すとんと刺さる

ゆるいおたくのよしなしごと

すとんと刺さった

件の俳優さんに対して「好きな俳優さん」から「もしやこれが推し…?」という変化があったことは最初の記事に書いたけど、そのきっかけとなった作品のことを書きます。

mmm11.hatenablog.com

この「ある作品」について。

上の記事に付け加えると、彼を知ったのはもうずっと前、某ゲームの舞台で蘭丸くんを演じているときでした。

確認したら2010年の作品だった。8年前!

その後もちょくちょく舞台上の彼を見ていたことを思うと、今となってはとんだぼんやり8年ですが、まあなんでもタイミングというのがあるしね。

私のタイミングは、今年の春だったのです。CSで放送されたある舞台作品を観たときでした。 

 

最遊記歌劇伝』

先月『異聞』を観劇しましたが、これはシリーズ本編のほう。

ひろきくんが大切にしていてよく言及してるとか、たいちゃんのツイッターアイコンがからはしさんの描いた悟空だとか、彼らが出会った作品であるとか、あとなんかいろいろ*1、そういうことだけは知ってたので、わーい楽しみだなーくらいの軽い気持ちで録画してたのです。

まず『-God Child-』、それから『-Burial-』。

2作品を続けて観て、そのまま流れるようにDVDの通販してました。今は全作手元にあります。幸せ。

良かった、面白かったというより(もちろん良かったし面白かった)、とにかくすごく好きだと思いました。

これはきっとあれです、あの感情。エモーショナル。得も言われぬ。エモいというあれ。

演技はキャスト全員素晴らしいし、歌もみんながみんなすごく上手というわけではないんだけど、抑えるところは外さないし楽曲もいい。

気恥ずかしいくらいかっこつけたストーリーや台詞も、舞台ではそれくらいが映える。と、思う。私は大好きです。なぜってオタクだから。

登場人物がそれぞれ暗い過去を抱えていて、それを意地で覆いかぶせて精一杯かっこつけてる。そういうキャラが一見わかりにくいけど深い信頼関係でつながってるの、そんなのオタク大好きでしょ…… 

そんな中での悟空です。

身体能力は高く、子どもっぽくて無邪気で元気で、でもときどきすごく冷静で、ドライな面もある。過去はひときわ重くて500年もの間牢に閉じ込められていた。

たった一人での500年を過ごし、そうしてやっと差し伸べられた三蔵の手を戸惑いながら取ったとき*2、そのあとで笑顔のまま涙を一筋零したときの悟空の表情が本当に、もう本当にたまらなくて。

そこで、す、好き!!!と思ってからは、もう全部好きです。頭悪い文章ですみません。でも好きです。

すこんと抜けるような声とか、やたらと滞空時間の長いジャンプとか、お手本みたいな笑顔とか、今まで好ましく思っていただけのものが、その瞬間からはすごく特別なものになりました。

刺さってしまったんだなあ、と思います。

 

悟空のことばっかり書いてるけど、キャストはみんな本当に素晴らしいです。三蔵のガラの悪さと品の良さが共存してるとこ最高にかっこいい。ほんとかっこいい。

1作目から見ると三蔵や悟空の成長がすごくよくわかって、彼らにもこんな時代が…と感慨深くなります。2人が役を離れたところでも仲良しなのはあの通りだけど、このシリーズをバクステまで含めて見るとそりゃそうなるよねって思ってしまう。まだキャリアの浅いころに出会って、紆余曲折を経てまた同じ役を演じて。共に成長したという言葉がすごくしっくりきます。

そう、 バクステも名作なのです。稽古場面も、本番中の舞台袖も、インタビューも座談会もあって、バクステだけの企画もある!盛りだくさん!

『-Reload-』のバクステに収められている千秋楽のカテコが好きです。

一人ずつ前に出て礼をしていく形なんですが、お辞儀を終えた悟空が最後の三蔵に向けて手を伸ばすと、そこで拍手がピタッと止み、三蔵が進み出て礼をしたところでまたわっと再開される。すっごく気持ちのいい拍手!ああいう拍手をしてみたい。

外伝もいつかやってくれないかな。キャストの年齢的には相応しくなってきたと思うんだけど。悟空は逆に遠ざかっていってるけど、そこは全然心配してません。大丈夫、まだまだ子どもになれる!

