すとんと刺さる

ゆるいおたくのよしなしごと

つれづれなる

舞台上で推しが死ぬ姿を見たことがある人、少なくないと思うんですが、私自身は、推します!と思ってからはまだ見たことがありません。でもそれ以前の舞台では何度か、去年だけでも2回見ました。1回はifストーリー的な設定ではあったけど。

舞台の上での死って、よほどの犬死にでもない限りそのキャラクターの見せ場でもあるし、だいたいの場合カテコで元気に挨拶してくれるので、安心して楽しめてしまいます。彼の痛い演技や死ぬ演技が好きです。というと語弊があるけど、前回にも書いた必死な声、切な声が好きの延長なのだと思う。役者仲間にさえ声でけぇと言われる彼の、振り絞った声(という演技)には特別感がある気がする。でも「天下無敵の忍び道」の勢いのある死も好きだよ…あれは誰より演じる彼が楽しそう。

ともかく、そういう演技をすごく上手いなーと思ってるので去年の2回はいいもの見たくらいの気持ちだったんですが、来月の舞台で推しを推しと認識して初めて彼が死ぬ姿を目の当たりにすることになりそうで、それはちょっとドキドキしています。去年の同じ頃、山崎さんを抱きかかえた土方さんの口が「やまざき」と動いたのをオペラで見てわっと泣いてしまったので、来月もオペラグラスは忘れないようにしよう。

 

こうして来月の舞台を楽しみにしてる反面、刀ステの新キャストが発表されて鬱々とした気持ちにもなっています。

なにあれ。

なにあれ。

もういろんなところでいろんな人が言ってるから言わないけど、でもなにあれ!!

私はもちろん兵庫公演に狙いを定めて毎日毎夜1000回の素振り(概念)を欠かさずすることにしましたが、神さまにも祈ってます。チケット取れますように!!

あと神戸アイアとやらの座席数がオリエンタル劇場時代より増えますように…でも椅子はオリエンタルのそのままでいい…でも増えて…あと座席表示は普通に前からA〜にしてね…

 

椎名さんの本が出ました。

B5変形版厚さ2.8センチ(私調べ)の立派な本です。9年間のブログ記事が全部じゃないけど収録されていて、仲間の俳優さんたちの写真なども一緒に載っています。たくさん。

9年間、彼はたくさんの仕事をしてきて、たくさんの人と出会ってる。私が触れられたのはその中のごく一部だけれど、今現在の彼を作っているのはその積み重ねた年月でもあるのだから、それは決して私の知らない9年間ではないんだなあ。と、思いながら大事にページをめくっています。当然彼の周辺に限ったことですが、時代の変化というか2.5舞台界隈(というか若手俳優、私たちが応援する俳優たちの界隈)の変化も見れるようで、その意味でもすごく面白いです。

買って!!!ね!!!!!(力いっぱいのダイレクトマーケティング

 

リターンオブ ー舞台「K Return Of Kings」

毎年この時期になると鼻水が止まらなくて喉も痛くなります。季節の変わり目に風邪は付きものですよねと自分に言い聞かせて数年。もしかしてこれは花粉症なのでは…?と、ふいに気付きを得たので、とりあえず市販薬を飲んで観劇に臨みました。

舞台「K Return Of Kings

Kステを観るのはシリーズ1作目以来。キャストのほとんどが変わり、また内容もアニメ2期からということで、初めて観るのと同じ気持ちです。

予習のために原作のアニメを初めてきちんと観ました。何がなんだかわからないものはわからないものとして、キャラクターとその人間関係はすごくいいなあと思いました。

 

以下、演出のネタバレなど含む感想です。

 

白い板がすごい。アンサンブルのみなさんが動かすパネルも使ったプロジェクションマッピングがとにかくすごかったです。背景だけじゃなく効果にもなったりして。観劇デビューから長らく西田さん(だいすけのほう)とか西田さん(シャのつくほう)に親しんできたので映像を多用する舞台にはいまいち慣れないんですが、すごく凝っていたのでただただ感心でした。綺麗だった。画面酔いのようなものを感じるときもあったけど、でもそういうアトラクションの中にいるようで楽しかったです。照明の使われ方も印象的でとても良かった。

