すとんと刺さる

ゆるいおたくのよしなしごと

いろいろあった

勢いよく買った円盤を、勢いよく観ています。

この場合の勢いとは次々に新しいのを観ていくのではなく、ひとつ観たら迷うことなく最初に戻ってもう一回再生することを言ってます。

特にバクステ。バクステ大好き。

 彼は舞台の役者さんたちの中でも声がよく通る方なので(すき)、最後の全員で揃って言う挨拶でもわかりやすく聞き分けられるのです。そういうのを繰り返し見ては楽しんでます。好きだからわかるというより、ただそれくらい声が大きいってだけだと思うんだけど。

他の人に確認したことがないので実際のところどうなのかはわかりません。どうだろう?

ちなみに舞台のことや俳優さんたちについて話せる相手が本当にいないので、だからブログを始めました。

 

ところでいろいろありました。

前々からお知らせはされてましたが長年続いていたブログの閉鎖、新しいお仕事など。

ブログは彼にこんなにはまってしまう前から頻繁にチェックしていたし、ツイッターがほぼブログ更新botなことも知っていて、春以降はもちろん毎晩そのお知らせを楽しみにしていたので3日経った今、ものすごく寂しいです。

共演者の紹介とか、出演作品の振り返りとか、飾らないけど真っ直ぐな言葉で綴られる文章が本当に大好きでした。

まだ年内は読めるかも?ということなので、残された時間で彼の8年間をまたしっかりと拝読しようと思います。

ああ~~~でも寂しいなーー!!

そしてまた一つ寂しいというか残念なことに、彼の個人イベントのチケット抽選にもれてしまってすごく悲しい……どうも地方は激戦だったようです。

日程的に東京まで出かけるのが難しいので、一般で取れたらいいのだけど。

 

こういうとき、東京に住みたいと思ってしまう自分が嫌です。というか、すごいかっこ悪いなーと思う。

自分がそうしないだけって話ですからね。できる範囲で応援するというのも自分で選んでそうしてることです。わかってることを悔しがって、それをまた後悔して、そしてそういうの吐き出して、全部ひっくるめてもうーーーってなる。

もともと、この俳優さんのここが好きなんです、というのをとにかく誰かに話したくて始めたブログなので、なるべく自分にとって楽しいことばかり書いていたい。

でもときどきやっぱり自分のために、足元の小石蹴る程度にちぇっということを書いてしまうかもしれません。

 

でも今週は夏ぶりの彼の舞台だ!ひさびさ!すごく珍しいことに自引きチケットがプレミアムらしいプレミアム席なので楽しみも倍増です。

お手紙書きたい。初めての。

 

わたしと少年

劇団少年社中についてというより、「少年社中さんと私」という文章です。

劇団については、今年20周年ということでナタリーでの特集記事が詳しく読み応えもあって楽しいので、未読でしたらぜひ読んでみてください。

natalie.mu

社中ファンど新規な私は、こちらを読みつつ、次は何を観ようかなーとうきうき考えてます。

 

最初に観たのは「ネバーランド」(2014)でした。きっかけはもちろん推しくん!

彼の代表作としてよくあがる作品です。これが本っっ当に素晴らしくて。私の好きは今後もたくさん増えるだろうけど、「ネバーランド」はきっとずっと特別に好きって言ってると思う。

タイトルの通り「ピーター・パン」を題材に、その後を描いた作品です。フック船長の企みで年を取ってしまったピーターパン(メタボ気味)が、大人になったウェンディたちに助けを求めて元に戻ろうとする話。

子どものころのおもちゃ箱をひっくり返したみたいに、楽しくて切なくて懐かしくて、幸せな気持ちになれる。最初から最後までワクワクとドキドキが続く物語です。

飛べなくなったピーターが汗をかきながら走る姿も、皮肉に笑うフック船長の姿の良さも、身軽に跳ね回って場をかき回すピーターパンの影も、みんな魅力的で大好きになってしまう。

物語が進むにつれてピースが集まり、クライマックスですべてがぴったり合わさる、そのときの感動ったらないです。最後、暗転で終わるんだけど、それがもう最高すぎる暗転なのでほんと観てほしい。ほんとに。本当に。

もう、とにかく観て!と声を大にして言いたい。観て!!!

