すとんと刺さる

ゆるいおたくのよしなしごと

2020

あけましておめでとうございます。

12月後半からあけまして今日まで、刀ステ行ったり個イベ参加したり何回目かの接触チャレンジしたり玉集めたり配信見てきゃーと言ったり帰省したりまた帰ってきたりセール行ったり玉集めたりしていました。

イベントがねー、もうすっごく楽しかったんですよ……毎回同じことを思うし書いてしまうんだけど、私はよい人のファンをしているなーといつも実感します。

彼の握手会はいわゆる剥がし役の人が付かずにファンが自主的に離れていく形で、きちんと会話らしい会話ができるのですが(だから余計に事前の練習と心構えが必要)、5回?6回?めの今回もやっぱりよくわからないことを言ってしまった気がする。でも私の話などどうでもいいので、彼がどれだけ素晴らしくかっこよかったのか書かせてください。

エチュード「残されるパセリの気持ちも考えろよ」(お題があいまい)でのポテト役熱演。鯛フェスの楽しいところはイベントといえどお芝居する姿をたっぷり見られることだなあと思います。

エチュードに合わせてアクロバット(側転、バク宙、前転だったかな)。「どんな靴でも服でもこれくらいは全然平気」

・握手会終わって最後の挨拶。「みなさんは俺を誇りに思ってくださいね。俺は期待は裏切らないので。『今日は何を見せてくれるんだい』って思っててください」

私は本当によい人を応援している……!!最高だなって思ったし大好きだなと思いました。今年も大好きです。

 

今年の現場はじめは最遊記歌劇伝のリリイベです。歌劇伝のDVDはバクステも含めてひとつの作品になっていて大好き。最後の最後、無音で映像だけ流れる時間があるんですが、それが本当に素敵で……改めて作品というのはいろいろなスタッフさんの手によるものなのだと感じます。良いものをありがとうございます、と。

正月休み明けに早速お休みをもらったので、せっかくだから本丸博のチケットも取りました。ジオラマ楽しみ。

観劇はじめは来月で今月は何もないので、その分まだ書けないでいる刀ステの感想や、2019年のまとめブログもあげたいなーと思ってます。最後の「傷カバ」で全部持っていかれた感があるけど、それ以外も自分用にまとめたい。

 

今年もどうぞよろしくお願いします。皆さまにとって、私にとって、彼らにとって、素晴らしい作品や体験に出会える年でありますように。

 

ヒーロー ー劇団鹿殺し『傷だらけのカバディ』

ABCホールは、劇場に上がるときのガランとしたウッドデッキ風階段が好きです。

だだっ広い(というのが合うと思う)階段を上がりきったところにその日の演目を知らせるポスターがぽつんと張り出されていて、下から見上げると、自分のいる階段下が日常で、上がりきったそこが非日常への入り口だという感覚になります。

といっても今回は、非日常というほど夢見心地な時間を過ごしたわけじゃなくて、現実のほろ苦さや泥臭さもある舞台でした。それでもすごく楽しかったし面白かったし、毎回階段を上がったときより下りるときのほうが絶対元気になってたから、その時間が幸せなものだったことは確かです。

千秋楽を迎えてからもう一週間が経つけど、今もまだ、楽しかったな〜〜〜!!という気持ちが続いています。なきたくなったら!カバディしよ!ってふいに口から出てしまう。劇場出た瞬間からすぐにまた観たくなってしまったから、これは完全な「傷カバ」ロスと言えましょう。円盤早くほしい。

何回でも書いてしまうけど、すごく楽しかったです。

インド映画らしく(違うけど)唐突に始まる歌とダンスがとにかく良かった!マイク無しの舞台なのに、そのときには普通にハンドマイクを持って歌う演出が楽しくて好きでした。ダンスの振動が座席にも伝わってくるし熱気のせいか物理的にも暑いし、舞台のライブ感というのをいつもより強く意識できたのは劇場のキャパによるんだろうなあ。ABCホールのキャパは約300席。夏に『天守物語』を見た近鉄アート館と同じくらい。熱気が直に伝わってくるこの大きさが、「劇団」のお芝居には合ってるのかも。