アンサンブルの方々が本当に大活躍で、この板を動かしたり、セプター4になったり吠舞羅になったりJungleのランカーになったり、8人しかいないのにその倍はいるようなお仕事っぷりでした。

そういう映像での演出部分も含め、ストーリーはアニメをものすごく忠実に立体化してるなあという印象。忠実な分、これだけ見てもわかるという作品ではなかったかも。出てない人の名前もバンバン出てくるし…写真や回想イメージは、個人的には唐突に感じてしまったけど、これはKステファンへのボーナスかなー。

確か1作目もここで!?という終わり方をしてましたが、今回もまた同じように途中で終わってしまいました。尺を考えるとまあそうなるよね。

全体的に、既存のファンへ向けて作られた作品だと感じました。メインキャラのキャス変に伴い、初めて観るひと向けに説明台詞を増やしたりこれまでを振り返る場面を入れる案は当然あったでしょうに、そうしなかったのは、これは前作から繋がってきている作品だよという意思表示なのかも。前作が本当に大変だったことは私でも知っていて、佐々木のヒデくんが元気に刀を振り回してる姿にじんわり来たくらいだから、当時を見守っていた方ならなおさらでしょう。そういう人たちに向けて、帰ってきたよという作品にしたのなら、それはそれでいいのだと思う。

改めて、続けることの難しさについて考えさせられます。続くことと変わることは切り離せないのかな。難しいんだろうな。

でも変わってしまったものを惜しむことと、変わったものを楽しむことは、同時にできることだとも思うのです。

 

初めて見る役者さんも多かったのですが、特にスクナ役とまんくんとアンナ役桑江さんにびっくりでした。とまんくんはごはんちゃんと食べてるのか心配になる細さで、あの華奢さは本当に少年(ローティーン寄り)に見える。すごい。お芝居も小生意気さと可愛げが仲良く同居していてとても良かったです。桑江さんは小さい!かわいい!あの小柄な体型は貴重だわ、と何目線かわからない感想を抱いてしまいました。小柄だけど動ける人なんだろうなあ、他の役でも観てみたいです。

八田ちゃんと伏見は元気良かった。美咲は常に台詞のフォント1.5倍な感じで大好きだし、猿比古も元気よくダレてる(?)っていうか…漫画みたいにポカスカ喧嘩しそうな2人っていうか…

美咲の武器の扱いはさすがでした。重そうなもの(に見える演技をしつつ)を重くなさそうに振り回す(という演技をしてる)の最高。あと私は彼の必死な声が大好きなので、今作でも聞けて嬉しいです。*1

白米党の3人はすごく可愛かったです。ネコがあれだけ際どい服を着てくっついていくのに、全然恋愛を感じない関係なのとても好き。クロシロネコがほぼ横並びの身長なのもまた可愛い。ネコちゃん可愛かったなー。すぐ横を通り過ぎたとき、バニラの香りがしました。それとシロの声がすごくいい。

御芍神は圧倒的だった。とても強くてとても美しい。つくづく替えのきかないとびきりの個性を持つ人だと思いました。 Jungleのバランスもとっても良かったです。

あとは室長スタイルお化けとかデカ子が好きとかいろいろあるけど、やっぱり佐々木さんに帰結してしまうな…千秋楽のカテコで紫の決め台詞を言ってくれて、ものすごく応援してきたわけでもないのに、彼の姿がまた舞台で見られて嬉しいと心から思いました。

そして公演が始まるまでに何度も「大切に演じたい」と言っていた推しくんが、引き継いだ役を最後まで何事もなく演じきってくれて良かった。

 

千秋楽の翌日からはもう次の薄ミュの稽古ですって。忙しい!これもまた繋がれてきた物語です。そしてその次には自分たちで繋いできた最遊記がある。

2.5舞台ならではの、変化と変わらないものを見られる幸運を、楽しみたいです。

 

*1:和泉さんが切なボイスと仰っていて、わかるー!という気持ち

それは私に向けてではない

昨日、はてブロさんからブログ開設して半年だよーという連絡が届きました。やったね!私!