その後初演版も観ましたが演出面では大きく変わらず、ところどころブラッシュアップされてたのだなーという感じでした。影は初演も再演も同じく少年にしか見えないしくるくる跳ねてるから、若返りのなんかがあるのかなって……*1

その後「MAPS」のチケットを取り、予約していた「ピカレスク◆セブン」が届いてピーターパンのコケコッコー!で泣き、「機械城奇譚」を観て「贋作・好色一代男」でまた最高すぎる…と打ち震える今に至ってます。この間だいたい4ヶ月。

こうして書き出してみるとまだまだ全然だな。でも好きな気持ちに嘘はないのでいいのです。

ピカレスクセブン」は納得いかない部分は多少あっても(ジャックザリッパーちょろすぎるのでは?という)、あの勢いや、入れ代わり立ち代わりするキャラクターと物語が最後ひとつにまとまったときの爽快感は楽しかったです。

20周年記念だけあって「ネバーランド」もそうだけど、過去作を知ってるともっと楽しめた箇所があったんだろうなあ。私はピーターとフック船長、ヌルハチ(ていうかいまたさん)のシーンに身悶えました。「お前にはまだ早かったな」とか。

「カブトームシ!」のシーンが大好きです。カブトムシを前にしたらマクベスだって男子になっちゃうし、ピーターが泣きながら「どこ~?」て言ってるの最高に男の子でかわいい。

こちらのピーターパンは少年通り越して子どもに見える若さでやっぱりくるくるぴょんぴょんしてた。

そして「贋作・好色一代男」です。

原作が江戸時代におけるポルノグラフィ。というだけであれだけども、ストーリーは際どいし、ちょっとみんな落ち着いて考えよ!て言いたくなるし、実際一呼吸置いたら起きない悲劇ばっかりだったのではとも思うんだけど、そういう御託はいいからとりあえず踊ろーーー!というエネルギーに満ちていてすごい。なんかもう迸ってる。

映像で観てもそうなんだから、当時劇場でみれた人はどれだけ圧倒されただろうと思います。羨ましい!

登場人物は、主人公の世之介をはじめ、みんなだめなところのある人間です。弱かったりずるかったり馬鹿だったり。そしてどうしようもない間違いも犯す。冷静に考えると本気でだめでしょって人もいるんだけど、嫌いにはなれず、愛おしいとさえ思ってしまう。そういう可愛いげのある人たちです。

あの忘れられない音楽と、キャスト全員が狂ったように踊る勢いとに飲まれてしまったのかもしれない。なんかすごいものを見たぞ、という感覚。

俳優さん方に関しては、世之介の顔がいいです。なのだからもちろんそのお父様の顔もいいです。全体的に色っぽい話で言ってることもわりとひどいんだけどいやらしくならないのは俳優さんの爽やかさあってこそと思います。艶之丞も同じく。鈴ノ助の純粋さゆえの狂気や残酷さは胸に痛かった。

あとすごく個人的な思いとして、「股の具合はまぐわってみなけりゃ~」とか女優さんに向かって「たくさん抱きます!」とか言う姿を見られる舞台ってそうそうないなって…

特に最後が好きすぎるんですが、「機械城」に合わせて放送されたニコ生特番でこの場面を振り返ったとき、暗転してもまだみんな踊り続けてるというお話を聞いてますます大好きになりました。だから暗転してもまだ見てしまう。

 

推しの彼は社中さんでは少年性が強く出た役が多いのだけど、どれも上に書いたような純粋と狂気、残酷は紙一重という部分を持ってるキャラクターなのが面白いなーと思います。世間一般でも少年ぽいイメージは強いだろうけど、社中さん(というより毛利さんかな)の中ではどんな位置付けなんだろと思ってたところ、こんなツイートをされてました。

 キラキラ!!そっか、キラキラかー!!!!

ついてきます!と心の底から思いました。

 

 

おたくの壁打ちのようなものなので延々と好きなことだけ書いてしまうんですが、スターや読者登録ありがとうございます。

よかったらこれからもお付き合いください。

なにかありましたらどうぞ。

marshmallow-qa.com

*1:2018年も元気に短パンはいたり中学生演じて違和感ないのでいよいよ若返ってる疑惑

劇団のおしばい

ついにリンカネの新作が発表されました。

12月、東京公演のみ。地方住まいの身には少々厳しい日程ではあるものの、これはクリスマスプレゼント……と自分を励ます呪文を唱えつつ先行予約のための素振りに余念がありません。

ずっと待ってた作品なのですごく、すごーーーく嬉しいです。だって3年振り?

