すとんと刺さる

ゆるいおたくのよしなしごと

映画刀剣乱舞をみたよ(ネタバレあり)その2

各種メディアミックスどころか原作ゲームにも触れていない人からも「映画を観たよ」という声がたくさん聞こえてきて、改めて映画強い、と感動しています。

だよねぇ!映画化ってそういうことなんだよね……すごいな。

2.5次元にまったく興味がない友だちもわざわざ観たよ〜と知らせてくれて嬉しかったです。推しくんも褒めてくれてより嬉しい。

前回書ききれなかったキャラについてです。その後また映画館に行ったりシナリオやオフィシャル本などを読んだので前の感想から見方が変わったところもあるかもしれないけど、とりあえず脳直で書いていこうと思います。

 

・三日月

映画を観てまず出てきた感想は「面白かった」なんだけど、それと同時に三日月〜〜!と、ハンカチを握りしめながら、なんだか泣きたいような気持ちにもなっていました。三日月〜〜!じゃなくて、すずきひろき〜〜〜!!かもしれない。

もちろん刀ステを観てきた私たちは鈴木拡樹がどれだけ素晴らしい俳優かなんて知ってるじゃないですか。彼が舞台ではどういう風に三日月宗近を演じていたかも。なんだけど、それを踏まえたうえで改めて、美しく格好良く説得力のある三日月が圧倒的センターとしてスクリーンの中にいたものだから、最後大画面にトップで出た名前をもう拝むよね…。

強くて優しくて表情豊かな美しい刀でした。

目の演技が繊細で好きです。特に安土城で、秀吉の兵に気付いたときから真相を話し始めるあたりの視線の冷たさが、いかにも人じゃない感じですごい。

映画の三日月はみんなに助けさせてくれる三日月で良かったです。まんばちゃんはじめ他の刀も文句が言える…うぅっひでん……

ものすごくどうでもいいけど、最後刀を納めたところで「これにて一件落着」とアテレコしたくなります。

・山姥切

三日月に物申せるまんばちゃん!!

映画が原作を知らない人にも受け入れられてるのは、焦点を三日月に絞ってまんばちゃんの「写し」発言や不動くんの「ダメ刀」を削ったことも大きいんじゃないかなあ?こじらせてない彼はひたすらクールでかっこ良かったです。私は彼がこの本丸の初期刀であることになんの疑問も持たなかったけど、そうじゃなくても古参の刀なのは間違いないんだろうね。三日月だけじゃなく、薬研や長谷部にもフォローを入れる全般的にデキる刀だった…そして画面に大写しになるたび顔がいいな…??と思いました。金髪碧眼が似合うって王子様かな??

あと居合!あれすごくかっこよかった〜。舞台と同じく鞘を使った二刀流もどきだったのも嬉しかったです。

・薬研

みんな言ってることを私も繰り返しますが、顔が…いい…!!!あと白い。足も白い。顔面の強さとか太ももに目を奪われがちですが、物語のキーマンとしての活躍にも大満足です。顔がいいからというのは置いといて、無銘くんと刀を合わせたときとか、無銘くんに邪魔されたときとか、ああいう表情の変化が好き。

原作でも過去にはこだわっていない薬研の、光秀に対する感情を聞くことができたのが嬉しかったです。すとんと落ちた、という言葉は彼らしくてとてもいい。

殺陣すっごいかっこよかった!一番動いてた印象です。壁駆け上ったり他の刀またいで跳んだり…対薙刀が特に印象的でした。刀で受けて倒し、そのまま刃を滑らせ仕留める、みたいな。

まんばちゃん骨喰くんとの水辺のシーンはなんのサービスかと思った…やけに光が白くて少女漫画の世界だった。手袋は絶対外さないけどネクタイは緩めるの最高です。

・長谷部

長谷部、おまえほんっといい奴だな…!!

と、映画見るたび思います。真面目で律儀でなんだかんだ甘さもある。シリアスからギャグシーンまで全部請け負えるし…一番かっこいい場面かっ攫ってくし…長谷部ってさじ加減によって嫌な奴にも見えてしまうと思うんだけど、そこは脚本と、あと和田くんのパーソナリティが透けて見えるのか、そちら側には振り切らない。

燃える安土城を見上げる顔、すごく良かったなあ。本能寺では織田の刀三振りがそれぞれ違う表情を見せていて、ここでも薬研と長谷部とで信長への愛惜というか追惜というか、同じではないのが印象的でした。