書きたいことがあったときだけ書くというゆるさですが、お付き合いくださってありがとうございます。スター付けていただくたびに跳んで喜んでいます。

お題など募集してみたい気持ちもありますが(以前に流行ったらしい人様の推しについて語るというのに参加してみたかった)、お題でも応援でも感想その他いろいろでも、なにかありましたらマシュマロとかなんでもご利用いただけたら嬉しいです。

 

ブログに舞台の感想など書くようになって、批評と感想、ラブレターと悪口についてときどき考えます。

私は舞台を鑑賞するプロではないし、深い知識があるわけでもないので書いている文章はただの感想にしかなりません。ときどき感情がほとばしり過ぎて夜中に書いた手紙のようになってることがあっても、それ以上でも以下でもない。

興味を持ってくれたら嬉しいなーという、あわよくばな気持ちのときもあるけど、宣伝と言えるほどの冷静さはだいたいないし…

そういう単なる感想ではありますが、「not for me」の精神は常に当然のものとして持っていたい。と、思っています。

私が書けるのは感想で批評ではないので、批判はともするとただの悪口になってしまう。批判と悪口の違いは、公正な視線であるか否かだと思います。運営のされ方とか衣装とか、そういう誰の目にもはっきり見えるものへは批判できても、物語については、少なくとも私には、好きか嫌いか、自分が楽しめたかそうでないかでしか語ることができないと思う。

そして嫌いだった、楽しめなかったとき、私はその作品は自分向けじゃなかったのだと諦められるようでいたい。「私向けじゃない」作品なんてたくさんあって、それは好きな役者がいようと変わらなかったりして、そういうときは本当に、ものすごく残念です。だからって、その作品を怒ったり馬鹿にするのは、それで気が晴れるという人以外にはなんのいい結果ももたらさないと思うのです。私向けじゃない作品だから駄作かというと、そんなわけはもちろんないのだから。まあ、楽しみにしてた作品が合わなかったらすごく悲しくなるけど。それはそうに決まってるけど。

それでも「not for me」と言い聞かせたら、なら仕方ないとちょっと上を向ける気がします。上というか、次に向く。

もちろん、楽しめるのが一番なんだけどね。

 

次の観劇は再来週です。まだ少し先。楽しいといいなあ!

たぶんきっと楽しいと思います。

 

はじめての接触ダン

行ってきました個人イベント。1日だけですが、1部2部とも参加できて本当に良かったです。すっごく楽しかった!

今月は悲伝リリイベと鯛フェス、素の状態の彼をじかに見る機会が2回もあってひどく贅沢をした気分。舞台をみたときとはまた違う充足感で、しみじみと、私は彼のファンなんだなあと思いました。

そういうわけで、はじめての接触も終わりました。ダン。Done.

なんかもう大変でした。心が。結論を言うと、全然だめです!

1回戦。わあ〜〜とまじまじと顔を眺めてしまって、自分からは言葉を発せず。

2回戦。ペッパーくん並みの棒読みで「今日は一日とても楽しかったです」と言えました。作文か。

改めて書いてみるとほんとだめだな!!だけどこの数日で一人反省会は済ませたので、今はとにかく楽しかったなーという気持ちだけ残っています。思い出してはうわっと自分にどん引くけど、過ぎたことを言っても仕方ないので次に活かそうね。

ちなみにメイクはいつもより気持ちきらっとさせて、服はパンツとスウェットのどカジュアルでした。

イベントはお客さんからの質問に答えるコーナー、チェキ権がもらえるゲーム、そしてメインがエチュードという構成でした。チェキはもちろん当たらなかったけど、写真に関してはメンタル明治時代なので*1、それで良かったのだと思います。

さてエチュード。これがとっても面白かった!