話の内容だけでいうと決して楽しいばかりじゃなくて、現実は甘くないし世間は厳しいし、取り返しようのない悲劇も起こっていて、綺麗事ともほど遠い。前の記事にも書いたように、挫折と再生の物語、負けてしまった人たちの話です。人生を変えるために金メダルを目指して、でも夢は半ばで潰えてしまう。いわば負け犬たちがもう一回栄光を取り戻そうとするんだけど、それもやっぱり叶わない。結局、最後まで現状の解決はできてないんだよね。その糸口をもらったというだけで。

カバディは敵陣から無事に帰ってきて初めてポイントになる競技、と作中でも説明されますが、居場所を失った彼らが、また帰ってくる場所を見つけた話なんだったと思います。傷だらけでも、手をつなごう、顔をあげようっていう話。それをあの音楽で彩ってくれるんだから、そりゃ元気になっちゃうよね。

 

鯉ちゃんことエースこと、鯉田が本っ当にかっこよかったです。チームのエースでヒーローのようなのに、メンタルは弱くて、 敗北と正面から向き合えない。でもやっぱり誰よりエースでヒーローなんだよなあ〜〜〜!!

彼の印象的な場面はたくさんあるんだけど特にふたつ、ひとつはファイブスターとの試合で攻撃に出たとき。もうひとつはインド戦、「俺が行く」と前に出たとき。

ここで関係あるようなないような昔話をはさみますが、ペダステ総北新世代篇のとき、演出家さんがとても椎名さんに関してとても印象的なツイートをされてたのです。

インド戦での鯉ちゃんを見て、思い出したのがこのツイートでした。本当にこんな感じだったのです、もうほんとに。

物語の中でも試合場面でも歌っても踊っても、とにかく真ん中力が際立ってました。キラキラしてた。10年後の擦れてしまったところから、だんだんと目が輝きを取り戻していく姿が鮮やかでした。あの酒やけのようなかすれ声どこから出してたんだろうな…あと横顔が美しかったです。あとふくらはぎの筋肉*1。あと顔小さい!!(あとが多い)

ところで、アクロバットもあって体力的に本当に大変そうな舞台だったのだけど、台本のト書きに【バク転などで避けて】とさらっと書いてあってちょっと笑いました。いやいや、そんな歩く走るみたいに簡単に書いて……!バク転ですよ?さらっとやっててかっこよかったけども。

キコの存在は、心に刺さるものがありました。だってキコの「応援するふりして人の人生に乗っかって」というのはある意味では私自身のことでもあるから。もちろんフリなんかじゃないけど、でも言葉にされると苦しくなってしまう。それを言われて無理して笑うキコも、言ったそばから後悔してる鯉田の表情も、どっちも辛かったです。その言葉を引きずりながら、でも逃げないキコは強いなと思う。鯉ちゃんはラストドリームのスタッフとしてキコ代表に雇ってもらおう…ラクシュミーの強くて聡明なお嬢さんっぷりも素敵。彼女がいるならブッダも大丈夫だろうなあって思える。登場人物たちはそれぞれだめでキュートで魅力的で、でも顔だけは本気で反省しなさいよねって思いました。もちろん林原龍二はすごくいいキャラクターで大好きです。それを踏まえてやっぱり反省して。登場シーンすごく面白いよね…桃汁ブシャーっ。

座長さんが椎名さんのことを、アフトでは「丁寧に生きてる」と、千秋楽カテコでは「『傷だらけのカバディ』の精神的支柱」と紹介してくれました。

千秋楽はスタオベができたこと、みんなで一緒にWe love カバディ!できたことも嬉しかったです。

 

すごく曖昧な言い方をするけど、劇団でのお芝居が似合う人なんだなあと思いました。もともと2.5舞台にあってもキャラというより生っぽい演技をする印象ではあったけど、 例えば後悔に唇を噛んだり、肩を痛めて腕がずっと小刻みに震えてたり、苛立ちに足踏みが止まらなかったり、そういう細かい演技をずっと続けていて、ああこの人はこの板の上では鯉田として生きてるんだ、と。もっといろんな場所で、いろんな役でも見てみたいです。この舞台に出演してくれて、そして観ることができて本当に良かった。

 

そうこうしてるうちにもう来週がイベントです。会話のイメトレをしなくては…あと何を着ていこう…

*1:小型高性能…!と思った

エース ー劇団鹿殺し「傷だらけのカバディ」

椎名さんが出演してる「傷だらけのカバディ」がすごく面白いよ!すごくだよ!!