でももし本当に実現して、そして最後の一人蹲る悟空を見たら、号泣どころじゃなくなってしまうかもしれない……でもみたいなー!!

なんだっていいのです、繋がっていてくれてたら。だから『-異聞-』の上演は本当に嬉しかった。

いつまでも新作を待っています。

 

これ、作品について書けてる?書けてないな?

思いばかり先走った文章を読んでくださってありがとうございます。

この人『最遊記歌劇伝』が好きなんだなーというのが伝われば嬉しいです。

伝わってなくても大丈夫なように言葉にもしておこう。好きなんです!

 

*1:大人の事情で2作目のあと3作目制作まで5年も経ってるとか

*2:虚伝で蘭丸に手を伸ばされたときの表情も大好き

リセッリバッスリボーンー『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE

下書きを間違って公開にしてしまうというミスを何度かやってしまってます。すみません。

というわけで、無事に(そう思いたい)お手紙出せました。

手紙を書くにあたって心がけたのは、長過ぎないこと、感想は簡潔であること。

初めての手紙だったのでそれこそ伝えたい感想はいくらでもあったんですが、全部書いたら超大作になってしまう……なので直接の感想は直近の2作にしぼり、あとはこれからも応援してますということを、たぶんちゃんと書けたんじゃないかなー。すでに記憶が遠い。

それと字が上手でないのは仕方ないとして、丁寧な文字と言葉を書くこと。この辺はまあ当たり前のことだけど。

自分の名前はどうしたものか迷ったんですが、結局フルネームで手紙の最後と、封筒にも記名しました。

あなたのお芝居が大好きだよ、応援してるよ、という気持ちが伝わったらいいなあと思います。とりあえず出せたことで今は満足。

 

そして舞台はこちらを観てきました。

「『家庭教師ヒットマンREBORN!』the STAGE」

以下ネタバレ含む感想です。

あの歌が頭から離れません。

リセッリバッスリボーン

ザ・2.5次元。という感じでした。リボーンをアニメの声優さんが演じてるところも、映像をたくさん使ってるところも、すごく2次元に寄っていった3次元だった。

ときどき一歩引いてしまうというか、集中が途切れてしまったところもありつつ(主に前半)、でも終わってみたら楽しかったし続編があるといいなーと思います。

前半すごく忙しかった。場面転換のチャイム鳴りまくり。

ストーリーが原作と同じくリボーンが日本に来るところから始まるので、キャラの登場と死ぬ気のツナが怒涛のように押し寄せてきて、観てる方としても息切れしました。

ツナめっちゃ頑張ってた。頑張ってたけど、俳優さんの負担が大きすぎるのでは?と心配にもなりました。死ぬ気弾撃たれるたびネックスプリングで起き上がり、ほぼパンイチだし、叫んでるし。

キャラが次々登場するのもその場面、場面では楽しくても物語としてはぶつ切れに感じて、もうちょっと、もうちょっと、なんか、こう、さ~~~、と思ってしまいました。でも原作通りではあるんだよね。

その分、後半の黒曜編に入ってからは物語の流れができてすごく面白かった。

これは良し悪しでなくて好みの話だけど、映像に重きを置いた演出は少し残念で、例えば獄寺の爆弾とか、骸のモードチェンジのときの瞳とか、チーターチャンネルの犬とか、もうちょっと俳優さんの表現で見たかったです。

印象的だったのはとにかく頑張ってたツナと、あとランボさん。あれはずるすぎでしょ……獄寺くんはすごく達者な俳優さんだなあと思いました。

ボンゴレよりも黒曜のほうが全体的に物慣れていた印象です。

千種がすっごく千種でした。猫背の具合もぽそぽそした話し方もイメージそのまま。そして脚が長い。信じられないくらい長い。刀ステでもさんざん脚の長い人たちを見たと思ってたけど、それにしたって長かったです。ヨーヨーチャンピオン兼脚長チャンピオンです。

犬はアクションかっこよかった!知ってたけど!