あるキーワードを一方(と観客)だけが知った状態でエチュードを始め、もう一方にそれを言わせるようリードする。相手がキーワードに気付いて言ったら終了という形。前回はシチュエーションもお題に含まれていたけど、今回はシチュは自由でその代わりエチュード中にSEが入るようになっていました。手慣れた沖野さんと初心者中尾くんというゲストのバランスもあってか、思いもよらないほうへ向かっていくので、そのたび観客席からも「えー」とか「あぁ!」とか声が上がったり。それにしてもプロの役者の対応力や反応の速さはすごい。推しくんが答えに気付いたときには、ピコンと頭のランプが点灯するのが見える気がしました。即座に演技に反映させる。

特に好きだったのはキーワード「ごはんですよー」のとき。仕掛けるのは中尾くん一人で、受け手が椎名さんと沖野さん。椎名さんはわりと早い段階で気付いたようで「今日は俺作るわ」とキッチンに立つ、という演技をしていました。ただし中尾くんは台詞というより商品名として受け止めてた?のかな??なかなか噛み合わなかったのだけど。

あと「焼きそばパン売り切れてた」というキーワードでバイクのエンジン音のSEが入ったとき、「東高の奴らだ!」「カチコミに来やがった!(←推しくん)」と騒然としたのが個人的に面白かったです。カチコミて。

刀ステ虚伝の初演か再演かも忘れてしまったんですが、誰かが舞台上に落としてそのままになってしまった刀かなにかを、その後出てきた不動くんがごく自然な動作(ちぇーっと地面を蹴るような)で舞台袖にはけさせたのを見たことがあります。そのときの私はさすがーとちょっと感心しただけでしたが、観てる側が想像する以上に、板の上の彼らは常に、どうとでも動けるよう神経を研ぎ澄ませてるんだろうなあ。

握手会まで終えたあとの最後の挨拶がとっても素敵でした。

握手してるときのみなさんとっても良い笑顔でしたよ。その笑顔があれば、嫌なことや辛い目にも合わないと思う。だから笑顔でいてもらえるよう自分は頑張るし、みんなも仕事や学校頑張って。たとえ一瞬のことでも、せっかく応援してくれたんだからそれを後悔させないような役者でいたいです。

すでに記憶もあやふやですが、こんなふうなことを仰っていました。

個人としてはもうひどい有様ではあったんだけど、来て良かったと心から思ったし、また何度でも参加したいと思いました。

私が彼のファンであることは私のため以外の何ものでもなく、彼のためにしていることはなんにもないのだけど、それでもこうして目に見えるファンが彼にとって励みのひとつになるなら、私たち、もしやウィンウィンの関係なのでは…?

まあウィンウィンでもなんでも、彼についていったらきっとたくさん楽しいことがあるんだろうって信じています。その思いを新たにしたイベントでした。

 

しかし前回の記事で書いた、せめて人の言葉を話したいという目標は達成できてない気がするよ…なにせペッパーくんですし……

励ましやアドバイス、その他なんでもありましたら!

mmmにマシュマロを投げる | マシュマロ

あ、あと3月20日に椎名さんの本が発売されます!!約8年間、ここ5年くらいは毎日書いていたブログの書籍化です。待望の!書籍化!!

よろしくお願いします!!

 

*1:いつも魂抜けた顔で写ってる

はじめての接触アゲイン

週末に個人イベントがあるのです。前回は握手会なんて初めてどうしよ〜というそわそわがただの勇み足で終わったけれど(チケット取れなくて…)、今度はちゃんとチケット持ってます。昨日発券してきたし。なので改めて、どうしよ〜とそわそわしています。アゲイン。

今までいちばん近くに寄ったのは、お見送りがあったとき。

そこそこ狭い通路の壁際に出演者の方々が並び、その前を会場から出た観客が通り過ぎて最後(推しくんだ!)まで行ったらまたUターンしてそのフロアから脱出するという形でした。推しくん1メートル圏内にいた。