ということだけ言いにきました。

ボリウッド舞台と言ったらいいのかな、全体的にインド映画っぽさを感じる舞台です。この「っぽさ」が絶妙で、インド映画についてなんとなくの知識しかなくても「っぽい〜」と思ってしまう加減。そしてボリウッドといえば、唐突にはさまれる歌とダンス。歌って踊るとは聞いてたけど、まさかあんなに歌って踊るとは思っていませんでした。すごい歌って踊ってる!!楽しい〜!!

泣きたくなったらカバディしよう!カバディカバディカバディカバディ…という歌がずっと頭から離れません。

お話はざっくり言うと挫折と再生の物語。シリアスな展開も感傷的になりすぎず、元気でカラッとしてるのは劇団の色なのかな。カバディの試合シーンはわかりやすく見せ場をぎゅっと凝縮してくれています。スポーツ漫画みたい。という言いかたは舞台に対しておかしいかもしれないけど、でも雰囲気は本当にそれ。

そしてエースでありヒーローである椎名さんがとてもかっこよくてとても素敵に輝いてます。ベタ褒めかよと思うことでしょう。ベタ褒めですよ。

笑いあり、ほろりと来る展開もあり、何より舞台上からこれでもかと放出される熱気がすごい。2時間10分の作品だけど体感30分くらい。最初から最後までずっと楽しいという気持ちが続く舞台です。

明日が大千秋楽です。

本当に、すごく、楽しい舞台だよ〜!! 

 

いつだって表 ーDisGOONie 舞台「PSY・S」

先週から続けてドラマシティ。ドラマシティはどの席からも見やすいし、駅から近いし椅子も痛くないので、好きな劇場としてかなり上位に入ります。劇場までの道すがらにあるタピオカ屋、行こうと思いつついつでもすごい並んでる。

 

DisGOONieに乗船してきました。なんていうか、すごく西田さんだった。そのキャラクター、その役者が一番輝くシチュエーションを見せてくれるお芝居。のすけくんにはそりゃあ「表だ!」と言わせたいよ、わかるよ。*1かっこいい台詞とか動きとかが、ここでしょ!とばかりにぶち込まれるのはちょっと歌舞伎の見得のようだけど、まあ確かにかっこいい。

ただそういうわかりやすさに対して、話は少しわかりにくく感じました。緻密な整合性を求めてるわけじゃないけど、それは…?つまり…?と思う点が多かったです。一回しか観てないからかな。叙述式な要素があったので、明らかになった部分を念頭に置いて観たらもうちょっと理解できたのかも。あと語りの部分での「彼」と「彼女」が、彼女はともかくどの彼を指して言っているのかわかりにくかった気がする。それとこれは苦情ですが、トビーの飛行機をリオンとリサが足蹴にするところ。あの場面ははっきり不愉快で、どんなかっこいいこと言ってもおまえの言葉はもう聞かん!と思ってしまった……なかったら良かったのになー。

照明がすごく綺麗でした。役者の影が本人の姿とは別に舞台上にあるのって舞台ならではの美しさだと思います。あと好きだったのはダンスシーン。華やかだった!

キャラクターは、どの人も魅力的でありかつダメであるという、これもまた西田さんらしい造形なんだけど、ルパンがひたすらかっこいいところばかりで、ずるかったです。あんなのもう、かっこいいしかなくない?赤澤さんの身のこなしが、殺陣でもなんでもない場面でもすごくスマートで、かっこよかったです。足上がる〜〜と思ってました。ともるくん今年は何かと観てるけど、すごくお芝居上手いよね。声もいいし…カテコでのステッキの扱いも慣れた風で素敵でした。

コナン・ドイルが、その人として出てきた意味が特になく、最後まで平面上の人物だったのが少し意外で残念だったかな。

初演は17年前とのこと。そのせいなのか、若さや粗さの見える脚本だったなあというのが素直な感想です。演出や役者たちのこなれ感とのアンバランスさに私はもぞもぞしてしまうけど、逆にそこがいい、刺さった、という人がいても全然疑問には思わない。今の西田さんが描くこのホームズとワトスンの物語が見てみたいです。2人がバディになったあとの話が見たいよ!ルパンも出して!