もしかしたらもう出演はないかも、とぼんやり思ってたキャストの出演も決まっていて、本当のオールスターでの新作です。嬉しくないわけない。

許褚もいるし!!!!!そんなの、嬉しくないわけがない。

リンカネシリーズは三國志をベースにしているもののオリジナル要素の強い作品です。キャラクターがとにかく愛おしくて、彼らが既に決まっている歴史をどういう風に辿っていくのか、一度触れてしまったからにはそれを追わずにはいられません。

観なきゃ観ないで良かったのになー!でも観ちゃったしなー!!ていうめんどくさい気持ち。あとね、みんなかっこいいところが好きです。西田さんの演出は正直ノットフォーミーなところもあるんですが、カッコつけ(褒め言葉)に関しては私的にかなりの高得点だな……

来年1月には少年社中さんの新作もあるし、素振りにもますます力がはいるというものです。

 

さて、社中さんです。

もう20日も前のことだけど「機械城奇譚」を観てきました。

以下ネタバレ含みます。

11年振りという劇団員のみでの公演。劇場も小さめのところ(中野ザ・ポケット)で、どの席からも舞台が近い。なんていうか、すごく劇団員のみの公演という感じだった……いつものようにゲストがいないからこそできる話だったのでは、と。

社中さんは「なにがなんでもハッピーエンドにするんだ」みたいな強引さがあるときがあって、私はそれが結構好きなんだけど、このお話は全然違います。

はっきりとバッドエンドだったと思う。物語の仕掛けも、間に入る寸劇?もすごく面白かったし、全体の雰囲気も大好きだったけど、奇跡を起こすんじゃなかったのかよ~~~という悲しさが勝ってすごく良かったと手放しで言う気になれない……

衣装も舞台セットも大好きだけど。大好きなんだけど!悲しいんだよ!!

劇中一箇所だけ、客席との掛け合いがあります。観客が舞台に向けて頑張れ!と声をかける。その後、今度は台詞として頑張れという声がたくさん聞こえてくるシーンがあります。照明を落とした真っ暗な中に響く頑張れの声。そのとき、重なった、と思ってちょっとゾクッとしました。

悲しいけど、すごく良かったと言えずにいるけど、でも忘れられない物語です。

 

このときの物販で「贋作・好色一代男」を購入しました。社中さんもまだ覚えたてなので少しずつDVDを集めてる最中です。とりあえずは推しくんの出ている作品から。

これがすーっごく良くてね!本当にすごく良かった!!大好きです。

ラストの部分なんて毎日観てるくらい好き。

何回でも言います、大好き。

社中さんについてこのまま書こうと思ってたけど、なんだか長く語ってしまいそうなのでそれはまた別記事にします。

ネバーランド」と「好色」と、語ることがいくらでもあるんだ……

 

過去へ飛ぶ

なにせ本格的にハマったのがこの春なので、過去作の多くに立ち会えていません。

なのでちまちまと円盤を集めたり、配信があったらそちらでも観たりしているんですが、面白い作品は映像で観てももちろん面白いし演技の素晴らしさは十二分にわかるもの……なんていうのは建前で、実際にはその作品が面白ければ面白いほど、演技が素晴らしいほど、テレビとかPCの前でのたうち回ってます。

なんで!私はこれを生で観てないの!!

特にその劇場が今はないとかいう情報がプラスされるともう泣きたくなる。

 

さてここで推しを紹介します(いまだに「推し」と呼んでいいか悩むけど他になんていっていいかわからない)。

お芝居の上手さとか身体能力の高さとか、彼については他にもいろいろで語れると思うんですが、私が特に心を惹かれるのが彼の泣きの演技です。泣き叫ぶのも目にいっぱい涙を溜めるのも、笑顔のまま一筋だけ流すのも、どれも本当に最高だなー!と思ってる。泣く演技だけでなく、表現力?感情の発露の演技?そういうの全部最高と思ってるけども。笑顔だって最高だけども。*1

この界隈ではベテランと言える人です。もっと具体的に言うと魚篇のある小さいほう(わかりやすい!)。

 

そう、芸歴がそこそこ長いのです。それはつまり、それだけ多くの作品に出演しているということ。でも2.5じゃない舞台の出演も多い彼、映像化していない作品もたくさんある。

中にはプロモーション映像だけは上がっている作品もあって、そこで泣いたり叫んだりしてる彼を見ると、撮ってる映像そのままでいいから見せてくださいよ~~という気持ちになります。

なのでまずは映像でも見られる作品は、そのこと自体に感謝すべきなんだけど、でも。

でもさ。だけどさ。

生で!!観たかった!!!