それにしても長谷部はほんっといい役だしそれも納得のいい奴だった。

日本号

かっこいい。状況が状況なら、私は日本号うちわを振っていた。

脚本の小林さんのインタビューなどを読むと三日月は鈴木さんが演じることを念頭に置いた上で書かれたようですが、日本号もあて書きだったのではないかなあと推測しています。岩永さんの個性がより強く出た日本号だったと思うので。

主に長谷部のフォローが目立ったけれど、それ以外にも、映画本丸(というか今回の出陣部隊の)バランサーとして不動くんのフォローをしたり、偶然聞いた会話から三日月の心情を慮ったり(でも情に流されすぎてはいない)とお兄さんのようでした。不動くんに俺も飲むぜーと声をかけたのは、シナリオによると不動に気を使ってのことだったので、ありがとうという気持ち。勝手に。

あとはもう…かっこいいな……

・骨喰

舞台と合わせると3人いる骨喰くんですが、それぞれ作品にぴったりのキャストで映画もすごく良かったです。ふわっ…としてる。顕現したて、そして記憶がないという白にさらに白をかけた真っ白な骨喰くんでした。CMでもキーワードにようになっていた「歴史は変えてはいけないものなのか」というセリフ、なんの含みもなく本当にただ疑問を口にしただけという感じで、彼ならではだったなあと思います。好奇心旺盛で実際にやってみる骨喰くんなのも良かった。

三日月に向かってにこっとするところ、まあ可愛かったです。

・不動

不動くんに関しては、本能寺から始まり、最後の満点の笑顔まで、見せる表情のひとつひとつから受け取れるものが多すぎて、出番少なめと言われてもピンとこないくらいずっと考えています。よく変わる表情と一緒に、切なくなったり悲しくなったり緊張したり嬉しくなってる。やっぱり好きだなあ。

その後何度か観て、不動は本能寺での顛末は知っているという結論になりました。私の中で。三日月に言い含められたとき、燃える本能寺を見つめる顔、信長が生きていると聞いて話し合いをしている場で視線がそれていること。そういういろいろが、そうなのだと言っているように思えてきます。正解はわからないんだけどね。

それとこれはまったくの想像なんですが、三日月と(あと日本号と)同じように、不動もある程度椎名さんをイメージして書かれているかもしれないと考えてます。というのも、以前にステージナタリーの少年社中特集ページに小林さんがコメントを寄せていて、社中の一番好きな作品として「ネバーランド」を挙げてるから。あの無邪気で残酷で不安定な少年を演じた印象を不動くんにも託した…は言いすぎだけど、脚本に一定の信頼を感じられる気がしてます。気が。

そういえば映画不動くんはポニテを上下2つにわけて結んでることに気が付いて面白かったです。ごろんとするシーンでわかる。

・鶯丸

なんで鶯丸?という疑問に全部答えをくれた鶯丸だった。三日月と同じ、もしかするともう少し古くからあるかもしれない刀で、留守番ができる刀(鶴丸はできない刀)。

三日月が腕一本で大太刀を止めていたけど、きっとこの鶯丸もそれができる…。あまりがっちりと切り結ぶタイプの殺陣ではなかったのも余計に余裕を感じられました。まんばちゃんといい、この鶯丸といい、ああいう絶対強い古参刀というのがいる本丸で良かったなあ。だから三日月を助けられた。

本丸が攻められたとき、何を言うよりも早く時間遡行軍を斬ったのに興奮しました。このうぐぴ、強ぇぞ!ゲームの台詞が誰よりもかっこよく決まってたな…

 

三日月が鶯丸に言った「俺なのだ」は、その1に書いた【本能寺の変で刀剣男士が守るべき歴史は、歴史上における信長の消息は本能寺で途絶えたというところまでなのだと思う。なぜかって信長の遺体は見つかってないのだから。信長が奥の間にいる状態で本能寺が焼け落ちれば、そこで歴史上から彼の存在が消えれば、それで任務完了で良かった。】の主語を変えればいいのかもしれない。

三日月が【】の中のように考えていて、だから奥の間に信長を進ませ、そこにいた時間遡行軍を片付ければあとは三日月の知る歴史通り(蘭丸が信長を逃がす)進むだろうということで本丸に戻ってしまった。その結果――、ということだから。かなあ?

ということを考えつつまた映画観よう。

 

公開終了の日も迫ってきたようでドキドキしますが、手元にはまだムビチケがあるので3週目もできるだけ観に行きたいです。円盤今から待ち遠しいけど映画館での公開もずっと続いてほしいなー!

まだこれから書きたいことも出てくると思うんだけど、一旦ここで終わりにします。