すとんと刺さる

ゆるいおたくのよしなしごと

そして物語は続くー『RE-INCARNATION RE-COLLECT』2

『RE-INCARNATION RE-COLLECT』

結局、劇場で2回と千穐楽の配信を観ることができました。360チャンネルを利用するのは初めてだったけど、意見をすぐ取り入れてくれたのか、アーカイブ視聴では生配信時よりもずっと見やすくなっていて感謝しきりです。映像もめちゃくちゃ綺麗だった。

以下、今作以外にシリーズのネタバレも含めた感想です。

 

どこまでも人の物語でした。時流や運命や天の力に翻弄されながら、それでも人としてそこに立つこと、人が抗うこと、人の力によって天下を動かすことを諦めない人の物語。

今回真ん中に立ったのが天下の才も業も関係ない馬超であるというのが、そのいちばんの表れだと思う。馬超はまだ己を確立できてない悩める青年で、たぶん許褚の方が年齢的に若いと思うんだけど、その意味では同じ年下キャラでも、迷いのない許褚の方が今はまだずっと強いんだろうと思われます。今思うとリザルブの馬超は死んでも〜をあまり言ってないんだな。自分探しはまだ続いていても、劉備を自分の殿と言ったり、関羽を連れ返しに行くことには迷いがなかったり、確実に成長してる。馬鹿が付くくらい真っ直ぐに突き進む姿は美しくて泣けてしまう。本当に美しい馬だよ…!!次回の登場が楽しみだなあ。

さて、リンカネシリーズは時系列順ではなく、この『リコレクト』は『リバイバル』と『リザルブ』の間、続きに無印、『リバース』があります。今回は物語の空白だった部分を大きく埋めていて、どうしたってシリーズのこれまでとこの先を考えずにはいられませんでした。

真ん中は馬超だけど、物語の比重は董卓に傾いてたように思います。

あとはなんといっても張遼、そして呂布。やっと出てきた呂布がまさかの呂布(概念)でびっくりした*1。そうきたかーー!って。シリーズ中、呂布については張遼や虫夏、他の人もさまざまに語っていてたけれど、今思うとそれぞれ意味が違ったんだなあ。

張遼にとっての「呂布」は=貂蝉であり、また貂蟬を失って放浪ののちに(おそらく)初めて得た居場所のこと。華雄の記憶を持つ虫夏にとっての「呂布」は董卓軍そのものだったのかもしれない。そういえば、今まで虫夏は孔明に憑く前は呂布に憑いてたのかと思っていたけど、董卓との会話から察するに、人ではなく洛陽についてたということでいいのかな。それが周瑜が火を放ち、結果多くの民草が死んだであろうことに繋がる…?ちょっと九子についてはあとでまた考えます。

リザルブ冒頭でワンシーンだけ呂布張遼の別れが描かれています。呂布の最期というか、死んだ呂布に縋る張遼の姿。そのとき呼んでいた「奉先」の名は呂布の字だと思ってたんだけど、そうじゃなくて貂蝉のことだったんだね。完全にしてやられたという感じです。そして曹操との対決。呂布張遼にとっての居場所)を殺したのは俺だ、って言ってあげる曹操がね…ここからリバースでの「…曹操軍先駆け張遼文遠だ…!」と名乗りを上げるあのシーンに繋がるのかと思うと、なんかもう、曹操軍~~~という気持ち。匈奴で貂蟬と天下を夢見て、董卓の元で再び夢を見た。それを奪った相手だから殺すつもりでいたのに、結局はまた同じ夢を見てしまってたっていう。そこが居場所になってたっていう。っていうね!曹操軍〜〜〜〜!!

そして董卓。演じてらした松田さんは指パッチン爆発おじさんのイメージが強くて、あとは真田丸でお見かけしたくらいだったんだけど、改めてお芝居上手い人だなあと思いました。徹頭徹尾とにかく魅力的な董卓だった。

リンカネでは、どの軍勢もどのキャラクターも愛おしく大好きになってしまうんだけど、まさか董卓軍まであんな仲良し感出してくるとは思ってませんでした。だってリバイバルでの華雄を見たら、もっと殺伐としたアウトレイジみたいな軍かと思うじゃん!あの華雄賈詡徐栄と一緒に董卓の周りでわちゃわちゃしてるところを想像すると、にっこりしてしまう。華雄は絶対賈詡が嫌いでしょ…リバイバルで「であれば」という台詞があったけど、賈詡のことを思い浮かべてあんなもったいぶった言い回しを使ったの?なんて考えるのも楽しい。

リンカネは人が嫌いな人がいないなーと思います。どのキャラクターも誰かしらを愛して(広義の意味での愛です)いてみんな優しい。賈詡の「しつこかったでしょう?」という台詞とか。上田さん初めましてだったけれどすごく良かったなー。特にこの台詞が、それまでの明瞭かつ冷静な声と違ってすごく優しくて。泣くわ。