犬と千種の登場で、物語の変化もあるだろうけど一気に空気が引き締まった感じがしました。

おさるとゴリラと動きが全然違うのもさすがだったなー。あとやっぱり演技が好きです。すごくいいなあと思います。「マフィアが骸さんに触んな!」からの人体実験されてたという告白のくだり、彼の声の悲痛さが、3人の過去がどれだけ辛いものだったか、より強く訴える。ラ行で舌巻いてるのも細かくて好き。

骸もとっても良かったです。特に「Arrivederci」、最高でした。あんなふうに言うんだー!と嬉しい驚き。すごく上からの言い方だけど、お芝居上手になったなあと感心してしまいました。静かだけど声が通るし、佇まいは上品で。棒殺陣も良かった。あと…顔がいい。

千秋楽はライビュで見たのだけど、最後の歌で骸がアップで抜かれたときに微笑んだのです。ひえっとなりました。顔が良くて……

挨拶するとき以外はキャラを保っているカテコで、頑なに拍手をしない黒曜よかったです。千種はだるそうで、犬はガラが悪く、骸はすましてた。

あと女の子!女の子がみんなかわいかった!演技も素敵だった!女の子がかわいい舞台はいいものです…心が潤う。

 

次あるとしたらヴァリアー編かな。アルコバレーノはどうするんだろう。

そのへんの興味からも、ぜひぜひ次に続いてほしい!千種犬はもう出ないだろうけど…

 

シンプルの楽しみー劇団シャイニング『天下無敵の忍び道』

先日書いた舞台に行ってきました。

ちゃんとお手紙も書いて預けてきたよ!初!!初めての!!

家にあったお気に入りのレターセットを使ったのだけど(裏具さんの

http://www.uragu.com/ )、縦書きの上、デザインがシンプル過ぎて果たし状みたいになってしまったのは反省点として次回に活かしたいです。

感想は明日の千秋楽を終えてから書こうと思います。

ひとつだけ。かっっこよかったーー!!

 

 

今回は先日観ました円盤の感想です。

劇団シャイニング『天下無敵の忍び道』

いまさらですが、このブログは私個人の備忘録でもあるのできちんと書いておきます。

すごく面白かった!

衣装も演出も凝っていて、下世話ではありますが、お金がたくさん使われていることに感動しました。

衣装がぺらくない!忍者というのを考えると布が多くて若干動きにくそうではあったけど。これは原作?初演?でのデザインに倣ってるのかな。

以下、ネタバレあります。

 

ストーリーは王道そのもの。友情、葛藤、共闘、勝利という少年漫画にもありそうな展開で、だいたい予想通りに話が進んでいくので新鮮さには少々欠けるかもしれないけど、広げた風呂敷を順序よくきっちり畳んでもとに戻したような、ストレスなく楽しめる内容でした。

そういう物語のシンプルさって、作品を楽しむ上ではなんの問題にもならないというか、ひっかかりなく舞台そのものを楽しめるという点で大事なことなんだなーと再確認。

シンプルといっても勧善懲悪というわけでもなく、悪役である羅刹流の描き方もとても良かった。敵側にも彼らにとっての正義があり、ドラマがある。

私はむしろ主人公側よりも羅刹流の方に感情移入してしまいました。

彼らの過去が気になる。そこんとこもうちょっと詳しく…設定だけでもいいから…!という感じ。でもそのもっと知りたいと思うくらいの加減で描かれていたのが良かったんだろうと思います。出張りすぎず、でも印象には強く残るという、悪役として最高の立ち位置だった。(けど信羅は誰より強く見えた)(ひいきじゃないはず)

 

謝意忍具流は才念先生も含めほのぼのしていて家族みたい。先生が穏やかで強く優しく、そしてお茶目で素敵だった。すげ笠を手にしたままの殺陣がかっこいい。

音也衛門がすごくぴったりでした。彼の無邪気さというか純粋さがあの笑顔ひとつでわかってしまう…キラッキラだなー!とアップで映るたびに思ってました。その分、倒れた先生を前にした叫び声は痛いくらい。

セシル丸の異国の王子という設定が違和感なく受け入れられてしまったのは、あの佇まいあってこそと思います。悲しさを秘めた表情が印象的でした。

謝意忍具流が家族なら早乙女流はチーム。

熱血な翔ノ助に対してのクールな真影という対比はテンプレといえばテンプレなんだけど、そういうテンプレが純粋に楽しい。

翔ノ助と真影、2人の対立が決定的になる場面がすごく良かったです。いつもは冷静な真影が声を荒げ、元気いっぱいの翔ノ助が諦めをにじませる。舞台に1人残った真影の「これでいい」という独白が切なかった。

 

殺陣が素晴らしかったです。アンサンブルのみなさんのOPでの動きすごい。

音也衛門とセシル丸は分身と「雷神」の術というある意味飛び道具があるせいか比較的控えめに感じたけれど、翔ノ助と信羅の体術対決、真影と大羅の異種対決がかっこよかったです。

信羅すごかった!もう、すっごかった!!ジャンプの滞空時間が長い。あの首跳ね起きのシーンは微妙にカメラがずれていて、そこあと1秒早くカメラ振って!!という気持ち。もっとじっくり観たかった~!