 

ところで来年の薄ミュの情報が出ましたね!梅津さん主演ということで、いよいよ新しい薄ミュのスタートという感じ。

そして来月から大阪公演が始まる鹿殺しさんの舞台がものすっごい楽しみです。いろんなところで評判が良いのでものすっっごい楽しみです!

毎日当日券が出てるらしいのでみなさんどしどし行って感想を教えてください私に!本当に楽しみ!!(何度でも言う)

 

*1:裏じゃなんか違うの、表なの。というすごく感覚的な部分のはなし

ハロー、ミシェーラ。 ー舞台『血界戦線』

西田大輔さんの演出で、主演が百瀬朔くん。ということで、原作もアニメも知らないけどひょいひょいとチケットを取って観劇してきました。

ところで最近ドラマ「リフォロワー」を結構楽しく見ています。秋から怒涛のようにあった若手俳優の顔を売るためのドラマのうちのひとつかと思いきや、西田要素だいぶ濃いめ、若俳のためというよりはダイスケニシダのためのドラマだった(個人的感想です)。そのいつもより西田色に浸かったアタマで観に行った舞台、すごく楽しかった〜!*1西田さんの作品の面白さって、かっこいいの力押しなとこ、いわゆるはったりにあると思ってるんですが、そのはったりの利かせかたが原作と相性いいのかも。映像を効果的に使いつつもアナログな演劇的手法もたくさんあって、そういうところも合ってたなーと思います。

舞台「血界戦線

以下、ネタバレも含む感想。

この日のためにアニメ第1シリーズのみ予習済み。結果として見てて良かったけど、見てなくてもそれなりに楽しめたんじゃないかな。特に1幕のストーリーは爆速で進むけども、ここ!という見せ場はわかりやすかったです。

最初にアナログ〜と思ったのがはじめの方に出てくるリガ・エル。大きい布を使っての表現は特別凝った作りじゃなかったのに結構ちゃんと怖かったです。物理って強い。それといろんなところに出没するソニック。手にズボッとはめるあれ、パペットがあちこち出てくるのは音速の動きにもなってるしとにかく可愛かったです。あとはちゃんといてくれてよかった。

アンサンブルキャストが芸達者でした。新体操のリボンを使ったりバンドでピアノ弾いたり。リボンは見た目も華やかだし特別な感じが吸血鬼らしくてよかったなー。トビー役丹澤さんも、トビーからすっとサックス奏者に切り替わるの。途中、ミシェーラが歌いトビーがサックスを吹き鳴らすという場面があったのだけど、なんかよくわからないなりにかっこよかったのであれはあれでいいと思います!

生演奏はもちろん最高。セットがそこそこ大掛かりだったのでそれとの兼ね合いとは思いますが、せっかくだから奥まった場所でなくバンドをもっと前に出してくれたらよかったのに。カテコでキャスト全員でヒューヒュー言いながら(イメージ)演奏聞いてたのが可愛かったです。

キャストの話。

岩永さんの足が信じられないくらい長かった。引くほど長かった。どういうこと、と困惑するほど長かったです。絶対膝下だけで1メートルある。シルエットに説得力があるって2.5ではすごい強みだと思います。クラウスさんだ!と思うもの。演技でも声を声優さんにかなり寄せてて、個人的にはその俳優ならではの生っぽさが見たいのでそんなにしなくていい派だけど、でもアニメ好きな人は嬉しいポイントだったのかもしれない。それでなくてもこっちを向いてくれてる感じはファンとしては嬉しいよね。

クラウスとは逆に、ザップはビジュアルも声もあまり近くないのにすごいザップでした。元々のキャラの美味しさもあるだろうけど、その美味しいところをギャグでもかっこ良さでも余すところなくやりきった猪野くん一等賞。猪野くんてどういう人なのか、いまいち把握しきれてないんだけど、たぶん私が思うよりずっと面白い人っぽい。今回通路側の席だったので、猫ちゃん探しに巻き込まれてありがたく舌打ちを貰いました。レオとツェッドとわきゃわきゃしてるの可愛かったなー。ペダステの仲間たち…