と、地団駄を踏むことがやめられません。

自分が実際に舞台を観るようになって感じたことだけど、その場だけの空気とか雰囲気とか、絶対にあるから。体験したかった……と心から思うのです。

まあだからって映像で観たことを後悔なんてしないし、観ることができてもちろん嬉しいし楽しいし幸せで、面白いものはやっぱり面白いのだけど。その部分だけを大事にしたらいいのにね、と思いつつ、だけどやっぱり止まらない地団駄。

 

過去の個人イベントの話は楽しそうだなーと思う程度なので、私自身が舞台作品というものへの思い入れがより強いのかもしれません。

ちなみに地団駄で終わらず涙まで出てきたのは、「ネバーランド」を観たときです。円形劇場もうないじゃん!!

それくらい名作です。おすすめです。最高です。

 

そうこうしてるうちにイベント開催の発表がありました。わー!うわー!

握手会があるのだけど、握手会ってなにするの…?初心者おたく、先人方のブログで心得を勉強します。

 

 

*1:刺されたり、骨折られたり、焼きごて押されたり、そういう痛い演技も最高

繋げる、繋がるー『最遊記歌劇伝ー異聞ー』

最遊記歌劇伝ー異聞ー』

 

今までのシリーズは円盤でしか観たことがありません。とはいえバクステも含めもう何度も繰り返し観ていて、次は絶対観るという決意をしてるので、今回は番外編とはいえ実際に観劇できるのをものすっごく楽しみにしていました。

何よりも、まだちゃんと繋がってるというそのことがとにかく嬉しい。

原作はシリーズ本編、外伝は読んでますが異聞は未読。光明の修行時代の話というふんわり知識のみでの観劇。

 

以下ネタバレ含む感想です。

観終えてまず思ったのは、「せ、青春……!」ということでした。仲間とか協力とか、最遊記シリーズ本編では御一行に全力で拒否されそうな真っ当さに満ちてた。

まだ原作も途中ということで、物語としては肝心なところにはほとんど触れないまま終わってしまった感があります。でもその分、本編に漂うような重さ息苦しさは少なく、笑ったりハラハラしたりを素直に楽しめたかな。

物語は2つの時間軸からなっています。「現在」である光明と烏哭の旅と、その道中で振り返る光明の「過去」である峯明と一ノ班の修行時代。

前述したように基本的に明るい笑いどころも多い話なんだけど、それでも拭いきれない切なさがあるのは、現在があっての過去であるということ。

一ノ班のうち三蔵法師になるのは3人と決まってるし、舞台上での「現在」ではそのうち2人はもういない。さらに言うとそれを語る光明の最期も私たちは知っている。

だからこそ、彼らの青春時代は光り輝くばかりなのだ…

一ノ班のみなさんは深澤くん以外ほぼはじめましての方々でした。

玄灰がすごくかわいかった!あの頭と妖怪耳であんなかわいくできあがるのすごい。未来が見える力を持っているという、光明とは別に俯瞰の視点を持ったキャラです。そういう冷静さとか一歩引いた感じがとても良かった。あとでっかい桃ちゃんによく登ってるの最高でしたね…かわいい。

その桃ちゃんこと桃醍は、烏哭によって殺されるというこの物語の根幹というかスタート部分を担ってるので、ずっとその事実を念頭に追ってしまいました。見せ場が少なくてちょっと残念だったけど、いずれ剛内三蔵となる男の実直さ面倒見の良さ、度量の広さとかは描かれてたんじゃないかな。あと繰り返すけど大きい桃醍の隣に小さい玄灰がいるバランスがすごいかわいい。

峯明は……よくわからなかった。でも彼に関しては底知れなさ以外なんにも描写されてないからそれでいいのかなーとも思います。田村さんはひょうひょうとした雰囲気がぴったりですね。歌も上手だった!あのほーさんがどこをどうして(みかしゅん)光明になるかの道筋はまだ見えないけど。

他に一ノ班で印象強かったのはナルシストの蝶庵。「眠れないなら俺を数えろ!」は普通に吹き出してしまった。笑うでしょ、こんなの……

彼らがこの先どうなっていくかはとっても気になるところです。

大人組(と言っていいか)は、もう安定感この上なかったです。光明が穏やかさとともに持ち合わせるぞっとするような冷たさとか、烏哭の抱える闇とか。安定の、としか言えない。你博士よりずっと若くて光明とか待覚法師とか、大人に振り回されがちな若者を演じる唐橋さんは新鮮でした。玲くんの健邑が重なって見えたよ。