 

信羅はすごく良いキャラでした。極端で、残忍、冷酷ではあるんだけど、その反面ある意味一番まっすぐでピュアでもあったなあと思います。

あのイカレ具合最高だったなー!!私は彼の感情の発露の仕方、そういう演技が大好きなので、登場したときの邪悪丸出しの笑顔から壮絶な最期まで、舞台上にいるときはずっと目が離せなかった。身体能力の高さに目をひかれるだけでなく、彼の演技には本当に心を持っていかれる。好きです。

羅刹様はかっこよかったです。仲間でさえ使えないと思えば斬り捨てる、その一方で大羅の残した刀で戦うの、アツすぎでしょ!欲を言えば彼にとっての正義がどこから来たものなのかが知りたかった。

大羅が羅刹の野望に疑問を持ちつつそれでも従っていたのは、ただただ信羅が心配だったからなのだろうな。真影との戦いで、彼に対し「迷いがあるからよくしゃべることでごまかしてる」というような台詞があったけど、お前もなー!と思った人は多いことでしょう…

上でも書いたけど、信羅と大羅の過去について、2人と羅刹様との出会いについて、すごく気になります。

三つ巴のうち羅刹流の3人の印象が強く残ったのは、私が原作に明るくないせいもあるのかもしれません。

うたプリに関する私の知識は、アニメ1期を観たくらい。

メインの4人について、初演やプリンスたちのパーソナリティについて知らないと理解が難しいニュアンスというのがきっとあって、オリジナルキャラの羅刹流にはそういう壁というか隔たりがなかったからすんなり入り込めたのかなーと思いました。

 

ライブパートについて。

これは押しも押されぬアイドル様だ!!

慣れていない上に映像ではどういうスタンスで観ていいのかわからなかったけど、お芝居パートが終わって結構すぐにライブが始まったのにちょっとびっくりしました。SHI!NO!BI!

みんな輝いてました。才念先生はともかく、羅刹流のみなさんが出てきたらどんな顔をしていいかわからないところだったので、そんなことはなくてよかったです。

でもバクステのライブに合わせた小芝居とてもかわいい。

 

バクステで誕生日をお祝いされていたのですが、ああいうところとても好きだなーと思います。あの「ありがとうございます」の声。すごく嬉しそう。

今年の突撃誕生日もきっとあんなふうにありがとうを言ったんだろうな。

 

いろいろあった

勢いよく買った円盤を、勢いよく観ています。

この場合の勢いとは次々に新しいのを観ていくのではなく、ひとつ観たら迷うことなく最初に戻ってもう一回再生することを言ってます。

特にバクステ。バクステ大好き。

 彼は舞台の役者さんたちの中でも声がよく通る方なので(すき)、最後の全員で揃って言う挨拶でもわかりやすく聞き分けられるのです。そういうのを繰り返し見ては楽しんでます。好きだからわかるというより、ただそれくらい声が大きいってだけだと思うんだけど。

他の人に確認したことがないので実際のところどうなのかはわかりません。どうだろう?

ちなみに舞台のことや俳優さんたちについて話せる相手が本当にいないので、だからブログを始めました。

 

ところでいろいろありました。

前々からお知らせはされてましたが長年続いていたブログの閉鎖、新しいお仕事など。

ブログは彼にこんなにはまってしまう前から頻繁にチェックしていたし、ツイッターがほぼブログ更新botなことも知っていて、春以降はもちろん毎晩そのお知らせを楽しみにしていたので3日経った今、ものすごく寂しいです。

共演者の紹介とか、出演作品の振り返りとか、飾らないけど真っ直ぐな言葉で綴られる文章が本当に大好きでした。

まだ年内は読めるかも?ということなので、残された時間で彼の8年間をまたしっかりと拝読しようと思います。

ああ~~~でも寂しいなーー!!

