続く物語です。
飛べなくなったピーターが汗をかきながら走る姿も、皮肉に笑うフック船長の姿の良さも、身軽に跳ね回って場をかき回すピーターパンの影も、みんな魅力的で大好きになってしまう。
物語が進むにつれてピースが集まり、クライマックスですべてがぴったり合わさる、そのときの感動ったらないです。最後、暗転で終わるんだけど、それがもう最高すぎる暗転なのでほんと観てほしい。ほんとに。本当に。
もう、とにかく観て!と声を大にして言いたい。観て!!!
その後初演版も観ましたが演出面では大きく変わらず、ところどころブラッシュアップされてたのだなーという感じでした。影は初演も再演も同じく少年にしか見えないしくるくる跳ねてるから、若返りのなんかがあるのかなって……*1
その後「MAPS」のチケットを取り、予約していた「ピカレスク◆セブン」が届いてピーターパンのコケコッコー!で泣き、「機械城奇譚」を観て「贋作・好色一代男」でまた最高すぎる…と打ち震える今に至ってます。この間だいたい4ヶ月。
こうして書き出してみるとまだまだ全然だな。でも好きな気持ちに嘘はないのでいいのです。
「ピカレスクセブン」は納得いかない部分は多少あっても(ジャックザリッパーちょろすぎるのでは?という)、あの勢いや、入れ代わり立ち代わりするキャラクターと物語が最後ひとつにまとまったときの爽快感は楽しかったです。
20周年記念だけあって「ネバーランド」もそうだけど、過去作を知ってるともっと楽しめた箇所があったんだろうなあ。私はピーターとフック船長、ヌルハチ(ていうかいまたさん)のシーンに身悶えました。「お前にはまだ早かったな」とか。
「カブトームシ!」のシーンが大好きです。カブトムシを前にしたらマクベスだって男子になっちゃうし、ピーターが泣きながら「どこ~?」て言ってるの最高に男の子でかわいい。
こちらのピーターパンは少年通り越して子どもに見える若さでやっぱりくるくるぴょんぴょんしてた。
そして「贋作・好色一代男」です。
原作が江戸時代におけるポルノグラフィ。というだけであれだけども、ストーリーは際どいし、ちょっとみんな落ち着いて考えよ!て言いたくなるし、実際一呼吸置いたら起きない悲劇ばっかりだったのではとも思うんだけど、そういう御託はいいからとりあえず踊ろーーー!というエネルギーに満ちていてすごい。なんかもう迸ってる。
映像で観てもそうなんだから、当時劇場でみれた人はどれだけ圧倒されただろうと思います。羨ましい!
登場人物は、主人公の世之介をはじめ、みんなだめなところのある人間です。弱かったりずるかったり馬鹿だったり。そしてどうしようもない間違いも犯す。冷静に考えると本気でだめでしょって人もいるんだけど、嫌いにはなれず、愛おしいとさえ思ってしまう。そういう可愛いげのある人たちです。
あの忘れられない音楽と、キャスト全員が狂ったように踊る勢いとに飲まれてしまったのかもしれない。なんかすごいものを見たぞ、という感覚。
俳優さん方に関しては、世之介の顔がいいです。なのだからもちろんそのお父様の顔もいいです。全体的に色っぽい話で言ってることもわりとひどいんだけどいやらしくならないのは俳優さんの爽やかさあってこそと思います。艶之丞も同じく。鈴ノ助の純粋さゆえの狂気や残酷さは胸に痛かった。
あとすごく個人的な思いとして、「股の具合はまぐわってみなけりゃ~」とか女優さんに向かって「たくさん抱きます!」とか言う姿を見られる舞台ってそうそうないなって…
特に最後が好きすぎるんですが、「機械城」に合わせて放送されたニコ生特番でこの場面を振り返ったとき、暗転してもまだみんな踊り続けてるというお話を聞いてますます大好きになりました。だから暗転してもまだ見てしまう。
推しの彼は社中さんでは少年性が強く出た役が多いのだけど、どれも上に書いたような純粋と狂気、残酷は紙一重という部分を持ってるキャラクターなのが面白いなーと思います。世間一般でも少年ぽいイメージは強いだろうけど、社中さん(というより毛利さんかな)の中ではどんな位置付けなんだろと思ってたところ、こんなツイートをされてました。
ピカレスクセブンはオールスター戦。少年社中にとって最重要キャラクター。ピーターとフックも参戦。再演版から数年、鯛造と唐橋はあの姿のまま、何倍にも腕をあげて稽古場にいる。鯛造は10年前、最遊記で初めて会った時からキラキラを増しながら腕を上げ続けている。尊敬を禁じ得ない。必見!必涙!
— 毛利亘宏 (@mouri_shachu) December 18, 2017
キラキラ!!そっか、キラキラかー!!!!
ついてきます!と心の底から思いました。
おたくの壁打ちのようなものなので延々と好きなことだけ書いてしまうんですが、スターや読者登録ありがとうございます。
よかったらこれからもお付き合いください。
なにかありましたらどうぞ。
*1:2018年も元気に短パンはいたり中学生演じて違和感ないのでいよいよ若返ってる疑惑