すとんと刺さる

ゆるいおたくのよしなしごと

そして日日は -舞台『刀剣乱舞 慈伝』日日の葉よ散るらむ

兵庫公演を観てきました。

正直なところ、私はまだ悲伝をうまく消化しきれていません。演技や台詞やエピソードなど好きなところはいくつもあるけど、作品全体に対しては、なんだったんだろうという気持ちが今も少なからずあります。この未消化の部分は、たぶん私の理解力や好みにも関係なく、ただ単に未だ明らかにされていない謎をそれはそれとして別皿に取っておくことができずに飲み込もうとして、でもできないから起きているのだと思う。なので悲伝の感想は「嫌いじゃないけど好きでもない」「つまらなくないけど面白かったと言い切れない」という中途半端なものになってしまう。その後TRUMPシリーズを見て末満さんの手法の一端に触れたことで、ぼやぼやーんとしてた悲伝での三日月の輪郭をうっすらと捉えることができたような気がするけど(たぶん。なんとなく。)、それは答え合わせ待ちの状態。

そんな中での慈伝でした。

舞台『刀剣乱舞 慈伝』日日の葉よ散るらむ 

以下、ネタバレも含みます。

その前にもうひとつ、神戸のアイアはオリエンタルの座席をどこへやってしまったの。

 

刀ステは、刀が人の体と心を持ってしまったこと、それに翻弄される刀剣男士たちの物語なの だなーと改めて思いました。三日月も自分が得てしまった感情に翻弄された一人なのかも。と、今は思っています。

慈伝、想像と全然違ったのに、終わってみると欲しかったものを見せてくれたという気持ちになりました。とても良かったです。好き。刀ステの物語はまだ続いていくのだなあ。

最初に聞こえてきたのは「西暦2205年」から始まる恒例のナレーションじゃなく、聚楽第を説明する知らない声。聚楽第をこういうことがありました!と全部映像で済ませちゃうのは想定していませんでした。前方席は首がちょっと痛かったです。

そしてOP!OPかわいい!みんな内番衣装!!ネタバレはなるべく避けていても聞こえてきた花丸…というつぶやきを、早くも実感。あんまり明るく始まったものだからびっくりした。そして長義くんも一緒にものすごくちゃんとコメディだったからそれにもびっくり。布、布そんな。あいつ結構いいやつだよ…。普通にあははって笑ってました。

特に布被った鶴丸と長義、振り返れない長義と国広のところがお気に入り。畳み掛けることで余計に面白くなるあの感じ、すごいコメディ作品観てる!と思いました。

会場替わり男士も含めて19振りってさすがに多すぎではという疑問は、まったく問題なかったです。逆にそれだけの人数がいたから、長義に対して色んな立ち位置の男士を描けたんだろうな。

刀剣男士同士の殺陣は虚伝でもあったけど、人数の多さや本丸内というのがスマブラとかマリカっぽくて楽しかったです。そしてなんといっても大太刀が!大きい!かっこいい!!本当に薙ぎ払ってた。あと舞台上に18振りが揃って構えるのは迫力があってかっこよかったです。

ドタバタコメディかと思いきや後半はぐっとシリアスで、けれど重くなりすぎずにずっと柔らかな空気感だったのが印象的でした。本丸のみんなは優しい。この本丸には三日月がいない。でもその心は確かにここにある。(茲という漢字は不勉強で知りませんでした…)慈伝は悲伝とは切り離せない、セットの物語なんだなあ。

と、思ったところでブログの最初に戻るんですが、慈伝が思っていた以上にがっつり悲伝の続きで、あれで物語は終わりじゃないということをはっきりと見せてもらったので、納得のいかなさが少し落ち着いた気がします。少しね、すこし。

彼の帰りが本当に待ち遠しいな。

 

会場替わり男士のこと

不動くんのいる慈伝を見れたこと、本当に幸運だし良かったなーと思ってます。

極めた不動、本当にかっこよかった!けど虚伝での不動の可愛げというかいじらしさもちゃんと残っていて、刀ステ本丸の不動くんが健やかに成長しているところを見れて嬉しいばかりです。虚伝では生まれたてすぎて本丸を振り回したあの不動くんが、ダメ刀だよぉーー!と泣き叫んだあの不動くんが、穏やかににこにこしながらみんなを見ているの、とっても感慨深いものがありました。

お小夜と骨喰くんは見ていないので比べられないけれど、長義に対してもすごくフラットに接していて。最初にわあと思ったのが長義くんに対しても「じゃああんたもまんばちゃんだな」って言うところ。国広のコンプレックスも長義のプライドも関係なく、もう一振りの山姥切として屈託なく受け入れてくれているの良かった。でも国広を呼ぶ「まんばちゃん」とはちょっと声色が違った。ように感じました。国広へはもっとくだけた甘えた感じだなーと思ったんだけど、これは私の先入観の問題かもしれません。長谷部との関係も程よい距離感と、わかってる感があって織田の刀最高だなと思いました。長義のほうに付くことを選んだ長谷部のことを「やっぱりね」って顔で見てるところも好き。

ゲストというか通し稽古1回のみだったわりに出番が普通にあって嬉しい驚きだったんですが、それに関しては葛藤がいろいろあったようで(この記事書いてる途中でニコ生見ました)(不動くんの役作りについてもネタバレにならない程度に話してたので良かったら見てね)、本当にお疲れさまでした。また刀ステの不動くんに会いたいです。

 

あと1回、ライビュを観ることができそうです。今回は不動くんを注視しすぎていたことを否めませんので、ライビュではもっと広く見たい…そうしたら各キャラについてなどまた書こうと思います。

あっむっちゃんがご飯いっぱい食べそうなむっちゃんでとても好き!