なんですが、私のチェック不足で当日知ったことだったので心の準備も何もなく、緊張しすぎて彼の前を通り過ぎるより先に引き返してしまったという、今となっては反省しきりの思い出です。といってもそのときは、顔小さい!とか肌ぴかぴか!とか髪さらさら!とか、テンション高く楽しかったんだけど。せめてお礼をきちんと伝えるべきでした。でもお見送りって声をかけてもいいもの?ありがとうくらいは言って大丈夫?次があるなら「お見送り され方」で検索してから挑みたい。それにしてもほんとに顔小さかった。

で、今はあるかわからないお見送りより、もう決まってる握手です。

せめて人の言葉で接したいのでイメトレはもうずっとしてるのですが、その他大事なことってなんだろう。服選び?メイク?

服は自分の気に入ってるのを着ていきます。メイクはそもそも下手なので無茶はしない。関係ない話ですが、アイライン下手くそすぎる選手権があったら7位入賞できそうなくらい下手なのでいつもぼんやりした顔をしています。あとは…なんだろう。握手したとき推しくんが冷てっとならないように待ってる間グッパーしておいたらいいかな。

本音を言うと、イベントだけ楽しんで遠くからありがとーと手を振る程度が自分にはちょうどいいなーと思っています。でも握手会がついてくるっていうならそりゃやっぱり参加したいじゃん!というミーハー心も捨てきれず、だからどうしよどうしよと言いながらこうして悩んでるんだけど。

はじめてがたくさんあって大変だなー困るなー!というのはきっと嬉しい悩み。

とりあえず、目も当てられないという結果にだけはならないよう、せめて心を落ち着けていこうと思います。挨拶とお礼が言えたらもうそれでいい…あ、手紙も書いていこうね。

 

世界のはじまりー『トゥーランドット〜廃墟に眠る少年の夢〜』

映画観たり刀ステのリリイベ行ったり映画観たりしてますが、今年の観劇初めは1月に済ませていました。

少年社中20周年記念のファイナルは21年目に向けての決意表明のような作品。今年をこの作品から始められて本当に良かったです。

トゥーランドット〜廃墟に眠る少年の夢〜』

以下、ネタバレも含む感想です。

 

実際に観る前から、東京公演を観劇した人たちの感想は見聞きしていたのです。そのだいたいがただ好評というのとはちょっと違う、熱っぽさを感じる語りだったので、どんなものかなと一歩引いた気持ちでいたというのが正直なところでした。なんだけど、観終わったら一歩引くどころか前のめりです。

うわああああーー!!という気持ち。楽しいーーー!!とか。

本当に、演劇を全身に浴びせられた気分でした。

「演劇で世界を変える」というキャッチコピーはまったくそのままで、メッセージというよりもっと直球、ドッヂボールかのごとくこちらを狙って投げ込まれる。喩えとかひねりとかなく向かってくるから、斜に構えて受け止める暇もないというか。相手があんまり素直だとこっちも素直になるしかないみたいな。

とにかく素直に単純に、演劇っていいな、すごく楽しいな、と思いました。

毎度のことですが、今回も衣装が好きです。カラフルで可愛かった!ピカレスクのように衣装の変化がキャラの内面に沿うという仕掛けはないけど、劇団員と政府側とでは質感から違ってることや、生駒ちゃんのマイナーチェンジも含めた衣装替えも、とにかく目が楽しかったです。個人的にはインコの色合いと、「高貴な女」のドレスのシルエットが特に好き。

わりと最初のほう、演劇とはこういうものという説明で、少年社中のこれまでを振り返るシーンですでに感極まって泣いていました。えりさんによる『ネバーランド』冒頭の台詞がもうだめ。生で観たことはないのにそれだけでストーリーが全部蘇ってくるようで、ほんと演劇ってすごいねえ…