そしてまた一つ寂しいというか残念なことに、彼の個人イベントのチケット抽選にもれてしまってすごく悲しい……どうも地方は激戦だったようです。

日程的に東京まで出かけるのが難しいので、一般で取れたらいいのだけど。

 

こういうとき、東京に住みたいと思ってしまう自分が嫌です。というか、すごいかっこ悪いなーと思う。

自分がそうしないだけって話ですからね。できる範囲で応援するというのも自分で選んでそうしてることです。わかってることを悔しがって、それをまた後悔して、そしてそういうの吐き出して、全部ひっくるめてもうーーーってなる。

もともと、この俳優さんのここが好きなんです、というのをとにかく誰かに話したくて始めたブログなので、なるべく自分にとって楽しいことばかり書いていたい。

でもときどきやっぱり自分のために、足元の小石蹴る程度にちぇっということを書いてしまうかもしれません。

 

でも今週は夏ぶりの彼の舞台だ!ひさびさ!すごく珍しいことに自引きチケットがプレミアムらしいプレミアム席なので楽しみも倍増です。

お手紙書きたい。初めての。

 

わたしと少年

劇団少年社中についてというより、「少年社中さんと私」という文章です。

劇団については、今年20周年ということでナタリーでの特集記事が詳しく読み応えもあって楽しいので、未読でしたらぜひ読んでみてください。

natalie.mu

社中ファンど新規な私は、こちらを読みつつ、次は何を観ようかなーとうきうき考えてます。

 

最初に観たのは「ネバーランド」(2014)でした。きっかけはもちろん推しくん!

彼の代表作としてよくあがる作品です。これが本っっ当に素晴らしくて。私の好きは今後もたくさん増えるだろうけど、「ネバーランド」はきっとずっと特別に好きって言ってると思う。

タイトルの通り「ピーター・パン」を題材に、その後を描いた作品です。フック船長の企みで年を取ってしまったピーターパン(メタボ気味)が、大人になったウェンディたちに助けを求めて元に戻ろうとする話。

子どものころのおもちゃ箱をひっくり返したみたいに、楽しくて切なくて懐かしくて、幸せな気持ちになれる。最初から最後までワクワクとドキドキが続く物語です。

飛べなくなったピーターが汗をかきながら走る姿も、皮肉に笑うフック船長の姿の良さも、身軽に跳ね回って場をかき回すピーターパンの影も、みんな魅力的で大好きになってしまう。

物語が進むにつれてピースが集まり、クライマックスですべてがぴったり合わさる、そのときの感動ったらないです。最後、暗転で終わるんだけど、それがもう最高すぎる暗転なのでほんと観てほしい。ほんとに。本当に。

もう、とにかく観て!と声を大にして言いたい。観て!!!

その後初演版も観ましたが演出面では大きく変わらず、ところどころブラッシュアップされてたのだなーという感じでした。影は初演も再演も同じく少年にしか見えないしくるくる跳ねてるから、若返りのなんかがあるのかなって……*1

その後「MAPS」のチケットを取り、予約していた「ピカレスク◆セブン」が届いてピーターパンのコケコッコー!で泣き、「機械城奇譚」を観て「贋作・好色一代男」でまた最高すぎる…と打ち震える今に至ってます。この間だいたい4ヶ月。

こうして書き出してみるとまだまだ全然だな。でも好きな気持ちに嘘はないのでいいのです。

ピカレスクセブン」は納得いかない部分は多少あっても(ジャックザリッパーちょろすぎるのでは?という)、あの勢いや、入れ代わり立ち代わりするキャラクターと物語が最後ひとつにまとまったときの爽快感は楽しかったです。

20周年記念だけあって「ネバーランド」もそうだけど、過去作を知ってるともっと楽しめた箇所があったんだろうなあ。私はピーターとフック船長、ヌルハチ(ていうかいまたさん)のシーンに身悶えました。「お前にはまだ早かったな」とか。

「カブトームシ!」のシーンが大好きです。カブトムシを前にしたらマクベスだって男子になっちゃうし、ピーターが泣きながら「どこ~?」て言ってるの最高に男の子でかわいい。

こちらのピーターパンは少年通り越して子どもに見える若さでやっぱりくるくるぴょんぴょんしてた。

そして「贋作・好色一代男」です。

原作が江戸時代におけるポルノグラフィ。というだけであれだけども、ストーリーは際どいし、ちょっとみんな落ち着いて考えよ!て言いたくなるし、実際一呼吸置いたら起きない悲劇ばっかりだったのではとも思うんだけど、そういう御託はいいからとりあえず踊ろーーー!というエネルギーに満ちていてすごい。なんかもう迸ってる。

映像で観てもそうなんだから、当時劇場でみれた人はどれだけ圧倒されただろうと思います。羨ましい!