レオは、すごく良かったです。「ハロー、ミシェーラ」と何回か言うんだけど、その声がいつも少しずつ違ってて、でもずっと優しくてとても好きだった。あと私は声が大きくてよく通る役者がやっぱり好きだな。台詞も出番も当然多い役なのに、全然心配にならない喉でした。ライブラの面々がわーっといろいろやってるのを黙って眺めてるのも似合うし、真ん中に出てくるときちんとそこに視線が向く。声が大きいからかな…その加減がとってもレオでした。

というかキャストみんな良かったな。スティーブンの台詞回しがもっと自然でも良かったんじゃないかと思ったくらい。あとギルベルト役萩野さんの顔が見れないのは残念。そういう役ですけども。その分あの声を集中してよく聞けということかと一生懸命聞きました。とってもいい声でした。

あ、アリギュラちゃんがすーっごく可愛かった!動きも声も全部可愛い!ハマー役川上くんも良かった。ネアカな感じとても似合う。

佐々木さんは安定のヒデくん。そうとしか言えないんだよね、あの感じ。誰とも代えられない唯一無二の個性だと思います。今度こそ本当におかえりなさい。

舞台のライブラメンバーがとても好きになってしまったので、また違うエピソードを見たいなあ。

 

そして西田さんの舞台に出演した人にいつかオリジナルにも出てくれますように、と願ってます。ほらリンカネとか…

*1:だいたいの作品で「楽しかった〜」と言ってる気がするけど、いつも本気です。

背中合わせ ー劇団シャイニング「エヴリィBuddy!」

オタクになってからというものの、いつでも何かしらの情報を待ってる気がします。新しい作品!新しいキャスト!新しいビジュアル!今待ってるのは配信のお知らせ。千秋楽を迎えてからもう10日経つのに、10月がもう終わってしまうというのに、まだ来ない。あると思うんだけど、ないのかなー……いや、あるはずだ。(と思ってたらさっきお知らせ来た!)

 

遅ればせながら劇団シャイニング『エヴリィBuddy!』千秋楽おめでとうございました。天候による影響は免れなかったものの、全13公演を終えられたこと本当に良かったです。改めて、誰にとっても当たり前にある公演というのはないんだなあ。全部大事に観ようと思いました、本当に。

以下、ネタバレを普通にしています。

前も書いたけど、すごく楽しい舞台でした。お芝居も殺陣も音楽もダンスも全部詰め。劇団シャイニングはいつも間違いのないものを見せてくれるなあという印象です。

捻らずど真ん中をいく物語は「楽しい」ことを妨げる何かにはならない。全部を見てるわけじゃないんだけど。

あと今回すごく感じたのが、キャストがみんな上手い!台詞回しやアクションにまったく不安がなくて、気をそがれることなく集中して観劇できたのがすごく良かった。主演の2人はもちろん劇シャイ初参加組もそれぞれ良くて、キャラクターが良いとか動きがいいとかに限らず、みんなお芝居が上手だった。

稽古の進みもとても早かったとのことです。椎名さんが配信で振り返りの話をされてたのですが、すごく良い現場だったみたいで何よりだなーと思いました。結局オタクなので推しが楽しいのが一番楽しいです。

私は原作未視聴ですが、ツイでの感想を読むと、原作になってるドラマCDを知ってると、より楽しめるところがちょいちょいあったようです。でも、私が慣れたのか単純に主人公キャラの少なさか、忍び道のときに少し感じた「プリンスたちのパーソナリティについて知らないと理解しにくいニュアンス」が今作では全然気にならなくて。あ、だけど翔ちゃんが双子という設定は知っていてよかった!