ネバーランド』のターンは初演再演の2パターンがあって、そこで前作『機械城奇譚』終演後のトークショーを思い出しました。

初演の『機械城奇譚』で店長役だった小林至さんがゲストでした。小林さんは毛利さんの何代か上の劇研の先輩で、稽古場では「お前らの芝居は覇気のない新感線だ!」と劇団員のみなさんを叱っていたとか*1。その小林さんが、『ネバーランド』についてあれで少年社中の方向が決まったよね、というようなことをお話されていたのです。

みんな大好き、私も大好き『ネバーランド』だけど、社中さんにとっても特別な作品になってるのだろうなあ。みんな大好き靖子にゃんも『ネバーランド』が好きなんだって!

いろんな演出家やその手法に詳しくないからメタの部分は理解できてない部分も多かったと思うんだけど、ちょっと珍しいなって面白かったです。弱虫じゃない!のところでピークスパイダーを観ることができたのが棚ぼた過ぎて(ばばりょ巻ちゃんは円盤でしか知らなかったのです)大感謝でした。

馬場さんを舞台で見るの久々だったんだけど彼がかっこよかったことを思い出せました。そうだ、ばばりょはかっこいいんだった…細くて顔小さくて、舞台では存在感が薄れそうな感じなのに全然そんなことないんだよね。スタイルがいいとしみじみと思う。あとよく動く。 

そして中心の生駒ちゃんと松田くんがとってもいいバランスで、とにかく可愛かったです。はじめましての生駒ちゃんは、さすがアイドルという華やかさとセンター力でとても魅力的でした。声も表情もキラキラだった。端的に言うと、すごく可愛い。ダンスパートが多かったのは彼女が真ん中にいるからなのかなあ?一人で踊るシーンがあったけどそれだけで場が保つパワーがあった。

松田くんは「つむかも」以来。終盤の「演劇をやるために生まれてきたんだ」という台詞に圧倒されてしまいました。こんなびっくりするくらい真っ直ぐで力強い言葉、たとえ台詞であっても、どれだけの俳優が声に出して言うことができるだろう。

あと印象的だった、というかこれはずるい…と思ったのは鈴木さん。かっこいい。上演を知らせる声にはぞくぞくしました。

それと有澤さんは観るたび上手になってるように思います。彼もいい声だよね。

物語のあと、カラスは一体だれと演劇をやってくのだろう。とか、カラフの出生はつまりどういうことだったんだってばよ*2。とか、懸念や疑問はあるのだけど、演劇を浴びたことに関しては間違いなく、良いものを観たという感想です。

 

私にとって演劇との出会いは新しい世界のはじまり。今年もいろんな作品と出会えるといいなあ。

今回は『三人どころじゃない吉三』のDVDをゲットしました。『アマテラス』と迷ったのだけど、刀映画の影響は強かった…そちらの感想もまた書きたいです。

 

*1:すごく笑った

*2:父と母から生まれたんじゃなかったの?

映画刀剣乱舞をみたよ(ネタバレあり)その2

各種メディアミックスどころか原作ゲームにも触れていない人からも「映画を観たよ」という声がたくさん聞こえてきて、改めて映画強い、と感動しています。

だよねぇ!映画化ってそういうことなんだよね……すごいな。

2.5次元にまったく興味がない友だちもわざわざ観たよ〜と知らせてくれて嬉しかったです。推しくんも褒めてくれてより嬉しい。

前回書ききれなかったキャラについてです。その後また映画館に行ったりシナリオやオフィシャル本などを読んだので前の感想から見方が変わったところもあるかもしれないけど、とりあえず脳直で書いていこうと思います。

 

・三日月

映画を観てまず出てきた感想は「面白かった」なんだけど、それと同時に三日月〜〜!と、ハンカチを握りしめながら、なんだか泣きたいような気持ちにもなっていました。三日月〜〜!じゃなくて、すずきひろき〜〜〜!!かもしれない。