それと声を大にして言いたいのがキャバ嬢最高だなー!!ということです。

雑女装と女優(男)の本気が同時に見られるなんてまさか思ってませんでした。円盤買います。

歌劇部分の感想は、もう記憶もだいぶ薄れてきてるけどパロディがすごい多かった。でも「いざ往かん~」て歌はかっこよかったです(曖昧すぎる)。

異聞だからってまったく別物という扱いじゃなく、今までどおり、シリーズ全ての歌が織り込んであることに感動しました。ゴトゥザウェーーエーって歌詞だけでもう泣ける。あと光明が三蔵のパート歌ってた!ていうのでも泣く。

 

この作品で初めて最遊記歌劇伝に触れたという人の感想が気になります。私なんてしょっぱなのBurialの回想で興奮して泣き、「茜色の空を~」と歌う光明で泣き、光明・烏哭・待覚法師の3ショットでもまた泣いたし。そうしてこの舞台の歴史(というと大げさかもだけど)とか、繋げたいとずっと言い続けてるキャストの想いだとかを思いながら見てしまうのだけど、まっさらな状態ではどう見えたんだろう。

 

以下余談

今さら私が言うことでもないけど、最遊記歌劇伝はとてもいいですよ…鈴木拡樹氏がお好きならば観ておいて損はない、というか観て欲しい。本編はもちろん、バクステもすごく凝ってて楽しいです。おすすめはBurialの、たいぞうくんとにこにこ笑い合いながら歌のお稽古するひろきくんです。あんなに楽しそうに映ってるひろきくん珍しくない?

好きなもの

俳優さんは別として、好きな作品はいろいろあります。

たとえば弱虫ペダルシリーズ。舞台刀剣乱舞2.5次元ではないけど少年社中さん。

ペダルに関しては思うことはいろいろ、もう本当にいろいろあるのだけど、でももやもやしながら臨んでも、いざ観ると楽しい、面白い、また観たい!となってしまう。私にとって、そういうパワーのある作品です。

刀ステは個人的に一番思い入れが強いのは虚伝の初演かな。なぜかというと、最初の作品だったから。これに尽きる。舞台上の男士たちはOPからEDまでとにかくかっこいいの連続でした。三日月の存在感や、まんばちゃんのマント捌きや(あの布切れはマントだったんだと納得した瞬間)、あとうちにはまだいなかった不動くんの不安定さ。不動くんの慟哭は何回観ても泣ける。その後に繋がる物語上の仕掛けはともかくとして、シンプルにまとまって見やすかったとも思います。

再演はブラッシュアップされて殺陣の見応えもアップしてたけど、でもやっぱり初演ありきだと思うので。

悲伝を観てからはなおさら、本当になおさら、虚伝初演が光り輝くようではありませんか。ねえ。

社中さんは客演の俳優さんから興味を持ったんですが、今はもう劇団自体のファンです。つい先日も観てきました。劇団員さんが好き!演出も好き!音楽も好き!衣装もかわいい!あとなんていうか、結末に対しての信頼があります。毛利さんへの信頼というか。1月の新作も楽しみだなー!

 

他にも何がなんでも繋がってほしいと思ってるシリーズや、今後続編が制作されるのかもわからないけど発表されたら絶対に観たいオリジナルの舞台もある(ちょうどこれ書いてる間に演出家さんが続編匂わせツイートしてて大歓喜中)。

こちらの世界に足を踏み入れてから日が浅いので知っている作品、追いかけている作品もきっとまだまだ少なくて、良い出会いがたくさんあるといいなあと思ってます

 

 

 

少し愚痴めいたはなし

 

推しくんの出演する朗読劇に行ってきました。

ファンタジーでも時代物でもない、現代社会のごく普通の成人男性を演じる推しくんはとても新鮮だったし、発声の良さに聞き惚れたり改めて彼のお芝居の上手さに感動したり、ちょいちょい素敵なシーンもあったのだけど、お話に注視すると、つまり…どういうことだってばよ、という感じ。あとこれは演者にはまったく関係ないけど運営がぐだぐだの極みだった。

会場ではすすり泣く声も聞こえたから刺さった人には刺さったのだと思う。でも私には違った。今までもそういう作品に出会ったことはあるのに、それがすごく残念で寂しかった。そしてそう思うことに悔しさとか自己嫌悪もありました。

