すとんと刺さる

ゆるいおたくのよしなしごと

リターンオブ ー舞台「K Return Of Kings」

毎年この時期になると鼻水が止まらなくて喉も痛くなります。季節の変わり目に風邪は付きものですよねと自分に言い聞かせて数年。もしかしてこれは花粉症なのでは…?と、ふいに気付きを得たので、とりあえず市販薬を飲んで観劇に臨みました。

舞台「K Return Of Kings

Kステを観るのはシリーズ1作目以来。キャストのほとんどが変わり、また内容もアニメ2期からということで、初めて観るのと同じ気持ちです。

予習のために原作のアニメを初めてきちんと観ました。何がなんだかわからないものはわからないものとして、キャラクターとその人間関係はすごくいいなあと思いました。

 

以下、演出のネタバレなど含む感想です。

 

白い板がすごい。アンサンブルのみなさんが動かすパネルも使ったプロジェクションマッピングがとにかくすごかったです。背景だけじゃなく効果にもなったりして。観劇デビューから長らく西田さん(だいすけのほう)とか西田さん(シャのつくほう)に親しんできたので映像を多用する舞台にはいまいち慣れないんですが、すごく凝っていたのでただただ感心でした。綺麗だった。画面酔いのようなものを感じるときもあったけど、でもそういうアトラクションの中にいるようで楽しかったです。照明の使われ方も印象的でとても良かった。

アンサンブルの方々が本当に大活躍で、この板を動かしたり、セプター4になったり吠舞羅になったりJungleのランカーになったり、8人しかいないのにその倍はいるようなお仕事っぷりでした。

そういう映像での演出部分も含め、ストーリーはアニメをものすごく忠実に立体化してるなあという印象。忠実な分、これだけ見てもわかるという作品ではなかったかも。出てない人の名前もバンバン出てくるし…写真や回想イメージは、個人的には唐突に感じてしまったけど、これはKステファンへのボーナスかなー。

確か1作目もここで!?という終わり方をしてましたが、今回もまた同じように途中で終わってしまいました。尺を考えるとまあそうなるよね。

全体的に、既存のファンへ向けて作られた作品だと感じました。メインキャラのキャス変に伴い、初めて観るひと向けに説明台詞を増やしたりこれまでを振り返る場面を入れる案は当然あったでしょうに、そうしなかったのは、これは前作から繋がってきている作品だよという意思表示なのかも。前作が本当に大変だったことは私でも知っていて、佐々木のヒデくんが元気に刀を振り回してる姿にじんわり来たくらいだから、当時を見守っていた方ならなおさらでしょう。そういう人たちに向けて、帰ってきたよという作品にしたのなら、それはそれでいいのだと思う。

改めて、続けることの難しさについて考えさせられます。続くことと変わることは切り離せないのかな。難しいんだろうな。

でも変わってしまったものを惜しむことと、変わったものを楽しむことは、同時にできることだとも思うのです。

 

初めて見る役者さんも多かったのですが、特にスクナ役とまんくんとアンナ役桑江さんにびっくりでした。とまんくんはごはんちゃんと食べてるのか心配になる細さで、あの華奢さは本当に少年(ローティーン寄り)に見える。すごい。お芝居も小生意気さと可愛げが仲良く同居していてとても良かったです。桑江さんは小さい!かわいい!あの小柄な体型は貴重だわ、と何目線かわからない感想を抱いてしまいました。小柄だけど動ける人なんだろうなあ、他の役でも観てみたいです。

八田ちゃんと伏見は元気良かった。美咲は常に台詞のフォント1.5倍な感じで大好きだし、猿比古も元気よくダレてる(?)っていうか…漫画みたいにポカスカ喧嘩しそうな2人っていうか…

美咲の武器の扱いはさすがでした。重そうなもの(に見える演技をしつつ)を重くなさそうに振り回す(という演技をしてる)の最高。あと私は彼の必死な声が大好きなので、今作でも聞けて嬉しいです。*1

白米党の3人はすごく可愛かったです。ネコがあれだけ際どい服を着てくっついていくのに、全然恋愛を感じない関係なのとても好き。クロシロネコがほぼ横並びの身長なのもまた可愛い。ネコちゃん可愛かったなー。すぐ横を通り過ぎたとき、バニラの香りがしました。それとシロの声がすごくいい。

御芍神は圧倒的だった。とても強くてとても美しい。つくづく替えのきかないとびきりの個性を持つ人だと思いました。 Jungleのバランスもとっても良かったです。

あとは室長スタイルお化けとかデカ子が好きとかいろいろあるけど、やっぱり佐々木さんに帰結してしまうな…千秋楽のカテコで紫の決め台詞を言ってくれて、ものすごく応援してきたわけでもないのに、彼の姿がまた舞台で見られて嬉しいと心から思いました。

そして公演が始まるまでに何度も「大切に演じたい」と言っていた推しくんが、引き継いだ役を最後まで何事もなく演じきってくれて良かった。

 

千秋楽の翌日からはもう次の薄ミュの稽古ですって。忙しい!これもまた繋がれてきた物語です。そしてその次には自分たちで繋いできた最遊記がある。

2.5舞台ならではの、変化と変わらないものを見られる幸運を、楽しみたいです。

 

*1:和泉さんが切なボイスと仰っていて、わかるー!という気持ち