孫呉。呉は辛い…周瑜ばっかりなんであんな辛い目に、とどうしても思ってしまう。孫策がいるのにいないのがもう本当にかわいそうで悲しくて、どこほっつき歩いてやがる…と今回ばかりは心底憎らしかったです。あんなに呼んでるのに!!でもその後伊阪さんが目真っ赤にして周瑜とお写真撮ってたので許した。

蜀(ではまだないけど)。劉備は今回とことん良いところがなかったけど、劉備がいちばんかっこいいことは知ってるから!関羽馬超趙雲も悩んでたからいつも以上に劉備の兄ぃは心細かったろうと思います。早く舞台上に五虎将揃ったところが見たいなあ。たとえカテコ後のゆるゆるシーンでも、そんなの見たら私は確実に泣きます。なんなら4人いるだけでもうちょっと泣いてるし…

魏はさっきもさんざん書いたけど、曹操軍〜〜〜!!です。主に曹操のところで、ほんとどうしようもないくだらないギャグシーンがあるから舞台が伸び伸びになっちゃうんだけど、あのくだらなさを通り過ぎたからこそぐっときてしまう展開があることも確かで、みんな楽しそうだしいいかなという気持ちになってきました。

話が孫呉に戻るけど孫権スロットすごい面白かったね…あそこでうふふと笑う孫権周瑜がいるからクライマックスの絶望がより深くなる…おのれ……

曹操軍で言うなら曹仁。とことん弄られキャラなんだけど、曹操やら夏侯惇やらが好き勝手できるのは彼がいるからこそです。あまり殺すな、なんて曹操に言ってあげられるのは曹仁だけだよ。曹操軍における今回の愛ある台詞です。夏侯惇から許褚への「泣き終わったら戻って来いガキ!」も愛に溢れてたな…おにいちゃん…

今作でも許褚の泣き叫ぶ姿を見ることができて切なくも嬉しい気持ちです。関係ないけど、西田さんは馬超をボコらせるのが好きだし許褚を泣き叫ばせるのが好きだよね。ありがとうございます。

曹操は未だ謎が深い人物だけど、なんでも知ってるのに思い通りになってることはむしろ少ないからかな、どこか切なさを感じます。知っている分だけ、たぶんいちばん抗ってる人なのだと思う。ただ曹操には夏侯惇がいるからな、あれ以上ってきっと他にない。夏侯惇張遼には誘いをかけるのに趙雲には来るなって言うのが面白いです。迷いのない趙雲はめっちゃ強いんだろうね。

あと荀彧。リバイバルからのリコレクトは趙雲との幽州組がいちいち刺さってたまりませんでした。今回もそういう台詞がたくさんあったなあ。趙雲に吐き捨てた「一生そうしてろ」も良かったけど、馬超を見送りつつ言った「命かければあなたたちもなれますよ」みたいなのがとても好きでした。

前にも書いたけど、リンカネにはたくさんの物語があるのです。これ以上なく、正しく群像劇なのだと思う。

袁紹軍は、前作リザルブがあっての今作だから袁紹様の笑顔ひとつ、台詞ひとつ、どれを取っても泣きたくなります。見えている未来にそれでも進まなくてはいけない、悲しい人。どうにもならなかったのかな、悔しいなあ。顔良が歌い始めたきっかけを知れて嬉しかったです。そして私の邪な部分が、袁紹様リアコになりそうとささやかに主張しています。

龍生九子について。

つまり?どういうことだってばよ??というのが正直なところですが、自分用にも整理して考えてみます。

1 螭吻(袁紹:遠き先をみなければいけない)

2 蒲牢(夏侯惇:人を殺してはいけない)(張角【=関羽】: 人を信じてはいけない)

3 椒図(劉備:自分が生きなければ周りが死ぬ)

4 贔屭(孫堅 : 人を愛してはいけない → 周瑜 : 人を殺さなければいけない → 龐統 : 誰かの人生を生きなくてはいけない)

⑥ 貂蝉※九子としての名はない(董卓:忘れなければいけない)

6 

7 虫夏(孔明:触れた相手が死ぬ)

9 睚眦(董卓:道を作らなくてはいけない)

リバイバルでは趙雲にも何かが見えていたけどあれは何番目の子なのか?

・蒲牢は実際のところ夏侯惇に惚れてしまって、だから業を破られてもまだついているのか?まあ夏侯惇かっこいいしな…仕方ないな…

・睚眦はその後どこへ行ったのか?今まで出てきた龍生九子のうち、睚眦がいっとう人外感があって怖いです。殺すことを好む九番目の子。

周瑜は龍生九子として生まれ変わったのか?だとしたら、どこへ行くんだろう。

 

今こそリバースが観たいです。西田さんもツイートしてたし、本当の本当に実現しないかなあ!孔明様をどうにか捕まえて…

とりあえず、公演時にすでに円盤化が決まっているというこれ以上ないお知らせに感謝して、開場後すぐに予約をしました。4月が楽しみ。

3年振りのリンカネは、やっぱり大好きで愛しい作品でした。今回も観ることができて本当に良かった。公演が決まった去年の9月から今もまだ、ずっと楽しかったです。

 

*1:そしてまさかの赤兎馬(ユニット名)だった