すとんと刺さる

ゆるいおたくのよしなしごと

幕が上がること ー劇団シャイニング「エヴリィBuddy!」

台風19号が過ぎ去ったあと、残された被害の大きさに愕然としています。本当に、本当に大変なことだ…早く日常が戻りますように。

関東では特に、たくさんのイベントが中止、延期になっていました。残念な思いをされた方は多かったと思います。

一方で大阪周辺は直撃は免れるルートだったため、上演された舞台作品も少なくあって、私もそんな中での開幕初日に行ってきました。台風の影響で来られない方には払い戻し対応とのこと。これは出来うる限りの誠実なやり方だったのじゃないかな。

中止や延期の対応にしても、絶対の正解なんてない中では、誠実であることが何よりではないかと思います。もちろんいろんな意見は出るのだろうけど。

当日の大阪梅田は、私が到着した頃には雨もほとんど止んでいて、天候に関しては台風の深刻さはそれほど感じられなかったです。ただ土曜の梅田にしては本当に人が少なかった…タピオカに人が並んでなかった。

 

さて、そうして観た舞台「劇団シャイニング『エブリィBuddy!』」。これがとーっても楽しかったです!とーーってもです。

もしかしたら客席の半分も埋まってないんじゃという心配は杞憂でしたが、ポコポコと目立つ程度に空席はあって、そこそこ前方席から見てもこうだったのだから、後方から、そして舞台上から見渡せば、もしかすると心もとなさを感じるくらいだったかもしれません。

それでも幕は上がる。実際には幕はなかったけど。推しくんがよく言うのですが、舞台に立てること、お芝居ができることは当たり前じゃない。そうできることに感謝しなくては、と。それは客席にいる自分にも当てはまることで、その場にいられる幸運にいつだって真摯に向き合いたいです。

東京公演は今日からなので物語の核心的なネタバレはしていませんが、以下、キャラクターのことなどには触れて書いています。

物語は単純明快で、言ってしまえばありきたり。わりと早い段階で展開が読めてしまうシンプルさですが、忍び道の感想でも書いたけれど、話のシンプルさって舞台を楽しむ上ではなんらマイナスではない。素直に笑ったり悲しんだり、舞台上で繰り広げられた物語を一緒に体験した感覚です。

あとこれは当然のようで決して当然ではないことだと思うんだけど、キャストの演技がみんな安定しててまったくのストレスフリーでした。

個人的にはサイオンジがビジュアルといいキャラといい、とても良い唐橋さんだったので私は嬉しいです。

主演の2人のバランスも良くて、どちらも「でしょうね」というキャラ設定というか、そんなコンビをもう150組くらい知っていそうな定番感はあるんだけど、そういうところも含めて好ましい。レイジのほうが無茶苦茶やってショウのほうが真っ当なところが良かったな。

ショウがすごく可愛かった!後輩という立場もあってかわんこ感があります。くつしたピンクだし。レイジは、これみんな好きになっちゃうやつでしょ!という感じ。

そしてカズキはかっこよかったです。知ってた。年齢相応な役を演じる彼を久々に見たような…あれ山崎さんはいくつなんだ…?個人的には「〜〜だね」「〜しな」という語尾が佐助を思い出させてひゅー↑↑とテンション上がっていました。

カズキとレイジはもっと大人な雰囲気のバディなのかと思ってたら、すごいキャッキャとした仲良しコンビだったので嬉しい驚きでした。可愛いよ〜。おおお…

あとこれは、キャストに合わせたのかその逆か、ショウとカズキの背格好が似てるという設定はレイジの心境を思うとたまらないものがありました。そりゃ思い出してしまうし、苛立ちも増すよね。これはエモです。こういうのがエモなんだと思います。カテコで小さめ2人がレイジの両隣にいるのもにこにこしてしまう。

武器を使った殺陣じゃない、間合い近めのアクションもみんなかっこよかったです。椎名さんの蹴りはいつ見ても速いし高い。

実は私、レビューパートのある舞台って初めてだったのです。でも思ってた以上にすごく楽しくて、購入したペンラを一生懸命振り回してました。ダンスと歌ってパワーがすごい。殺陣にも同じような感覚があるけど、問答無用でこちらを焚きつけるというか、落としてくるというか、簡単に夢中になってしまう。2曲めのダンスと歌詞が特に好きです。

トリプルカテコはスタオベでの出迎え。私は今日開けてくれてありがとうー!!という気持ちと、今日から始まった公演が素晴らしいものでありますようにというお祈りの気持ちで立ちました。あと普通にすっごく楽しかったので。本当はダブルのときにもう立ってしまいたかった。勇気がなかったけど…

 

劇場を出たとき、雨はもう降ってなかったけど街は閑散としていて、台風の実感が遠ざかっていたことに気が付きました。そういえば舞台の間はちらっとも考えなかったなあって。心が疲れていてもそれを忘れさせてくれる。そういう世界、エンターテイメントを作り上げてくれたキャスト、スタッフのみなさんに心からのお礼を言いたいです。

今日からの東京公演も誰かにとってのそういう時間になるんだろうなあ!

ここのこういう演技が最高…というオタクを極めた感想は、公演終了後に。いろいろ言いたいことがあるんだ。