この双子設定や、カズキとショウの背格好が似てる話、バディの運命性とか必然性を感じられてとても好きでした。役者さんのファンだからなおさらにっこりしてしまう。

ずいぶん前に読んだ植田さんのインタビューで椎名さんのことをライバルと話していて(そこに限らずよく話されてることだけど)、それは2人は身長低い枠で被っているから、キャラで言ったら決して被ってないのに、小さい枠はだいたい1作品1人だからだと。そういう2人が今では身長に関係なく共演できていて、逆にその背格好ネタが物語の一要素としてさりげなく織り込まれるようになったんだと思うと、なんか、いいなー!!って。お互いに頑張ってきたよね。と、そのほんの一部しか知らない私でも、なんだかじんわり感動してしまう。

染谷さんは6月に「COCOON」で見たときも思ったけど、そこにいるだけで舞台が華やぐ感じがする。レイジのキャラクター、昼行灯のようで実は食えない奴というのすごく似合ってました。あと彼のアクションを久々に見たので、なんかすごい動いてるぞ…!とびっくりした。ガンアクションかっこよかったです。

ショウは後輩という立場がはっきりしてるせいか、忍び道よりわんこですごい可愛いキャラでした。まっすぐ!で主人公だなあというタイプ。あとアクション上手くなった??比較対象が忍び道になっちゃうけど、足があのときより上がってた!ような気がする!

レイジもショウもほんっとうに出ずっぱりで、その上アクションも多いからどれだけ大変だったろうと思うんですが、心配になってしまうようなことは一切なかったのでさすがです。ショウのほうが猪突猛進のようで、でも結局無茶するのはレイジというバランスが好きだったな。

ナカツガワとナオミチ、最高でしたね…特にナオミチ大好き。ナオミチの出番って主人公2人についで多かったように思うんだけど、笑わせてくれるし和みの存在でありつつアクションもしっかりこなす、すごく塩梅のいいサブキャラでした。ナカツガワ警部補は良い上司。そして足が長い!裏切らない窪寺さんを初めて見たかもしれない。

サイオンジ、とても良い唐橋さんでした。ただそこに立つだけで舞台の空気が変わる感じは圧倒的。アクの強い俳優さんなので、そのアクを打ち消してしまうような役は残念に感じてしまうんですが、さすが毛利さんは唐橋さんの使いどころをわかってる〜〜。ビジュアルといいキャラといい、唐橋さんだからこそという人物で大変眼福です。ロン毛!ヒゲ!マッド!あと御本人は、腰が悪いためアクションに関してはよぼよぼとしたつぶやきをしがちなのですが、まだまだ全然いけるということがわかったので次回刀ステでも、今後の最遊記歌劇伝でもぜひ頑張ってほしいところです。冗談はさておき、無理だけはせずほどほどに挑戦を続けてもらえたら…

クガヤマは、何よりあの1人劇場で場を保たせてたことに感心しきりです。しかも噛まない!えっすごいな。あの場面がなかったらいま一歩魅力に欠けるキャラになってしまったかもしれないのに、あの可愛げを見せられてしまったら、心から嫌いにはなれないし憎らしくも思えなくなる。

斎藤さんと阿瀬川さんは若手組という印象だったけど、年齢で言えば決して若すぎる人たちではなかった。20代だけど。年齢がすべてじゃないとはいえ、アラサー以上の役者のみなさんの安定感、ほんと心地よかったです。

そしてカズキとカズマなんですが。最高でしたね……かっこいい演技も悲しい演技も、良いところをたくさん見せてもらえました。カズキとカズマで全然違う。

いつ見ても蹴りが高いし速い。個人的にアクションシーンを終えて、ジャケットをシャッと直す仕草がたまらなかったです。カテコで出てくる前もやってたあれ。カテコで主人公たちに向けて両手をバッと広げるのも好き。なんでも好きか。好きです。

レイジとの日替わりシーンについて、先日の配信で詳しく話してくれました。私が見た中には好きなおでんの具を聞いた本人が答えで「おでん」と言っちゃう問題回もあったけど。本人的ベストは、好きな時間を聞いてそれぞれ3時と9時の答えで「背中合わせじゃん!さすがバディ!」と返したときとのこと。確かにそれ聞いたら思わず拍手してしまうかもしれない。収録日用に使ったという刺繍入りハンカチの実物を見せてくれたのが嬉しかったです。*1