登場人物は、主人公の世之介をはじめ、みんなだめなところのある人間です。弱かったりずるかったり馬鹿だったり。そしてどうしようもない間違いも犯す。冷静に考えると本気でだめでしょって人もいるんだけど、嫌いにはなれず、愛おしいとさえ思ってしまう。そういう可愛いげのある人たちです。

あの忘れられない音楽と、キャスト全員が狂ったように踊る勢いとに飲まれてしまったのかもしれない。なんかすごいものを見たぞ、という感覚。

俳優さん方に関しては、世之介の顔がいいです。なのだからもちろんそのお父様の顔もいいです。全体的に色っぽい話で言ってることもわりとひどいんだけどいやらしくならないのは俳優さんの爽やかさあってこそと思います。艶之丞も同じく。鈴ノ助の純粋さゆえの狂気や残酷さは胸に痛かった。

あとすごく個人的な思いとして、「股の具合はまぐわってみなけりゃ~」とか女優さんに向かって「たくさん抱きます!」とか言う姿を見られる舞台ってそうそうないなって…

特に最後が好きすぎるんですが、「機械城」に合わせて放送されたニコ生特番でこの場面を振り返ったとき、暗転してもまだみんな踊り続けてるというお話を聞いてますます大好きになりました。だから暗転してもまだ見てしまう。

 

推しの彼は社中さんでは少年性が強く出た役が多いのだけど、どれも上に書いたような純粋と狂気、残酷は紙一重という部分を持ってるキャラクターなのが面白いなーと思います。世間一般でも少年ぽいイメージは強いだろうけど、社中さん(というより毛利さんかな)の中ではどんな位置付けなんだろと思ってたところ、こんなツイートをされてました。

 キラキラ!!そっか、キラキラかー!!!!

ついてきます!と心の底から思いました。

 

 

おたくの壁打ちのようなものなので延々と好きなことだけ書いてしまうんですが、スターや読者登録ありがとうございます。

よかったらこれからもお付き合いください。

なにかありましたらどうぞ。

marshmallow-qa.com

*1:2018年も元気に短パンはいたり中学生演じて違和感ないのでいよいよ若返ってる疑惑

劇団のおしばい

ついにリンカネの新作が発表されました。

12月、東京公演のみ。地方住まいの身には少々厳しい日程ではあるものの、これはクリスマスプレゼント……と自分を励ます呪文を唱えつつ先行予約のための素振りに余念がありません。

ずっと待ってた作品なのですごく、すごーーーく嬉しいです。だって3年振り?

もしかしたらもう出演はないかも、とぼんやり思ってたキャストの出演も決まっていて、本当のオールスターでの新作です。嬉しくないわけない。

許褚もいるし!!!!!そんなの、嬉しくないわけがない。

リンカネシリーズは三國志をベースにしているもののオリジナル要素の強い作品です。キャラクターがとにかく愛おしくて、彼らが既に決まっている歴史をどういう風に辿っていくのか、一度触れてしまったからにはそれを追わずにはいられません。

観なきゃ観ないで良かったのになー!でも観ちゃったしなー!!ていうめんどくさい気持ち。あとね、みんなかっこいいところが好きです。西田さんの演出は正直ノットフォーミーなところもあるんですが、カッコつけ(褒め言葉)に関しては私的にかなりの高得点だな……

来年1月には少年社中さんの新作もあるし、素振りにもますます力がはいるというものです。

 

さて、社中さんです。

もう20日も前のことだけど「機械城奇譚」を観てきました。

以下ネタバレ含みます。

11年振りという劇団員のみでの公演。劇場も小さめのところ(中野ザ・ポケット)で、どの席からも舞台が近い。なんていうか、すごく劇団員のみの公演という感じだった……いつものようにゲストがいないからこそできる話だったのでは、と。

社中さんは「なにがなんでもハッピーエンドにするんだ」みたいな強引さがあるときがあって、私はそれが結構好きなんだけど、このお話は全然違います。

はっきりとバッドエンドだったと思う。物語の仕掛けも、間に入る寸劇?もすごく面白かったし、全体の雰囲気も大好きだったけど、奇跡を起こすんじゃなかったのかよ~~~という悲しさが勝ってすごく良かったと手放しで言う気になれない……

衣装も舞台セットも大好きだけど。大好きなんだけど!悲しいんだよ!!