もちろん刀ステを観てきた私たちは鈴木拡樹がどれだけ素晴らしい俳優かなんて知ってるじゃないですか。彼が舞台ではどういう風に三日月宗近を演じていたかも。なんだけど、それを踏まえたうえで改めて、美しく格好良く説得力のある三日月が圧倒的センターとしてスクリーンの中にいたものだから、最後大画面にトップで出た名前をもう拝むよね…。

強くて優しくて表情豊かな美しい刀でした。

目の演技が繊細で好きです。特に安土城で、秀吉の兵に気付いたときから真相を話し始めるあたりの視線の冷たさが、いかにも人じゃない感じですごい。

映画の三日月はみんなに助けさせてくれる三日月で良かったです。まんばちゃんはじめ他の刀も文句が言える…うぅっひでん……

ものすごくどうでもいいけど、最後刀を納めたところで「これにて一件落着」とアテレコしたくなります。

・山姥切

三日月に物申せるまんばちゃん!!

映画が原作を知らない人にも受け入れられてるのは、焦点を三日月に絞ってまんばちゃんの「写し」発言や不動くんの「ダメ刀」を削ったことも大きいんじゃないかなあ?こじらせてない彼はひたすらクールでかっこ良かったです。私は彼がこの本丸の初期刀であることになんの疑問も持たなかったけど、そうじゃなくても古参の刀なのは間違いないんだろうね。三日月だけじゃなく、薬研や長谷部にもフォローを入れる全般的にデキる刀だった…そして画面に大写しになるたび顔がいいな…??と思いました。金髪碧眼が似合うって王子様かな??

あと居合!あれすごくかっこよかった〜。舞台と同じく鞘を使った二刀流もどきだったのも嬉しかったです。

・薬研

みんな言ってることを私も繰り返しますが、顔が…いい…!!!あと白い。足も白い。顔面の強さとか太ももに目を奪われがちですが、物語のキーマンとしての活躍にも大満足です。顔がいいからというのは置いといて、無銘くんと刀を合わせたときとか、無銘くんに邪魔されたときとか、ああいう表情の変化が好き。

原作でも過去にはこだわっていない薬研の、光秀に対する感情を聞くことができたのが嬉しかったです。すとんと落ちた、という言葉は彼らしくてとてもいい。

殺陣すっごいかっこよかった!一番動いてた印象です。壁駆け上ったり他の刀またいで跳んだり…対薙刀が特に印象的でした。刀で受けて倒し、そのまま刃を滑らせ仕留める、みたいな。

まんばちゃん骨喰くんとの水辺のシーンはなんのサービスかと思った…やけに光が白くて少女漫画の世界だった。手袋は絶対外さないけどネクタイは緩めるの最高です。

・長谷部

長谷部、おまえほんっといい奴だな…!!

と、映画見るたび思います。真面目で律儀でなんだかんだ甘さもある。シリアスからギャグシーンまで全部請け負えるし…一番かっこいい場面かっ攫ってくし…長谷部ってさじ加減によって嫌な奴にも見えてしまうと思うんだけど、そこは脚本と、あと和田くんのパーソナリティが透けて見えるのか、そちら側には振り切らない。

燃える安土城を見上げる顔、すごく良かったなあ。本能寺では織田の刀三振りがそれぞれ違う表情を見せていて、ここでも薬研と長谷部とで信長への愛惜というか追惜というか、同じではないのが印象的でした。

それにしても長谷部はほんっといい役だしそれも納得のいい奴だった。

日本号

かっこいい。状況が状況なら、私は日本号うちわを振っていた。

脚本の小林さんのインタビューなどを読むと三日月は鈴木さんが演じることを念頭に置いた上で書かれたようですが、日本号もあて書きだったのではないかなあと推測しています。岩永さんの個性がより強く出た日本号だったと思うので。

主に長谷部のフォローが目立ったけれど、それ以外にも、映画本丸(というか今回の出陣部隊の)バランサーとして不動くんのフォローをしたり、偶然聞いた会話から三日月の心情を慮ったり(でも情に流されすぎてはいない)とお兄さんのようでした。不動くんに俺も飲むぜーと声をかけたのは、シナリオによると不動に気を使ってのことだったので、ありがとうという気持ち。勝手に。