より良い作品に出てほしいと思うのはファン心理として否定はされないものだろうけど、その「より良い」というのが自分にとってのものになってやしないか。それはいつだって彼にとってのものであるべきなのに。なんてことをとぼとぼと歩きながら考えてたわけです。

応援したいという気持ちは本当なのにね。

ハッピーエンドの力強さー少年社中「MAPS」

少し前にメモしていた感想をせっかくなので持ってきました。

 

少年社中「MAPS」

2018/6/22 マチネ

ABCホール

 

舞台セットはごくシンプル。いくつものブロックが積み上げられてるだけなんだけど、それを役者さん自身が動かし組み立てるというスタイル。冒頭、まだ客電も落ちる前に南さん演じる漫画家(もしかしてまだその時点では役者さんご自身としての登場なのかもしれない)が舞台に出てきて黙々とブロックを動かしていく姿が印象的です。

そして流れるボレロ。気持ちは否応にも盛り上がる!

社中さんの舞台は1冊の本だなあと思う。図書館で見つけた本でもいいし、本屋のすみっこにあった1冊でもいい。どんな物語が始まるのかどきどきわくわくしながら扉を開けて、1枚ずつページをめくっていく感じと似てる。

漫画家のストーリーを中心に、彼のイメージに合わせて伊能忠敬の物語が流れるように入り込み、冒険家の物語は波のように押し寄せる。

私は特に伊能忠敬の物語が好きでした。

伊能忠敬は実家がわりあい近くにあって、彼の記念館に行ったこともあるのでなんとなく身近に感じている人物です。もう、忠敬さんの情熱がすごいの。さんざん商才を奮ったあと、イチから勉強をしてやがて地図作りを始め、何度挫折しても諦めない。

その情熱の理由、原動力として「MAPS」が提示したものはあまりにもロマンチックで。岩田さん演じる伊能忠敬が女房に告げた愛の言葉は、すごくストレートで真っ当で、でも重ねられた分だけ心に深く残りました。

忠敬さんはこの舞台上で一番の年長者だったと思うのだけど、そのせいか物語における大人力のようなものを一手に引き受けていた感じ。赦しというか、諦めというか…?

ご夫婦、親子、伊能家の関係がとても素敵。息子役の伊勢さんもすごく良かったなー。

冒険家の物語は、社中さんらしい(と言えるほど私はまだ知らないけれど)ファンタジーな世界観。ストライプとギンガムチェックの衣装がとってもかわいかった!

社中さんの舞台はいつも衣装が凝ってて素敵ですね。パンフレットのビジュアルイメージも無国籍な雰囲気が素敵でした。

白状すると、ライアの登場の仕方がまるで主人公のようだったのと冒険家が「船長」と呼ばれてるのと印象がわやとしてるのとで、最初はどっちがどっちだっけ、とちょっと迷いました。すまぬ。今になって思うと、歴史上の人物である伊能忠敬以外に固有の名前を与えられているキャラクターってライアだけなんだなあ。もちろん「Liar」嘘つきってことですね。なるほど。

楽園の住人、感情の名前を持つみなさんは、それぞれ個性が強く、たった1人が舞台上にいるだけでも圧がすごかった。なのだから快楽至上主義者と永遠なる怖れの戦いはとにかく濃いなー!と圧倒されていました。少年漫画のようだった。

漫画家の物語は少し複雑で、今になっても何が嘘で本当だったのか、ちょっとあやふやです。もう一回観たいよー!けれどクライマックスでの漫画家の台詞は真実で、私にはどの台詞よりも強く響きました。

「物語は必ず完結させなければならない、そしてハッピーエンドでなくてはならない」

これは毛利さんの、そして少年社中という劇団の宣言なのだろうなあ。創作における信念。

そして冒頭の群唱にあるように、これは「あるいはあなたの物語」、私の物語でもある。立ち止まらず進まなければ。最後は幸せでなければ。

こんなの背筋が伸びてしまうし、顔を上げてしまうし、泣いてしまう。

大阪では先日大きな地震がありました。公演当日に目に見える影響はなかったものの、エンターテイメントはそうした非常時の影響を大きく受けやすいコンテンツです。

それでもショウ・マスト・ゴー・オンという精神がある。幕が上がったところにある物語がそういう信念のもとにあるものなら、それはなんて幸福だろう。

ボレロをバックに、OPがEDでも繰り返されます。この演出大好き!

地図があると高らかに言うのはライアではない。もう嘘ではない。

 

ああ、面白かった!と満足して席を立てること。それが全てとは思わないけど、でも少なくとも私にとってはそれは大きな幸福だったなあ。