演技で特に好きだなーと思ったのが、終盤カズマがショウとレイジに銃を向けるシーンです。あの場面は3人ともすごく良かった。カズマの涙が落ちるのがはっきり見えて、その表情がすごく幼くて頼りなさげで、カズキが見てきた弟のカズマの顔はこういう感じなのだろうなと思いました。もう一つは、撃たれたレイジが夢のようなどこかでカズキと再会するところ。カズキのときはだいぶ余裕がある声なんだよね、「レーイジーー」って呼びかける声が好きです。あと暗転の直前の笑顔!カズキはそれまでも笑ってはいたけど、そのときが一等賞の笑顔になるのが、なんか、なんか、……なんで劇シャイの推しくんは死んでしまうのか……一番好きな表情です。

でもレビューではそんな悲しい寂しい気持ちは横に置いて、一生懸命光る棒を振り回しました!楽しかった〜〜!2曲目が曲もダンスも特に好き。サビのとこの振り、すっごい可愛くない??

まとめると、ぴったり2時間の公演で、笑ったり悲しんだり、めいっぱい楽しむことができて幸せな気持ちにもなれたので、なんて素晴らしいんだ劇団シャイニング…!という感想です。

書いてる最中に配信のお知らせが出たのでこちらも。

 円盤とリリイベ楽しみだなー!半年先だけど!!

とても楽しい、良い舞台でした。 

*1:記念に衣装さんにもらったそう

映画のはなし ー『恋恋豆花』

東京では舞台が絶賛公演中ですが、椎名さん出演の映画が一足先に上映されるということで私はそちらを観てきました。正式な公開は来年なんだけど、京都国際映画祭の招待作品となったのです。

義理の母娘が台湾旅行に出掛け、美味しいものを食べて優しい人たちと出逢う。という、言葉にしてしまうとそれだけの内容。なんだけど、一晩経ってじわじわと好きだったな……という実感が湧いてきてるので聞いてほしい。

といっても上記の通り、未公開作品です。あまり詳しく書くのは適切ではないように思うので、ふんわりざっくりぼかしつつ。

椎名さんの役どころは主人公たちが台湾で出会うバックパッカー。世界中旅して回っているのにセンチで寂しがりやという、ちょっとよくわからない青年です。変な人、と主人公のなおちゃんも言ってたけど本当にその通りだと思う。(でもなおちゃんもまあまあ変な子だった)

だけど彼、すごくキラキラしてるんですよ…スクリーンにアップになるたび新鮮に「わあ」とびっくりするくらい。えっこれってファンの欲目かな??いや、そんなことはない。台湾の街中で撮影しているせいか、画面の解像度が低めの少しざらっとした映像なんですが、そんな中で清太郎くん(役名)は目がやけにぴかぴかと輝いていて肌がつるっとしているのです。キラキラだ……

そして、この寂しがりやのバックパッカーは映画の中に5パーセントくらいある恋愛要素の担当でもあります。5…いや3%かな……。全然主題ではない、ちょっとした出来事程度のあっさりラブなんですが、その描かれ方がまあ可愛くて。あらー、とにこにこしてしまう感じ。いや待つのかよ!と思ったけど、そこも含めてとても可愛い。

役柄と恋愛描写、両方の可愛らしさがあいまって、あっすごく好きだった、と夜になってからふと気がつきました。

それはそれとして、台湾の美味しいものや見どころがたくさん出てきて台湾行きたい〜〜となる、ほのぼの優しい映画でした。主演のモトーラさんは強い個性のある子だけど笑うと途端に可愛らしい印象。すごく魅力的です。私は豆花がとても食べたい。

新宿を皮切りに、関西や他の地方での上映もすでに決まっているようです。私も公開されたらまた観に行こうー!パンフレットを手に入れなくちゃ…

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舞台で恋愛描写のある役を演じる彼を見てみたいとは常々思っていたのですが、この映画でまたその気持を新たにしました。 円盤でなら1作だけ見たんだけど、今の彼でも。恋愛ものが好きというより、今まで見たことのないカテゴリーでの演技が見たい。

舞台、特に2.5や若手俳優わらわらの作品では縁遠いので、ないものねだりなんだろうなー。あっ直球のシェイクスピアも見てみたい。あのごてごてしたセリフきっと似合う。

結局なんでも見たい。