あとはもう…かっこいいな……

・骨喰

舞台と合わせると3人いる骨喰くんですが、それぞれ作品にぴったりのキャストで映画もすごく良かったです。ふわっ…としてる。顕現したて、そして記憶がないという白にさらに白をかけた真っ白な骨喰くんでした。CMでもキーワードにようになっていた「歴史は変えてはいけないものなのか」というセリフ、なんの含みもなく本当にただ疑問を口にしただけという感じで、彼ならではだったなあと思います。好奇心旺盛で実際にやってみる骨喰くんなのも良かった。

三日月に向かってにこっとするところ、まあ可愛かったです。

・不動

不動くんに関しては、本能寺から始まり、最後の満点の笑顔まで、見せる表情のひとつひとつから受け取れるものが多すぎて、出番少なめと言われてもピンとこないくらいずっと考えています。よく変わる表情と一緒に、切なくなったり悲しくなったり緊張したり嬉しくなってる。やっぱり好きだなあ。

その後何度か観て、不動は本能寺での顛末は知っているという結論になりました。私の中で。三日月に言い含められたとき、燃える本能寺を見つめる顔、信長が生きていると聞いて話し合いをしている場で視線がそれていること。そういういろいろが、そうなのだと言っているように思えてきます。正解はわからないんだけどね。

それとこれはまったくの想像なんですが、三日月と(あと日本号と)同じように、不動もある程度椎名さんをイメージして書かれているかもしれないと考えてます。というのも、以前にステージナタリーの少年社中特集ページに小林さんがコメントを寄せていて、社中の一番好きな作品として「ネバーランド」を挙げてるから。あの無邪気で残酷で不安定な少年を演じた印象を不動くんにも託した…は言いすぎだけど、脚本に一定の信頼を感じられる気がしてます。気が。

そういえば映画不動くんはポニテを上下2つにわけて結んでることに気が付いて面白かったです。ごろんとするシーンでわかる。

・鶯丸

なんで鶯丸?という疑問に全部答えをくれた鶯丸だった。三日月と同じ、もしかするともう少し古くからあるかもしれない刀で、留守番ができる刀(鶴丸はできない刀)。

三日月が腕一本で大太刀を止めていたけど、きっとこの鶯丸もそれができる…。あまりがっちりと切り結ぶタイプの殺陣ではなかったのも余計に余裕を感じられました。まんばちゃんといい、この鶯丸といい、ああいう絶対強い古参刀というのがいる本丸で良かったなあ。だから三日月を助けられた。

本丸が攻められたとき、何を言うよりも早く時間遡行軍を斬ったのに興奮しました。このうぐぴ、強ぇぞ!ゲームの台詞が誰よりもかっこよく決まってたな…

 

三日月が鶯丸に言った「俺なのだ」は、その1に書いた【本能寺の変で刀剣男士が守るべき歴史は、歴史上における信長の消息は本能寺で途絶えたというところまでなのだと思う。なぜかって信長の遺体は見つかってないのだから。信長が奥の間にいる状態で本能寺が焼け落ちれば、そこで歴史上から彼の存在が消えれば、それで任務完了で良かった。】の主語を変えればいいのかもしれない。

三日月が【】の中のように考えていて、だから奥の間に信長を進ませ、そこにいた時間遡行軍を片付ければあとは三日月の知る歴史通り(蘭丸が信長を逃がす)進むだろうということで本丸に戻ってしまった。その結果――、ということだから。かなあ?

ということを考えつつまた映画観よう。

 

公開終了の日も迫ってきたようでドキドキしますが、手元にはまだムビチケがあるので3週目もできるだけ観に行きたいです。円盤今から待ち遠しいけど映画館での公開もずっと続いてほしいなー!

まだこれから書きたいことも出てくると思うんだけど、一旦ここで終わりにします。