すとんと刺さる

ゆるいおたくのよしなしごと

強くて弱い

イベント情報が更新されるたびに波立つ心を抑えるため半目になっていますが、「いや、でも推しは見たいじゃん?」と思い直してカッと目を見開き、結果「かわいい…かっこいい…すき…」と呟きながら血の涙を流す日々です。

悟りの境地ははるか遠い。

 

と、最近また別のことでも思っています。

先日ある舞台の新作が発表されて話題になってました。私はその作品には触れたことがないのでなんとも言えないのだけど、私のごく狭いTLでも嘆いている人は少なくなかったです。

ただ残念なことだなあと思い、そして改めて、自分の大好きな作品について考えました。

ペダステの話です。

初めて実際の舞台を観てから4年。ときどきはチケット戦争にもみくちゃにされながら、どうにかずっと観ることができてます。

舞台は体験とよく言うけど、私にとってペダステはまさにそれ。沿道の観客として、道端のたんぽぽかなにかとして、行われるレースを体験している。設置されたスロープを動かすことによって板の上の道はどこまでも広がり、光の演出によって風が吹き抜ける。そこを走る役者さんたちが流す汗の量におののく(人から聞いた話では、前方の席にはほんとに汗が飛んでくるらしい)。

弱虫ペダルはアニメよりも舞台化が先だった珍しい例だけど、最初のメディアミックスとしての舞台化に意味があるのだとしたら、それはこの汗なんじゃないかと思います。生身の人間が流す本物の汗や、本当に死ぬんじゃないかってくらいの運動量が、原作でいう『最後の一滴まで振り絞った戦い』とそのまま重なってる。

そのペダステが一つの大きな区切りを越えて、新しい展開を迎えた象徴的な出来事が主人公のキャスト変更でした。少なくとも私にとっては。

けれどマイナスな感情はまったくなくて、あったのはお疲れ様でしたという感謝の気持ちと、ここからまた新しい物語が始まるんだという期待感。そしてできあがった作品は、期待以上に本当に面白かった。

シリーズ8作目の「総北新世代、始動」が特に好きです。シリーズ中一、二を争うくらいかも。原作のエピソードを解して再構築してぎゅっと詰めた脚本の面白さも、キャスト陣の演技(今となっては推しと呼ぶ彼もいる)の素晴らしさも、とにかくすべて上手く組み合わさって大好きなのです。

約2時間半の物語を観終えて、ペダステ大好きだなあ好きで良かったなあ、とぐすぐすと泣いていたことを思い出します。カテコまで含めると3時間弱くらいになって休憩もなかったんだけど、そんなの全然苦にならなかった。

そしてこの気持ちはこれからもずっと続くに違いない、と思っていました。

もちろん今でも大好きです。観劇を終えて、最高だなあと座席で深く息を吐いたりするくらいに。

なのに今、その大好きな作品は、新作が発表されると嬉しいのと同時にキャスト変更に怯える作品でもあります。

ここでやっと悟りの話に戻ります。前置き長かったね。

シリーズが長く続いていれば、ある程度のキャスト変更は仕方のないこと。

なんだけど、あんまり何度も重なるとこんなにも疲れを感じるものなんだなあとちょっと呆然としてしまったのが現時点での最新作の発表時でした。そしてその疲労感が強くなったのが、これまで年2回あった公演が今年はもうないと知ったとき。いや、休めるんじゃん。

そりゃもちろんいろんな事情があって、素人の考えの及ばない難しいこともたくさんあるに決まってる。

けどね、けど。

だってそんなの知らないし!目に見える情報でしか判断できないし!一回休みって選択肢が今あったなら、なんでそれもっと早く判断してキャス変を最小限にできなかったの!ねえ!!

と、思ってしまいました。悟りほんと遠い。

とはいえ次回作の発表があったらやっぱり嬉しいし、キャス変があったらああああと嘆きながら、それでも観に行って、そして新しいキャストにも心からの拍手を送れるのでしょう。観て良かったなあとも思うんでしょう。

好きの気持ちは強くもあるけど弱くもある。

 

なんて書いているうちに、日付変わって今日はもう推しくんイベントの日です。わーいわーいおめでとうー!(真顔)

悟りは遠いけど、でも私にはこの前買った新しい円盤があるからだいじょうぶです。

だいじょうぶです。