すとんと刺さる

ゆるいおたくのよしなしごと

世界のはじまり

映画観たり刀ステのリリイベ行ったり映画観たりしてますが、今年の観劇初めは1月に済ませていました。

少年社中20周年記念のファイナルは21年目に向けての決意表明のような作品。今年をこの作品から始められて本当に良かったです。

トゥーランドット〜廃墟に眠る少年の夢〜』

以下、ネタバレも含む感想です。

 

実際に観る前から、東京公演を観劇した人たちの感想は見聞きしていたのです。そのだいたいがただ好評というのとはちょっと違う、熱っぽさを感じる語りだったので、どんなものかなと一歩引いた気持ちでいたというのが正直なところでした。なんだけど、観終わったら一歩引くどころか前のめりです。

うわああああーー!!という気持ち。楽しいーーー!!とか。

本当に、演劇を全身に浴びせられた気分でした。

「演劇で世界を変える」というキャッチコピーはまったくそのままで、メッセージというよりもっと直球、ドッヂボールかのごとくこちらを狙って投げ込まれる。喩えとかひねりとかなく向かってくるから、斜に構えて受け止める暇もないというか。相手があんまり素直だとこっちも素直になるしかないみたいな。

とにかく素直に単純に、演劇っていいな、すごく楽しいな、と思いました。

毎度のことですが、今回も衣装が好きです。カラフルで可愛かった!ピカレスクのように衣装の変化がキャラの内面に沿うという仕掛けはないけど、劇団員と政府側とでは質感から違ってることや、生駒ちゃんのマイナーチェンジも含めた衣装替えも、とにかく目が楽しかったです。個人的にはインコの色合いと、「高貴な女」のドレスのシルエットが特に好き。

わりと最初のほう、演劇とはこういうものという説明で、少年社中のこれまでを振り返るシーンですでに感極まって泣いていました。えりさんによる『ネバーランド』冒頭の台詞がもうだめ。生で観たことはないのにそれだけでストーリーが全部蘇ってくるようで、ほんと演劇ってすごいねえ…

ネバーランド』のターンは初演再演の2パターンがあって、そこで前作『機械城奇譚』終演後のトークショーを思い出しました。

初演の『機械城奇譚』で店長役だった小林至さんがゲストでした。小林さんは毛利さんの何代か上の劇研の先輩で、稽古場では「お前らの芝居は覇気のない新感線だ!」と劇団員のみなさんを叱っていたとか*1。その小林さんが、『ネバーランド』についてあれで少年社中の方向が決まったよね、というようなことをお話されていたのです。

みんな大好き、私も大好き『ネバーランド』だけど、社中さんにとっても特別な作品になってるのだろうなあ。みんな大好き靖子にゃんも『ネバーランド』が好きなんだって!

いろんな演出家やその手法に詳しくないからメタの部分は理解できてない部分も多かったと思うんだけど、ちょっと珍しいなって面白かったです。弱虫じゃない!のところでピークスパイダーを観ることができたのが棚ぼた過ぎて(ばばりょ巻ちゃんは円盤でしか知らなかったのです)大感謝でした。

馬場さんを舞台で見るの久々だったんだけど彼がかっこよかったことを思い出せました。そうだ、ばばりょはかっこいいんだった…細くて顔小さくて、舞台では存在感が薄れそうな感じなのに全然そんなことないんだよね。スタイルがいいとしみじみと思う。あとよく動く。 

そして中心の生駒ちゃんと松田くんがとってもいいバランスで、とにかく可愛かったです。はじめましての生駒ちゃんは、さすがアイドルという華やかさとセンター力でとても魅力的でした。声も表情もキラキラだった。端的に言うと、すごく可愛い。ダンスパートが多かったのは彼女が真ん中にいるからなのかなあ?一人で踊るシーンがあったけどそれだけで場が保つパワーがあった。

松田くんは「つむかも」以来。終盤の「演劇をやるために生まれてきたんだ」という台詞に圧倒されてしまいました。こんなびっくりするくらい真っ直ぐで力強い言葉、たとえ台詞であっても、どれだけの俳優が声に出して言うことができるだろう。

あと印象的だった、というかこれはずるい…と思ったのは鈴木さん。かっこいい。上演を知らせる声にはぞくぞくしました。

それと有澤さんは観るたび上手になってるように思います。彼もいい声だよね。

物語のあと、カラスは一体だれと演劇をやってくのだろう。とか、カラフの出生はつまりどういうことだったんだってばよ*2。とか、懸念や疑問はあるのだけど、演劇を浴びたことに関しては間違いなく、良いものを観たという感想です。

 

私にとって演劇との出会いは新しい世界のはじまり。今年もいろんな作品と出会えるといいなあ。

今回は『三人どころじゃない吉三』のDVDをゲットしました。『アマテラス』と迷ったのだけど、刀映画の影響は強かった…そちらの感想もまた書きたいです。

 

*1:すごく笑った

*2:父と母から生まれたんじゃなかったの?