劇中一箇所だけ、客席との掛け合いがあります。観客が舞台に向けて頑張れ!と声をかける。その後、今度は台詞として頑張れという声がたくさん聞こえてくるシーンがあります。照明を落とした真っ暗な中に響く頑張れの声。そのとき、重なった、と思ってちょっとゾクッとしました。

悲しいけど、すごく良かったと言えずにいるけど、でも忘れられない物語です。

 

このときの物販で「贋作・好色一代男」を購入しました。社中さんもまだ覚えたてなので少しずつDVDを集めてる最中です。とりあえずは推しくんの出ている作品から。

これがすーっごく良くてね!本当にすごく良かった!!大好きです。

ラストの部分なんて毎日観てるくらい好き。

何回でも言います、大好き。

社中さんについてこのまま書こうと思ってたけど、なんだか長く語ってしまいそうなのでそれはまた別記事にします。

ネバーランド」と「好色」と、語ることがいくらでもあるんだ……

 

過去へ飛ぶ

なにせ本格的にハマったのがこの春なので、過去作の多くに立ち会えていません。

なのでちまちまと円盤を集めたり、配信があったらそちらでも観たりしているんですが、面白い作品は映像で観てももちろん面白いし演技の素晴らしさは十二分にわかるもの……なんていうのは建前で、実際にはその作品が面白ければ面白いほど、演技が素晴らしいほど、テレビとかPCの前でのたうち回ってます。

なんで!私はこれを生で観てないの!!

特にその劇場が今はないとかいう情報がプラスされるともう泣きたくなる。

 

さてここで推しを紹介します(いまだに「推し」と呼んでいいか悩むけど他になんていっていいかわからない)。

お芝居の上手さとか身体能力の高さとか、彼については他にもいろいろで語れると思うんですが、私が特に心を惹かれるのが彼の泣きの演技です。泣き叫ぶのも目にいっぱい涙を溜めるのも、笑顔のまま一筋だけ流すのも、どれも本当に最高だなー!と思ってる。泣く演技だけでなく、表現力?感情の発露の演技?そういうの全部最高と思ってるけども。笑顔だって最高だけども。*1

この界隈ではベテランと言える人です。もっと具体的に言うと魚篇のある小さいほう(わかりやすい!)。

 

そう、芸歴がそこそこ長いのです。それはつまり、それだけ多くの作品に出演しているということ。でも2.5じゃない舞台の出演も多い彼、映像化していない作品もたくさんある。

中にはプロモーション映像だけは上がっている作品もあって、そこで泣いたり叫んだりしてる彼を見ると、撮ってる映像そのままでいいから見せてくださいよ~~という気持ちになります。

なのでまずは映像でも見られる作品は、そのこと自体に感謝すべきなんだけど、でも。

でもさ。だけどさ。

生で!!観たかった!!!

と、地団駄を踏むことがやめられません。

自分が実際に舞台を観るようになって感じたことだけど、その場だけの空気とか雰囲気とか、絶対にあるから。体験したかった……と心から思うのです。

まあだからって映像で観たことを後悔なんてしないし、観ることができてもちろん嬉しいし楽しいし幸せで、面白いものはやっぱり面白いのだけど。その部分だけを大事にしたらいいのにね、と思いつつ、だけどやっぱり止まらない地団駄。

 

過去の個人イベントの話は楽しそうだなーと思う程度なので、私自身が舞台作品というものへの思い入れがより強いのかもしれません。

ちなみに地団駄で終わらず涙まで出てきたのは、「ネバーランド」を観たときです。円形劇場もうないじゃん!!

それくらい名作です。おすすめです。最高です。

 

そうこうしてるうちにイベント開催の発表がありました。わー!うわー!

握手会があるのだけど、握手会ってなにするの…?初心者おたく、先人方のブログで心得を勉強します。

 

 

*1:刺されたり、骨折られたり、焼きごて押されたり、そういう痛い演技も最高